「あのこは貴族」 by 山内マリコ

「あのこは貴族」 by 山内マリコ

集英社

2016年11月30日 第一刷発行

 

映画になったことも知らなかったのだが、本を読んだ人の面白かった、という声をきいて、読んでみた。

以下、ネタばれあり。

 

東京育ちのお嬢様、華子が結婚に焦って、見合いをしまくって、王子様と結婚。でもその王子様は、いつまでも子供でおもちゃ(別の女)も手放せない。結婚してからそのことに気が付いて、初めて自我を主張。離婚。はじめて仕事を楽しめる華子。そして仕事先で元旦那と再会して、終了。

 

結婚適齢期、といわれた?20代に結婚に焦るお嬢様の成長の話、とでもいうのか。

3人の女性がでてくるのだが、一般的に主人公と言われるのは、まさに貴族的な華子なのだとおもうのだが、私には、この話の主人公は、慶応大学中退の美紀、のような気がした。

 

結婚して、自我に目覚めるおくての華子。その成長の話なんだろう。

華子と結婚した幸一郎の、わがままぶりと、大人にならないぶりも、いるいる、こういう男、、、。という感じ。

 

べたなストーリーだなぁ、と思うけれど、悪くない。いやな女が出てこないところが、いい。男がしょうもなくかかれているところも、わるくない。

所詮、私は女目線なのだ。

たぶん、男の人が読んでもあまり共感しないのではないか?

女の人が読んで、楽しいストーリーかもしれない。

自我に目覚めて、たくましく自分の人生を歩き始めるお嬢様。

それを、気負うことなくサポートしているたくましくもしなやかな女性。

私が主人公と感じたのは、こっちのサポート側の女性、美紀。

 

自分に相談なく仕事を変える旦那。

一般的にはどうなんだろう?

やっぱり、自分は必要とされていない、とか感じて、いじけるものなんだろうか?

相談とは言わないけれど、「〇〇したいと思っている」くらいは、先に教えてほしいかな。

 

その人の人生は、その人しか決められない。

でも、夫婦だったら、一言あってもいいよね。

結婚ってなんなんだろうか。

両性の合意に基づいて、、、というけど、家と家のつながりであることは否定できない。

かといって、相手の家を興信所を使って調査するって、、、どうなんだろうか?

 

私自身、かつて、「釣書」を持ってこいと言われたことがある。

婚約した。

でも、どうしても違和感がぬぐえず、婚約破棄した。

相手は良い人だった。

でも、その家族とはかかわりたくないと思ってしまったのだ。

結婚は、当人だけの問題ではない。

 

こういうストーリーが受けるんだね。

出てくる、どの女性にも自分を重ねない年になっているせいか、

さらっと、楽しく読んだ。

 

そうね、自分のやりたいことは自分にしかわからない。

自分の考えていることは、口にしないと伝わらない。

何かを伝えたいなら、直接本人に伝える。

だれかに、伝言するのは大人のやることじゃないよね。

大人になろう。

 

自分の人生は、自分で考えて、自分で決める。