「科学者たちが語る食欲」
デイヴィッド・グローベンハイマー スティーブン・ J・ シンプソン 著
櫻井祐子 訳
2021年1月20日初版
デイヴィッド・グローベンハイマー:
スティーブン・ J・ シンプソン:
正常な食欲をとりもどしましょう。っていう話。
読み終わって、違和感。
なんか、ちがうなぁ、、、、って感じ。
シドニー大学生命環境科学部の著者ということではあるが、学術論文ではないので、一般の人がわかりやすいように、書かれたのだと思う。科学的データと主張との間に隔たりがあるのは否めない。
本著の主張は、正しい食欲を取り戻す、正しい生活(睡眠・運動・食事)をして、自然のかたちに近い食事をすることで、健康を維持するのに役立つ、ということ。そしてそのためには、タンパク質摂取量が、重要であるということ。
個人的には目新しい話という気はしない。
人体の構成成分である栄養をバランスよくとるのがよい食事であるというのは、当たり前で、食欲をコントロールしているのが、タンパク質である。と。
まぁ、そうかもしれないけど、データと主張にちょっと距離がありすぎる気がする。
面白いといえば面白いけど、図書館で借りたんで、まぁ、いいか。
面白いといえば、人の健康の話をするのかと思いきや、出てくるデータは、バッタ、さる、ショウジョウバエ、、、、。。。
??このデータから、そういう話になるの??っていう感じ。
自分の食環境を自分で管理し、食欲を活用するべし、ということで、そのためのヒントが最後にまとめられている。
① 自分の「タンパク質ターゲット」を理解する
② 「超加工食品」を避ける
③ 「高タンパク質食品」を食べる
④ 「繊維」を食べる
⑤ 「カロリー」信棒をやめる
⑥ 食べ物を「混ぜ物」にしない
⑦ 「空腹」の時に食べる
⑧ 「塩味」が欲しいことの意味を知る
⑨ 「食欲」を信じる
⑩ 運動時は「20~30 g」 タンパク質を取る
⑪ 「食べない時間」を1日の中に作る
⑫ 「体内時計」に合わせて眠る
⑬ こもらずに「外」に出る
⑭ 作ってみる
⑮ 「流行り」に惑わされない
「超加工食品」と言っているのは、工業製品のようにして作られた加工食品のことを言っている。通常の調味料や、缶詰、瓶詰、乾物、という加工食品ではなく、原料からある成分が抽出され、それが再度混合されて作られる食品。安価なアイスクリーム、など。
食品原材料の欄に、やたらとたくさんの原材料が記載されているもの、といってもよいだろう。
冷凍食品は、保存期間を長くすることを冷凍に頼っているので、実は原材料は、食べ物そのものが多く、超加工食品であることは少ない。
実際、美味しいじゃない。
この頃の冷凍食品は。
それは、余計なものが少ないから。
実は、レトルト食品も、保存期間を長くすることは、加熱殺菌に頼っているので、原材料は食べ物そのものが多い。
超加工食品は、農作物・畜産物だけを食べていれば摂取しないようなものが入っている。
まぁ、取りすぎなければ問題ないのだけど。
お砂糖も、お塩も、天然のものだけど、取りすぎれば毒にもなるし。
こういっちゃおしまいよ、ってことかもしれないけど、やっぱり、バランスよく食べると美味しく感じる。
加工食品で、味覚が鈍感になっていると、本来なら満足できる摂取量で満足できなくなるから、過食になる。
味覚を取り戻すには、絶食が一番なんだけどね。
って、私はそうそうそんなことしないけど。
なんでも、過剰になれば毒にもなる。
それを忘れなければいいと思う。
お酒だって、飲みすぎれば毒になる。
でも、お酒で癒されることもあるのだから、それはそれでいいじゃない。
先ほどのヒントの最後がいいね。
⑮ 「流行り」に惑わされない
そうそう、自分の体の声に耳を澄まそう。
この本の主張にも、惑わされない。
原書のタイトルは、
「Eat Like the Animals」
こっちのタイトルのほうが、全然いい。
「動物みたいにたべよう!」
っていう、タイトルだったら、本を読み終わった後の違和感はそんなになかったかも。
翻訳本は、翻訳そのものの問題もあるけど、タイトルもひねりすぎるとわけわからん。
映画にもありがちね。
翻訳って、言葉って、難しい。
でも、雄弁。