懐かしい言葉、「EQ(心の知能指数)」。
「これからの生き方と働き方」(チャールズ・ハンディ著)にでてきた。
アメリカの国立乳幼児プログラム臨床センターが特定する、子供が学校で優秀な成績を収めるのに必要な資質、7つ。
「自信」
「好奇心」
「志向性」
「自己管理能力」
「関連性を見出す力」
「他者と意思の疎通を図り協力し合う力」
「満足を先延ばしにできる能力」
なんか、どこかで聞いたことあるよなぁ、と思ったら、ダニエル・ゴールマンの「EQ(心の知能指数)」で、これらをまとめている、と。
「EQ(心の知能指数)」は、日本語版出版当時、私も読んで共感したのを覚えている。
1996年7月19日、出版。
あぁ、なるほど。
この本の一年後に出たのが、「これからの生き方と働き方」(チャールズ・ハンディ著)だったのね。
なんか、そうすると、「これからの生き方と働き方」で感じた違和感の正体が、しっくりくる気がする。
時代背景が、1996年ころということか、と。
日本でも、すごくはやった。「EQ(心の知能指数)」
そう、バブル崩壊後、日本の経済成長が鈍化していく時代。
効率や生産性だけを求めていても、幸せになれないと人々が気が付き始めた時代。
「これからの生き方と働き方」の中で、この7つの資質から、これからの時代(1997年からの時代)にむけて、正当な教育の提言がまとめられている。
提言1:世界より自分自身を発見することの方が重要である。
提言2:得意なことはみんなにあると認識する。
【知能の側面】
事実に関する知能
分析に関する知能
数字に関する知能
言語に関する知能
空間に関する知能
スポーツに関する知能
直観に関する知能
感情に関する知能
実用に関する知能
人間関係に関する知能
音楽に関する知能
提言3:人生はマラソンであり競馬ではない。
提言4:情報そのものより、情報の手に入れ方や使い方を重視する。
提言5:学校と「職場」は互いに距離を縮めるべきである。
提言6:人生という旅は家から始まる。
提言7:学習とは静かに理解することである。
これは、今の時代も同じかな、と思う。
大人の学びでも同じかな、と思う。
学び続けるという事は、心の知能指数への刺激になる、と思う。
「これからの生き方と働き方」の中で、”正当な利己性”は、自己の能力を活かす責任を果たそうとすること、とチャールズ・ハンディは書いているのだが、直接でなくても間接的にでも、最終的に教育につながる責任を何か果たす、というのが大人の責任なのかもしれない、とも最近思う。
いわゆる高所得者層のみていると、ソンナニ稼イデドウスルノ?
と、聞きたくなることがあるけれど、
財産を教育の分野に投入している人は結構多い。
江副さんだって、「財団法人江副育成会」(現:公益財団法人江副記念リクルート財団)を立ち上げている。
自分のやれることをやっていれば、なにか、残せるのだろうか?
具体的なものが残せなかったら、最後は、財産をどこかの教育機関に寄付しよう。
寄付したいと思える機関があるかどうかが問題だけど。
なければ、自分で作ればいいのか・・・。
それには、資質も資産もたりないか。。。。。
私が、「EQ(心の知能指数)」を読んだときに、共感したのは、この7つの資質なら私でも結構いけるかも!?とおもったからなのかもしれない、と今更ながら思う。
20年以上も前の本だけど、内容はよく覚えていないけど、元気をもらった本だったことは確か。
「好奇心」「志向性」「自己管理能力」は、若い時でも、けっこういけてるかも、と思えた。
そして、ほかの資質も、私にとっては興味の対象であり、自分で伸ばしたい資質、と思えたのだと思う。
主観的なものだけど。
「好奇心」
私にとっては、子供の時からすべての原動力が「好奇心」だった。
50を過ぎた今でも、私の原動力は「好奇心」である。
だから、どんな本でも読んでみたい。
本当は、旅に出るのが一番好きだけど、コロナのせいで、旅の時間が読書の時間にシフトしている。
読書で満たされることもある。
でも、ほんとはもっとアウトプット(行動)もしてみたい。
「志向性」
とことん、突き詰めるは結構好きだ。飽きも早いけど。。。
色々な分野の本を読んでいると、自分が好きな傾向が少しわかるような気がしてくる。
「自己管理能力」
あるとは言わないけど、流されるのは嫌いだから、割と自己管理しているほうかも。
というか、他者に管理されることを得意としない。
できる範囲でいい。
自分で自分を管理しようと試みる。
「関連性を見出す力」
いっぱいインプットしていると、点と点がつながることは経験済み。それが関連性を見出す力なのかもしれない。
インプットは、読書が手っ取り早い。
「他者と意思の疎通を図り協力し合う力」
若いときはそんなに得意じゃなかった。でも、人生50年以上やっていると、「建設対話」が好きになってきた。一人じゃなにもできないって、わかってきたから。
そして、協力して何かをするとき、ともに喜びあえる人がいるというのは幸せなことだ。
「満足を先延ばしにできる能力」
いわゆる、時間割引率ってやつ。目の前の満足より、長い目で見た時の満足のために、目の前の欲求を我慢すること。これも、年をとってきて得意になってきたきがする。
まぁ、目の前の欲求に溺れることもあるけど。バランス。
完璧は目指さない。
一番難しいのは、「自信」かもしれない。
「本当の自信」は、何なのか?と、とある有志の会で議論することがあるのだが、
「経験」が「自信」をつけてくれるって、確かにそうかもしれないけれど、
私が思う「本当の自信」は、「自分の頭で考えられる」ことで初めてできるもののような気がしている。
これも、正解はない。
正解は、「各人が正しいと思うこと、それが各自にとっての正解。」でいいと思う。
「自分の頭で考える」ためには、判断材料をたくさん持っていることが必要。だから、インプットもたくさんする。
アウトプットもしないとね。
養老先生曰くの、「行動」だ。
知行合一。
生き方とか働き方とか考えていると、行きつくところは陽明学なのか。
また、時間のある時にゆっくり考えてみよう。
学問というものは、タイトルなんかつけなくても、考えることが学んで問うということ。
また、インプットしてみよう。