「コロナ後の世界を生きる」から話題提供 出口治明さん

「コロナ後の世界を生きる 私たちの提言」

村上陽一郎

岩波新書

2020年7月17日第1刷発行

 

P. 198~「人類史から考える」。出口治明さんの項、覚書。 

 

出口さんのメッセージは、いつものように歴史に学ぶ感じ。具体的な歴史の事例をもとに、今起きていることと対比させ、これからのことを語ってくれている。

【コロナ後の日本の働き方】
コロナがもたらした明るい面の一つは、ITリテラシーが高まったということ。出口さんのつとめる立命館アジア太平洋大学(APU)では子連れ出勤と同時にテレワークを広げ、やってみると意外と子連れ出勤も問題なくできるということが確認できたと言う。

テレワークへの慣れは、私も感じている。2020年4月、首都圏で本格的にステイホームが始まったときは、私もまだサラリーマンで通勤していたけれど、結局そのあと6月末に退職するまで、出勤しなくても問題なく仕事はできた。会社が数年前から誰でもどこでも仕事をできるようにと、モバイル端末や携帯電話、ネット環境がすでに整っていたことが大きかったと思う。とはいっても、全員がWeb会議に慣れるまでにはそれなりに時間がかかったけれど、今は、会議設定=Web会議が当たり前になっている。

この一年、ちょこちょこ入る仕事は、全て、自宅で済んでいるのは、Web会議のおかげ。

 

【全世界が直面している課題】
1.ワクチンや治療薬が見つかるまではステイホーム以外の方策はない
2.ステイホームが可能になるのはエッセンシャルワーカーと言われる人たちが働いてくれているから。それを全ての人が理解するべき。
3. ステイホームによる収入減。

 

本書が出版された2020年の夏の段階では、その通りだったろう。

2021年6月末の今、課題は少し異なるかもしれない。

2021年のゴールデンウィークも、日本の政府が国民に求めた対応は2020年と何ら変わらなかった。ステイホーム・・・・。

1年かけて、何をしてきたのか???と、思わざるを得なかった。

助成金なども、何がどうなっているのか、よくわからない。

全国民一律10万円、はあったものの、その後、一般の人たちには何が支援になっているのだろう???

今のところ、私は、旅行・外食がなくなったことで、支出が大幅に減ったので、お金には困っていないけど、、、、。

 

【三つの課題から何が示唆されるか】
コロナは、全世界で共通の敵。共通の敵に対してはバラバラに戦っては勝てるはずがない。一時的に、ナショナリズムの盛り上がり、国内回帰があるかもしれないが、中長期的にはグローバルに依存する動きは止まらないはず。

 

同感。人の往来は減るかもしれないけど(無駄な出張とかなくなってよかった)、モノ・カネ・情報のグローバルな流れはこれからも続くはず、と思う。人は、一度手に入れたものを失う事に、強く抵抗するから。

 

パンデミックが生み出したもの】
14世紀のペストは、結局ルネサンスを生んだ。死ぬことばかり思っていても、いくら敬虔になっても神様は助けてくれない。それだったら人間を大事にしようとそれがルネサンスを生んだ。
15世紀のコロンブスの新大陸発見は、ヨーロッパ人ンを通して感染症が持ち込まれ、旧大陸の病原菌に対して全く免疫を持たない新大陸の人々の9割以上が死に絶えた。でも、その代わりに、ジャガイモ、トウモロコシ、サツマイモなど、色々な食糧が均霑(きんてん)して、世界は豊かになった。

1918年のスペイン風邪は、第1次世界大戦を終わらせたスペイン風邪はもともとアメリカがヨーロッパに持ち込んだもの。人がバタバタ死んでいくのを見て戦争なんかしている場合じゃないということになって、国際連盟を生み、各国は仲良くやっていこうということになった。
過去3度のパンデミックは全てグローバリゼーションを加速し国際協調を生み出してきた。

パンデミックは自然現象なのでいつ終わるかはわからないけれどもいずれは必ず終わる。今できることは被害を最小限にとどめること。

 

なるほど。確かに、次につながる何かが起きているんだ。

 

コロナパンデミックの後は、何が生まれるのだろうか。

 

私は、もっと一般の人の「感染症」に対するリテラシー、健康に関する意識が向上すればいいと思っている。海外でも、マスクをしている人が悪者扱いされなくなったのは、よかったことだと思う。手洗い・うがい、で多くの感染症は予防できる。ストレスの少ない生活を送って、ちゃんと休息して、免疫力を高めておくことが、個人ができることの一つではないだろうか。

 

 

ということで、私は私なりに、ストレスフリーの生活を目指して、免疫力を弱化させないようにする。

だから、外出自粛期間であっても、楽しむべきことは、楽しむ。

 だいたい、国に勝手に不要不急を決められたくない。

何が不要不急かは、個人の人生にによって違うはずだ。

 

出口さんが、また、お薦めの本を何冊も出してくださっていたので、また、読書の楽しみがふえちゃった。

読書も、外でするのが好きだったけど、自宅でも楽しめることの一つ。在宅でできることは在宅でする。

 

人生、楽しんだもの勝ち。

図書館で借りれば、お金もかからないし。

読書ほど、コスパのよい時間の使い方はないと思う。

 

そうそう、新しい言葉に出合った。

均霑(きんてん)

 

広辞苑によると

均霑 きんてん: 

(生物が等しく雨露の恵みにうるおうように)、各人が平等に利益をえること。

 

だそうだ。

いやぁ、使わない言葉だ。

英語でなんて言うのだろう?とおもったら、ただの ”Equal” だった。
なんか、違うよ。。。

日本語って、漢字ってすごい。

 

本を楽しもう。

楽しめば、それも、免疫力向上につながる!