2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「かなしみ」  石垣りん

北村薫さんの「詩歌の待ち伏せ」を思い出し、石垣りんさんの詩で、じーーんとしたものを覚書。 「かなしみ」 石垣りん 私は六十五歳です。 このあいだ転んで 右の手首を骨折しました。 なおっても元のようにはならないと 病院で言われ 腕をさすって泣きまし…

「サハラに死す」上温湯隆の一生 

「サハラに死す」上温湯隆の一生 長尾三郎 編 講談社文庫 1987年7月15日 第一刷発行 東西7000キロのサハラ砂漠を、ラクダとともに単身で横断しようと挑んだ上温湯(かみおんゆ)青年の話。残念ながら、その夢はかなわなかった。遊牧民に死体として発見さ…

「理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性」 by 高橋昌一郎

「理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性」 高橋昌一郎 著 講談社現代新書 2008年6月20日 第1刷 2020年4月1日で、第20刷というのだから、相当売れている本なのだろう。 しかし、かなり難解。 架空の人物のディスカッション方式が余計に、、、読みにくい・…

余計なものは、「オリ」にして出してしまえ。

澱、オリ。 沈殿物。 一週間ぐらい前に開けた、ピノタージュ。 南アフリカの赤ワイン。 ピノノワールとサンソーが交配された葡萄で、すっきり飲みやすいテーブルワイン。 保存性を高めるために、小瓶に移しておいてとってあった。その小瓶を今日飲んだら、ち…

知行合一

学習というのは、インプットとアウトプットからなる。 インプットとは、五感。 アウトプットとは、行動。 五感というのは、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚。 行動というのは、筋肉をつかった人間の動きのこと。 言語の学習で言えば、 聞く⇒ 話す 見る⇒ 書く …

「最後の授業」 by アルフォンス・ドーテ

「最後の授業」 by アルフォンス・ドーテ 桜田佐 訳 偕成社文庫 1993年7月 第一刷発行 ワインの勉強をしていて、フランス アルザス地方についての雑談で出てきた本。 淡々と、短文でつづられる短編集。 フランスの歴史の一部を、さらーーーっと、撫でるよう…

考えない時間 朝の坐禅

初めてやった。 朝のWeb坐禅。 主催の方に誘っていただき、Zoomで参加。 気持ちよかった。 やっぱり朝起きて30分後ぐらいだと、まだ今日は何をしようかな?とか、冷蔵庫にあれがあったなーとか、今日の午後の予定はどうだったかな?とか、いろんな雑念があ…

「ダリウスは今日も生きづらい」 by アンディーブ・コラム

「ダリウスは今日も生きづらい」 アンディーブ・コラム 集英社 2020年12月20日第1刷発行 心をゆるめたい時に、おすすめ。 読んでよかった。 数時間で一気読み。 アカデミーヒルズのおすすめの本だったので読んでみた。 最初は、普通に家族愛の物語かと思って…

「ボージョレの真実」 by ミシェル・ドゥプロスト

「ボージョレの真実」 by ミシェル・ドゥプロスト 図書館で目に入ったので借りてみた。 2006年河出書房新社。 既に10年以上昔の本なので、ボジョレーを取り巻く環境、いやワインを取り巻く環境は大きく変わっていると思うが、2004年にボージョレー復興のため…

白ワインの香り 「りんご」 と 「レモン」

ワインを勉強中である。 ワインを表現する言葉の使い方には、それぞれ国の背景がある。ということを、最近強く思った。 人は、経験したことがあることしか(あるいは本や映画の疑似体験から)、第三者の言葉から、何か想像することはできない。 日本ソムリエ…

「笹まくら」 by 丸谷才一

「笹まくら」 丸谷才一 昭和50年8月15日初版発行 河出書房新社 米原万里さんが 打ちのめされるようなすごい小説と言っていた、丸谷才一さんの「笹まくら」を読んだ。 戦中、戦後の昭和の話である。 感想を一言でいえば、私も打ちのめされた。 面白かった。 …

鳥瞰力 と 俯瞰力

とある会合への事前課題提出のなかで、 「問題に気付く鳥瞰力を育むことに、『日本のこころ』は、どう寄与するのか?考えてみたい。」 と、コメントして提出したところ、 「俯瞰力ではく、鳥瞰力ですね?」と、念を押された。 鳥瞰 と 俯瞰 の違いは? あま…

「テクノロジーは貧困を救わない」を思いだした。結局、人。

「テクノロジーは貧困を救わない」 外山健太郎 (著) を、ふと思い出した。 読んだのは、多分、平成の終わりころ。5年くらい前か? ただ、その言葉を思い出した。 読んだのは、私がまだテクノロジーの追及に燃えていた頃だった。 でも、なにか、つかめそうで…

靡く 騒く 揺く 輝く 囁く: 擬態語

靡く 騒く 揺く 輝く 囁く なびく さわく ゆらく かがやく ささやく 「GOZOノート1 コジキの思想」 吉増剛造 慶應義塾大学出版会 2016年6月15日 の中の、「一語の魅力」という項ででてきた。 この「なびく」はオノマトペを語幹とする動詞の一例として挙げら…

バイオフィリア Biophilia 自然愛

バイオフィリア。 初めて聞いたけどちゃんと英和辞書には載っていた。 Biophilia: 生物自己保存能、生命愛 バイオフィリアが満たされると幸福を感じられるということ。 昨日、オキシトシンについて「諸刃の剣」という言葉で表現されていた本、 「GO WILD」 b…

諸刃の剣

諸刃の剣: 一方では大変役に立つが、他方では大きな害を与える危険を伴うものの例え。 英語でも、 Double-edged sword. 「諸刃の剣」という言葉を目にすることが重なったので、ちょっと引っ掛かった。 目にしたのは、本の中。 「人生を変える習慣のつくり方…

さびしさの雲霧、悲しみの雲烟  

さびしさの雲霧 と 悲しみの雲烟 「隣の国のことばですもの 茨木のり子と韓国」 by キムジヨン 2020年12月25日 出版 、のなかで、出合った言葉。 2021年3月にアカデミーヒルズで紹介されていた本。 寂しさの雲霧。 悲しみの雲烟。 読んだとき、胸がぎゅっと…

「モノの書き方」

「モノの書き方」 話題の達人倶楽部[編] 2016年11月5日 たまたま、図書館の棚で目についたので手に取ってみた。 私は、文章の書き方をちゃんと勉強した記憶がない。 多分、我流で、見様見真似でやってきたのだと思う。 例文が、〇、×、で示されているので…

ノブレス・オブリージュ

この数日間で、「ノブレス・オブリージュ」という言葉に何度もであった。 *身分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務があるという欧米社会における基本的な道徳観。もとはフランスのことわざで貴族たるもの自分にふさわしい振る舞いをし…

「多読術」 by 松岡正剛

「多読術」 松岡正剛さん。 非常に読みやすい。日本語がこなれている感じ。さすがだ。 それにしても、また、読みたい本が増えてしまった。 本ではないが、松岡家によくあったという「主婦の友」、「文藝春秋」も手にしてみよう。 そうだ、2Bの鉛筆をかって…

「本を味方につける本」~自分が変わる読書術~ by 永江朗

読書術とはあるが、「本」をもっと身近なものにしよう、という感じ。 本を分解(物理的に、裁断!)してみよう、と言っている本は初めて読んだ。 新しく出会った言葉。 「スピン」、「花布」。 図書館のジュニアコーナー、特設棚にあった本。 河出書房新社の…

「羊の宇宙」 by 夢枕獏

2005年の新装版。 たむらしげるさんの絵。 挿絵ではなく、絵本。 あぁぁぁぁ、こういう世界が好きだ。 私も、物理学者になりたかった。 宇宙物理をやりたかった。 でも、いつの間にかバイオテクノロジーに進んでいた。 私も、絵描きになりたかった。 絵本を…

もうひとつの ”かなしい” 愛しい

先日、人生の大先輩に、「悲しい と 哀しい の違い」について、教えてもらったとき、もう一つの「かなしい」、も教えてもらった。 愛しい:かなしい:身にしみていとしい。かわいくてたまわらない。かなしい。 「愛しい(かなしい)」自分では使わないな、と…

「恋する日本語」 by 小山薫堂

とあるところで、目にして、図書館で借りてみた。 表紙も、ちょっと、かわいらしい文庫本。 いくつかの日本語が、見開きページの短い恋の物語で表現されている。 小山さん曰く、 「日本語とは、恋をするために生まれた言語なのだ」、と、ある時ひらめいたと…

蘇民将来 そみんしょうらい

そみんしょうらい???なんだそれ? 「パンデミックの文明論」 ヤマザキマリ・中野信子 にでてきた。 ある旅人が裕福な家に立ち寄って一晩の宿をこうた。 ところがその家の家長は裕福であったにも関わらず、旅人を追い返してしまった。 しかし家長の兄であ…

ふらここ

久しぶりに目にした、「ふらここ」。 新聞の俳壇ででてきた。 ふらここ。 音(オト)は、身に覚えがある。 でも、なんだっけ?なんだっけ? どこで、出合ったことがあったんだっけ??? 「ふらここ」 普段使わない言葉、わすれてしまう。 しょうがないので、…

「オリガ・モリソヴナの反語法」 by 米原万里

どこまでが史実で、どこからが小説なのかわからなくなる。 夢中になって、読んでしまった。 私的には、満足度の高い一冊だった。 米原万里さんの文章のうまさにもはまって、最近になって彼女の作品を読むようになった。きっかけは、「不実な美女か貞淑な醜女…

悲しみ と 哀しみ の違い

「悲しき熱帯」を読んだときに、なんとなく、哀しい、じゃないのかな? と思ったので、そんな話を、本の校正のプロに聞いてみた。 彼は、私より20歳年上で、古希のお祝いをしたのは数年前。私が知っている人の中で一番の酒豪であり、物知りであり、でも決し…