珊瑚枝枝撑著月
さんごしし、つきをとうじゃくす
from 碧巌録百則
とある方の、本日の禅の言葉、で出会った言葉。
僧、巴陵に問う、「如何なるか是れ吹毛剣」
陵云く、「珊瑚枝枝月を撐著す」
僧が巴陵禅師に質問した。
「吹毛剣と言う言葉があるが、それはどういう物でしょうか」。
(吹毛剣とは羽毛を剣に吹き付けた処その羽毛が切れたと伝わる名剣)
巴陵のこたえ
「珊瑚の枝の一つ一つが月光を受け止めてキラキラと輝いている」
難しい・・・・。
素晴らしい刀について、どいういうものかと聞いているのに、
サンゴは、その枝一つ一つが、月の光を受けて輝いているって、
答えになっていないじゃないか!!
と、つまり、人に聞いてもせん無いことは、聞きなさるな。
素晴らしいものがどうして素晴らしいのか聞くよりも、自分自身を見なさい。
煩悩をすてて、今ここの自分を照らしてみなさい。
って、ことか?
人を羨む煩悩をすてて、自分自身に一生懸命になったとき、光は降り注ぐ。
煩悩に侵されているのか、無心に一生懸命なのか、自分自身が一番気が付いていなかったりする。
無心に一生懸命のつもりが、煩悩によることがほとんどだったりするのが、日常ではないだろうか。
昔、海外赴任に際して、元上司から送ってもらった言葉がある。
「あせるな、あきらめるな、人と比べるな」
「人と比べるな」が、一番、身に染みた。
比べるから、妬んだり、うらやましく思ったりする。
何とも比べないというのは、自分自身に判断の基準を持つということ。
昨日の自分と比べるのはいい。
明日の自分を描くのはいい。
自分の成長に、自分の幸せにつながるから。
でも、人と比べて得られる優越感も劣等感も、本当の幸せとは関係ない。
自分の中に軸を持とう。
サンゴみたいに、ゆっくり、時間をかけて、気が付いたら成長しているかもしれない。