「2022 これから10年 活躍できる人の条件」 by 神田昌典 (2012年2月3日 発行)

「2022 これから10年 活躍できる人の条件」神田昌典 著

2012年2月3日 発行

PHP ビジネス新書

 

2012年の本だから、発行から9年。すでに2022年まで8か月、という今、読んでどう思うか?

今読んでも、面白い。

 

この本、自分のワーキングメモリーを回すことで人生を楽しみたい人にお薦め。

 

私は、彼の著書をこれまでにもいくつか読んでいる。マインドマップ関係、コピーライティング関係、春夏秋冬理論、などなど。肩書は、ビジネスコンサルタントというけれど、活躍の幅が広い方というのが私の神田さんへの理解。

 

でも、かれが、一度、余命宣告をされた癌サバイバル者だったというのは、本書の「はじめに」を読んで初めて知った。やっぱり、彼の書籍に惹かれるのは、死に直面したことのある人の強さがあるからかもしれない。2010年12月7日、46歳の時に癌だといわれたそうだ。その後、彼の癌は消滅した。よかった、よかった。

 

心に残ったポイント、

1. 70年周期理論

2. 儒教の国の連携

3.  「脳」=「資本」の時代

4. TEDの講演を目指してみる

 

1. 70年周期理論

今回の本で、神田さんの著書「春夏秋冬理論」にも通じるな、とおもったのが、70年周期説。

面白い。歴史は、70年ごとに繰り返す。

大きな転換点は、70年ごとにくる。

1915年 大戦景気 (景気UP) ⇒ 1920年 終了(景気ダウン)

1985年 プラザ合意と日本のバブル景気 ⇒ 1990年 バブルの終焉

1985+70=2055年、何が起きているだろうか??
いまは、70年周期のちょうど真ん中、どういう中間期なのであろうか?

 

そうか、70年前の出来事を調べると、今の出来事と似たことはあるのだろうか?

とおもって、2021-70=1951年の出来事をネットで調べてみた。

1951年 日米安全保障条約調印、赤痢の大流行

 

なんと!

赤痢は細菌による感染症。ウィルスではないけれど、70年前にも感染症で苦しんだ日本があったことにびっくり。

安保、、、東シナ海インドシナ海の不穏から、アジア太平洋海域をめぐる動きが、何かあるかもしれない。

 

まぁ、似たようなことは他の年にもおきているだろうから、あとから因果関係をつけているだけかも。内田樹さんのいう、ただの「シンクロニティ」。意味ある偶然の一致。

ひとは、宿命とか運命とかと関連付けたがる、、、。ってことか?

でも、70年周期理論、ちょっとおもしろい。

*シンクロニティ 引用参考図書 内田樹さん

www.amazon.co.jp

 

 

2. 儒教の国の連携

東アジアの共通点として、神田さんは「儒教の国」という事をあげている。論語をもとに、道徳に基づいた行動をする。渋沢栄一の「論語と算盤」は、儲けるという事と道徳とのバランスの必要性に、渋沢さんが早くから気が付いていた証拠であると。

 

制度化・体系化された宗教ではないけれど、道徳的行動指針があるのが、儒教の国ということなのかもしれない。

あれ?儒教は宗教か???

 

神田さんは、日本、中国(香港・マカオ・台湾含む)、朝鮮(韓国・北朝鮮)が欧州におけるEUのようなものができればいい、と、提案しているけれど、2021年の現時点で、その可能性は極めて低そうだ。EUも実際のところ、うまくいっているとも言い切れないところもある。いまは、各国が自国主義になりつつある感じ。イギリスはとうとう抜けちゃったし。

そもそも、中国は、他国との協力より、自分たちが世界覇者になることをねらっている。協力して経済を作り上げるということは、この先50年はないような気がする。

*Megureca思考の参考図書:

チャイナ・アセアンの衝撃 日本人だけが知らない巨大経済圏の真実 | 邉見伸弘 | ビジネス・経済 | Kindleストア | Amazon

 

神田さんは、70年周期説の中で、2015年におけるモデルはいまだにない。だから、日本がモデルになればいい、と言っている。

人口減少をいち早く経験している日本が、そのモデルとなる社会をつくってアジアのリーダーになればいいと。

 

今の日本を見ていると、それも、ちょっと、、、人口減少高齢化社会に対するモデルと言えるような社会をつくるということも、低迷している気がする。

コロナだけがいいわけではないだろう。。。

 

3.  「脳」=「資本」の時代

活躍できる人の条件、私なりの理解。

時代のはざまの中で、自分のライフワークを見つけられる人。

「脳」=「資本」の時代だからこそ、自分の頭で考えられる脳みそをつくること。

脳の栄養は、経験と疑似経験。自分で行動することと、読書などのインプット。

神田さんは、インプットする情報から知的創造につながる、人の成長の4段階を説明している。

①イン・フォーメーション:個人にフォーカス、個人能力・スキルアップ

②インター・フォーメーション:身近なチームで、自分で自分を知る

③エクス・フォーメーション:自分の世界を外に作り始める

④トランス・フォーメーション:それぞれの世界観をもった他者とつながる

 

ハーバード大学のロバート・キーガン博士の大人の知性の3つの段階とリンクする考え方だと思う。

*Megureca思考の参考図書

ロバート・キーガン:『Immunity to Change』邦題『なぜ人と組織は変われないのか』 (私がバイブルにしたいと思っている本)

www.amazon.co.jp

 

4. TEDの講演を目指してみる

神田さんは、自己成長のために、”TEDで講演する”を目標にしてみてはどうか、と薦めている。

まさか、まさか、自分がで講演するのは全く想像つかないけれど、講演するくらいのつもりで、自分の頭の中を整理してみるといいかもしれない。

Youtubeにあげる、動画でもいい。

ちょっと、それくらい、頭の整理してみてもいいかも。

TEDと言えば、本書のなかで、脳科学者、ジル・ボルト・テイラー女史の『パワフルな洞察の発作』という講演のことを言及していた。彼女自身が脳卒中となり、その時の自分の体の異変と、脳科学者としての自分がとった行動、認知、についての話。

そう!!!

前の日に読んだ、養老孟司さんの「自分の壁」でもでてきた、テイラーさん。

これは、神様が、テイラーさんを調べてみなさい! って、言っている気がする。

 

点と点がつながる楽しさ。

今日も出会えました。

養老さん、神田さん、ありがとう。

そして、TED、最近見ていなかったけど、英語の勉強もかねて、また見てみよう。

 

やっぱり、読者は最高の娯楽である。