「思い出を切りぬくとき」
萩尾望都 著
1998年4月23日
あんず堂
萩尾望都さんの20年以上前のエッセイ集。
図書館で借りてみた。
私は、萩尾望都さんのことは、知らなかった。
「ポーの一族」と言えば、きっと、同世代の女子で読んでいない人はいない、、、と思われるほど、有名だった、、、ようだ。
たしかに、名前は聞いたいことがあった。
でも、ムーの一族とか、、、、なんかのコメディか、どっかの国の貴族のお話なのかな、くらいにしか思っていなかった。
永遠に年を取らず生き永らえていくバンパネラ、、吸血鬼のお話、ということらしい。
そこに、多様性?愛??、人生の教訓のようなものを見出すから、人気なのかもしれない。
なぜ、いま、萩尾望都さんに興味をもったかというと、ヤマザキマリさんがTwitterかなにかで、萩尾望都さんのことを言及していたから。漫画家として師として仰いでいる、みたいなことで。
これまで、私のアンテナになかった、萩尾望都さん。
そしたら、今年?NHKの100分で名著でもとりあげられていたらしい。
ヤマザキマリさんも、そこに出演されていた。
なぜ、いま、萩尾望都さんが、また話題になっているのかというと、
最近、エッセイ集の新刊をだされた?
なんでも、そこに、少女マンガ界隈では大騒ぎになるような内容が書かれているらしい。
(私は少女マンガに疎くてよくわからないのだが・・・)
新刊「一度きりの大泉の話」、これをヤマザキマリさんが薦めていたのだ。
で、これを図書館で借りようかと思ったら、あまりの予約者の数に、驚いて、あきらめて、すぐに借りられる彼女の本を読んでみた。
マンガを描く人だから、文章のテンポがいい。
1998年出版というから、今から23年前。
萩尾望都さんは、1949年5月12日生まれ、というから、50歳になる直前、という感じだろうか。
が、出版されたのが1998年であり、内容は、彼女の20代後半の頃のエッセイ。
自分の青臭さをネタ?にしつつも、出版されたのだろう。
家族のこと。
旅のこと。
言葉に関すること。
文化芸術のこと。
物に関すること。
と、多岐にわたったエッセイだった。
サラーーっと読める感じ。
平和な感じ。
印象的なのは、芸術に関すること。
クラッシックバレエに夢中になっていたり、絵画に夢中になっていたり、、、。
モーリス・ベシャールや、三島由紀夫の話が出てくるとは思わなかった。
ベラスケスの作品、「官女たち」にが出てくる。
ピカソが書いた、「官女たち」。
「官女たち」と言われてもピンとこなかったので、調べてみた。
あーーー、これこれ、知ってる知ってる!という絵。
人のエッセイで、その人の頭の中をのぞくのも楽しい。
自分の知っていることが出てくると、ちょっと共通点を見つけられたような気がしてうれしくなる。
こんど、萩尾望都さんのマンガ、読んでみようと思う。
やはり、作品を作る人と言うのは、広い範囲の芸術に触れられているんだなぁ、と思った。
食の話もちょっとでてくる。
やはり、エッセイに、旅と食事は欠かせない。
芸術に触れる旅にでて、そこで美味しいものが食べられたら、そんなに幸せなことはない。
旅に出たい。。。
オリンピックで日本に来ているアスリートたちだって、日本を旅してみたいだろうな、と、、、思う。
旅への欲求を、本で代替することでは抑えきれなくなってきている。。。
今回の緊急事態宣言があけたら、、、と思う。
旅の計画をつくることで、とりあえずの欲望を満たしてみよう。
あるいは、、、萩尾望都さんのマンガを大人買いしてみるか、、、、。