「蒲団」 by 田山花袋

 
 「蒲団」 田山花袋 著
1930年が、第一刷。
2002年に改訂版第一刷。
岩波文庫
 
米原万里さんが、プラハソビエト学校から帰国し、日本の学校での衝撃。
先生が、「蒲団」を読んだことがあるか?と子供たちに聞いたら、自分しか読んだことのある人がいなかった。
日本の子供たちは、いくらでも日本語の本があるのに、読まずに何をしているのだろう?と思ったという、、エピソードに出てきた本。
 
他の本でも、何回か出て来て気になったのでよんでみた。
 
しかし、私自身も、これまで興味を持ったことがなかった田山花袋さん。
初めて読んだ。
 
古い時代背景。
熱い、、、ストーリー。
日本文学って、濃かったなぁ、、、と。
1930年。
なまめかしいというのか、婚前交渉なんてもってのほか!の時代。
エロチックな描写がないのに、愛にもだえる感じ。
 
最後の1ページは、人間の弱さと哀しさと、何とも言えない。
あぁぁ、、、わかるよ、そうしたくなるの、、、、。
という気もするし。。。
 
100ページほどの小説だが、読み応えあり。
どうやって話が終わるのか、ワクワクしながら読んだ。
 
あと、話のなかに、小説がたくさん出てくるのって、それによって、その本を読んでいる人の趣味趣向を表す手立てだったんだな、と、気づかされた。
 
今回の主人公は、モーパッサンツルゲーネフを度々思い返す場面がある。
彼は、作家。
作家が、読む小説。
 
古いものもいいなぁ、と。つくづく。
日本語って、変化してきているんだなぁ、ということにも気づかされる。
手紙の時の書き言葉って、今はもう、見なくなっちゃった。
メールでも、普通に話し言葉
 
わかりやすい言葉を使うのは大事だけど、
ちょっと、難しい言葉で、思考を巡らせるのもそれはそれで楽しい。
 
蒲団。
関係ないけど、コンゴの火山の噴火で、フトンを頭にのせて非難している人々の姿が流れていて、あぁ、寝るための道具って大切、、、なんて思った。
 
言葉を大切にしよう。