「世界史の10人」 by 出口治明

「世界史の10人」

出口治明 著

文藝春秋

2015年10月30日 第一刷

 

「この一冊、ここまで読むか!」で出口さん自身が薦めていたご自身の書。

「世界史の10人」を読んでみた。

出口さん、もう、勘弁してください。

スケールが大きすぎます!!

出口さんの頭の中って、どうして横(地理的に)にも縦(時代的)に縦横無尽に広がるのだろう。

って感じ。

でも、ついていけないけど、ついていってみたい、出口さんの頭の中の地図に。

 

タイトルの通り、10人のリーダーがでてくる。

とても、全部は要約しきれないので、読んでみてください、としか言いようがない・・・。

ま、Megurecaは、読書の記録と言っても、要約しているわけではないけど。。。

 

取り上げられているのは、各時代、各地から以下の10人。

【ユーラシア大草原から】
1. バイバルス: 奴隷からスルタンに上り詰めた革命児
 1483~1530
 モンゴル軍を破ったエジプト、イスラムの英雄。

イスラムというと私には、インドネシアとか東南アジアが身近なのだが、そうだよ、エジプトなんだよね。そして、ヨーロッパ各地の羊のチーズは、イスラムの置き土産。羊を連れて彼らは、領土拡大の戦いに出ていったから。歴史は食の文化につながる・・・。


2. クビライ: 5代目はグローバルなビジネスパーソン
  1215~1294
  モンゴル帝国第5代皇帝→元王朝

 彼らの移動の発端も、宗教。クビライの母親は、ネストリウス派の敬虔なキリスト教徒。ユーラシアの話でキリスト教がでてくるとは。。。


3. バーブル: 新天地インドを目指したベンチャー精神
 1483~1530
  ティムール帝国の一族。戦争の天才。

 

【東方の世界から「南北朝」】
4. 武則天: 「正史」では隠された女帝たちの実力
 623~705
 一度は道教の尼寺に入っていたが還俗して唐の国で皇后となる。女帝!


5. 王安石: 生まれるのが早すぎた改革の天才
 1021~1086
 中国市場、最も変化が大きかった宋の時代。庶民のための政治を実行。
 

【ヨーロッパから】
6. アリエノール: 「ヨーロッパの祖母」が聴いた子守歌
 1132~1204
 フランス、アキテーヌ地方の王女様。男関係が激しすぎて、子供もたくさんいて、、、だから、ヨーロッパの祖母。
ワインの勉強していると必ず出てくる、ボルドー地方の歴史に欠かせない人。


7.フェデリーコ2世: ローマ教皇を無視した近代人
 1194~1250
 ドイツ語でいうと、フリードリヒ2世。イタリアで活躍したときは、フェデリーコとよばれていた。家系図が複雑すぎる。。。


8.  エリザベス一世: 「優柔不断」こそ女帝の女王の武器
 1533~1603
 連合国王、16世紀に君臨した女王。
 ここも、家系図複雑、、、。母は斬首刑、姉からは命を狙われる、、、。そして、多くを語らない女王となった。何もしないで何かを達成する無類のリアリスト。

「沈黙は金なり」といったところか、、、。


9. エカチェリーナ2世: ロシア最強の女帝が見せた胆力
 1724~1796
12人の愛人。34年間の帝位。すごすぎて、何も言えない。。サンクトペテルブルクエルミタージュ美術館にいくしかない。。。


10. ナポレオン3世: 甥っ子は伯父さんを超えられたのか?
 1803~1873

ナポレオン1世は、伯父にあたる。
間抜けな皇帝の代名詞のように言われるが、出口さんは、そこそこ評価してもいいのではないか、と。
国民主権+帝政+社会主義」をミックスした皇帝民主主義を20年間つらぬいた。民衆に寄り添う政治をしようとした。かつ、今のパリの美しい街並みを造ったのだから、それだけでも評価に値する、と。

 

と、10名の活躍する時代と、そこにいたる背景を説明している本なので、とても歴史の勉強に良い本だと思う。

確かに、お薦め。

 

だがしかし、、、私の頭はそれについていけない。

 

読みやすかったのは、アリエノールと、ナポレオン3世のところくらいか。

ナポレオン3世は、よくわからない。相当な放蕩ぶりで、阿保っぽくもあるけれど、一応は、20年も政治をしたのだから、何かはあるのだろう。

カール・マルクスが、酷評したナポレオン3世だけど、これはやはり、「ルイ・ボナパルトブリュメール18日」を読んでみなければ。

 

歴史の本は、時々読むと、近視眼的な思考をしなくなるので、頭の体操によい。

しかし、この本は、体操になりすぎる。

適度に、さぼりながら読まないと、スタックしてしまう。

飛ばし読みも大事。

 

また、いつか、読み返してみたい本。

マインドマップも、1ページではおさまらなかった。

こんど、復習してみよう。

 

あと、こんな時、そばにあってありがたいのは、

「情報の歴史21」松岡正剛監修 (編集工学研究所)

本当に、すごい本。

今年購入した本のなかで最強。

7480円(税込み)で、世界中へ、どの時代へも、飛んでいける。

 

読書は、読書が味方してくれる。