「緊急提言 パンデミック」
ユヴァル・ノア・ハラリ 寄稿とインタビュー
柴田裕之 訳
2020年10月20日 初版印刷
図書館で見かけたので、借りてみた。
2020年3月、4月に、ハラリが「タイム」誌、「フィナンシャル・タイムズ」紙、「ザ・ガーディアン」紙へ、寄稿したものと、NHKのETV特集のインタビューを、集めたもの。
・人類は新型コロナウィルスといかに闘うべきか
・コロナ後の世界
・市に対する私たちの態度は変わるのか?
・パンデミックが変える世界
序文は、2020年7月に、ハラリ自身が書いている。
その時点で、ハラリは、
「私達は2020年3月の時点よりも今の方が、国際協力の必要性や、グローバルなリーダーシップの救い難いまでの欠如、民衆扇動家や独裁者の危険性、監視テクノロジーの脅威を、なおいっそう痛感している。」
として、コロナが露わにした現在のリスクを示し、
「この危機をどう対応するかを決めるのは私たちなのだ。ポストコロナの世界のあり方は、今私達が下す様々な決定にかかっている。」
として、自分たちの未来を創るのは、今、ここを生きる、私たちなのだ、という事を言っている。
グローバルに協力し合う事、それは、コロナの対応だけではなく、地球のあらゆる課題がそうであるといえると思う。
この本の一番のメッセージは、互いにけん制し合うのではなく、協力し合う事を選択すべし!ということ、と思う。
環境問題も、自国主義に走れば、各国同士が足を引っ張り合う事にもなりかねない。地球はつながっているんだから。どこかで排出したものは、地球全体の及んでいく。ある意味、バタフライ効果。
入国規制をして、変異ウィルスの侵入を食い止めようと思っても、おそらく、変異型ウィルスの感染拡大のスピードを遅くすることはできても、ゼロにすることは難しいのではないかと、私は思っている。
変異は、どこでも起こる。
私たち人間の体だって、DNA複製の際の変異は日常茶飯事で、それを修復する機能が追いつかなくなると、癌になる、ということ。
感染力の強い変異が起これば、それは、時間とともにドミナント(優勢)になるのは、自然の摂理である。
イギリス型とか、インド型、とはいうけれど、イギリス型やインド型と同じ変異が日本で起きることだって、確率的にゼロではない。
入国規制は、時間稼ぎにはなるけど、根本的解決にはならない。
今、科学技術が発達し、ウィルスに対してはワクチンという手段があることを皆が知っていて、世界中が、COVID-19に有効なワクチン作りにとりかかった。
なぜ、日本はそれができないのか。。。。。
海外で有効という臨床結果があり、すでに実績のあるワクチンの国内承認に、なぜこんなに時間がかかるのか??
日本が、今、コロナ対策でグローバルに貢献できることはなんだろうか?
オリンピックを開催することなの???
なぞ。
COVID-19による日本国内感染者数、死亡者数は世界的に見れば低い。
だから、日本の一般的習慣である、「マスク」が世界中の対策として認められたのだろう。日本人の「清潔志向」、「健康志向」も、功を奏している、という説もある。
その日本が、今、ワクチン接種の出遅れで、2021年5月においても、1年前の2020年5月と、なんら変わらない、「外出自粛」という緊急事態宣言しかとれていない。
コロナが収束したとき、日本はグローバルにどのようなリーダーシップが取れる国になっているのだろうか。
リーダーシップなんて、取らなくていいのだろうか?
自分ができることは何か?
感染しないこと。
感染したとしても、抵抗できる免疫力を付けること。
和食が免疫力向上にききます!なんてことがあったら、グローバルに貢献できるかも?
いや、免疫力向上には、何より十分な休養。
そういう意味では、働きすぎをやめることが日本のいちばんの課題で、期せずして、コロナで、働きすぎは減っているかもしれない?
が、明るい未来がみえる社会がないとね。
自分ができることを考えよう。
消費活性化!も、一つの貢献。
経済をまわそう!
できる人が、できることをすればいい。
食べて、動いて、よく寝る。
免疫を向上させよう。
そうだ、旅に出れないなら、よく寝よう!!