日本語でも、英語でも、多分他の外国語でも、
ボキャブラリーを増やすには、繰り返し同じ言葉に出合うのが一番。
言葉に出合うには、読書なり、音読なり、視覚・聴覚からインプットするしかない。
素読は、視覚・聴覚の両方をつかうことになる。
そこが、訳が分からなくてもインプットになる所以であろう。
「橋頭堡」という言葉に出合って、その言葉に対するアンテナが立つようになった。
そして、先日、また、新しい本の中で「橋頭堡」という言葉に出合った。
「個々の民衆の代理人のひとりひとりは、こちらの政党かあちらの政党、こちらの町かあちらの町、こちらの橋頭堡かあちらの橋頭堡を代表しているにすぎない。」
(「ルイ・ボナパルトのブリュメール18日」 カール・マルクス著 丘沢静也訳 講談社)
国民議会の代議員と大統領の権限について述べられている文章の中の一節。
もう、しっかり私のボキャブラリーに追加された。
まぁ、普段の会話で「橋頭堡」なんて言葉を使う事はないだろうけど。
一方で、単語、だけを繰り返し聞いても、覚えられない経験はないだろうか?
私が、英語の勉強をしていて、まさにそう。
いわゆる、単語をひたすら羅列したボキャブラリーの本はたくさんあるけれど、そうそう頭に残らない。
ところが、昨日調べた単語が、翌日に他の場面で出てくると、あ、これだ!って、頭に入る。
それは、その言葉が使われている場面とセット。
すなわち、文章になっていることが大切。
「sluggish」という単語、「動きの遅い、停滞」という意味だが、聞きなれない英単語だったけれど、ニュースを聞いているとよく出てくるのである。
NHK world Japanでも、PBS News Hourでも。
経済の回復がsluggishであるとか、コロナ感染患者の減少がsluggishであるとか、
一度、調べた単語が、ほかの場面ででてくると、頭に残る。
バカの壁を越えたという事だろう。
アンテナが立っている状態。
英語のボキャブラリーを増やすのに、興味のある分野の本を英語で読むというのもよい。
「susceptible」という単語、「感受性の強い、感染しやすい」という意味だが、ワインの教本を読んでいると、
「果皮が薄く、貴腐菌が付きやすいセミヨンが主体・・・」
「Semillon dominates because of thin skin and susceptibility to botrytis・・・」
といった、表現がよく出てくる。
「granite」「花崗岩」。
花崗岩なんて、普段の会話でつかうことはまずないだろうけれど、ワイン用語ではよく出てくる。
ワイン用の葡萄は栄養が少ない土壌のほうが品質の良いワインになるのだが、花崗岩は栄養分が少ないのである。その土壌と気候がGamey種の栽培に適していて、あの、「ボージョレー・ヌーボー」が生産される。
こうして、普段使わない単語でも、自分の好きな分野の本を読んでいて、たびたび出てくると、覚えることができる。
他にも、もっとボキャブラリーを増やせる方法はないだろうか?
間違える、という経験も、一つかもしれない。
昨日、TOEICを受けた。
??わからない単語があった。
試験終了間際に、修正したら、間違えた・・・。
「chronological」 形容詞 年代順の。
人間間違えることもあるさ。
でも、そして、一つ賢くなる。
いかに、ボキャブラリーを増やすか。
まだまだ課題だけれど、こつこつ、日常のなかで積んでいこう。
本を読もう。
英語でも本を読もう。