「聖林寺 国宝 十一面観音菩薩立像」

東京国立博物館で開催中の、
聖林寺 国宝 十一面観音菩薩立像
三輪山信仰のみほとけ
に行ってきた。

 

「古寺巡礼」に触発され、重ねて目にした東京で初公開となる特別展の記事。

megureca.hatenablog.com

 


そう、東京では初公開。

コロナで入場制限をしている東京国立博物館


事前に予約をしていった。


「美術展ナビ」というアプリから前売日時指定券、というものを買っていってきた。
11:00~12:30という枠を予約した。
当日券(人数制限に空きがあれば入場できる)より、100円安い、1400円。
時間枠を指定していくので、待たない。
人数制限しているので、空いている。
いやぁ、コロナでもいいことあるね。

予定通りの時間に上野駅に到着して、上野駅公園口の前が車が入らなくなっていることにびっくり。いつの間に。これはいい。
東京文化会館の公演のあととか、大勢が信号待ちで滞留する、ってことがなくなっている。なかなか画期的。

公園口から、工事中の国立西洋美術館を横目に、公園内を横断。
11:00ちょっとすぎに、無事到着。
本館に向かう。

展示会場の中に入ると、トイレもロッカーもないので、本館地下のトイレによって、荷物をロッカーに預ける。100円が後から戻ってくるロッカーだけど、なんと、お財布には小銭はおろか、1000円札すらない。本館の売店で1万円札を両替してもらって、荷物をロッカーへ。

また、アプリでQRコードを読み取るように言われて、無事、入場。
「入場手続きが完了しました」って、画面に出てた。
すぐに、音声ガイドを借りる。
600円。
さっき、両替したから、きっちり600円、お支払い。

音声ガイドって、500円じゃなかった?!とあとからふと思う。
1コイン握りしめていればよかったのになぁ、物価上昇か?
それとも、ナビゲーターが「天海祐希」だからか?

展示会場は、本館特別5室。
一部屋。
なので、空いていたし、急げば5分でも全部、見れてしまうだろう。
音声ガイドの収録時間が20分。
部屋に入ると、中央に、どーーーーーんと、いらっしゃいました、十一面観音。
約2メートルの立像。
光背残欠として、もともと、観音の光背としてしつらえてあったものも含めると、およそ4メートルの高さはあったのであろう、というのがガイドの説明だった。

現在は、聖林寺にいる十一面観音は、もともとは奈良県三輪山大神神社(おおみわじんじゃ)にあった。明治元年、1868年の明治政府による「神仏分離令」により、十一面観音は、聖林寺に移された。
大神神社は、いわゆる建築物としての本殿を持たない。三輪山そのものが本殿。三輪山を拝む自然信仰として、今も禁足地となっているところが残る。今回は、その禁足地からの出土品である勾玉等も展示されていた。


碧玉勾玉。子持勾玉。小さいけれども、何とも言えない素朴さと、美しさだった。

子持勾玉は、10cmくらいの勾玉の表面に、ポコポコと丸っこい突起が出ている。勾玉のおっぱいみたい、と言えばいいのか?これは、子宝を祈願した勾玉という事。でも、ほんとかなぁ。だれも作った本人に確認してないでしょ、、、なんか、「カッサ」みたいにマッサージとかに使ったら気持ちいいんじゃない?手にすっぽり収まるいい感じの大きさ、、、なんて思ったりして。


部屋に入ると、まず、中央に十一面観音がお出迎えしてくれる。そしてその後ろには三輪山の写真と鳥居を模したようなものが飾られていた。
十一面観音は、思わず見上げる高さ。
美しい。

厳しげな眼差し、そっと閉じた唇、 くびれた腰。
天衣の曲線美。
横から見ると意外と分厚い。肉感的というのか。
この厚みのある感じがまた何とも言えなく、豊かさを感じさせる。
でも何か、パワーが足りない。
パワーが、 透明なケースで閉ざされていたような気がする。

 

そう、残念なことに観音様は、分厚い透明のガラス?アクリル板に囲まれていて、直接同じ空気を吸える空間ではなかった。

でも姿かたちはやはり美しい。

 

十一面観音を正面にして、右手には、これまた国宝の地蔵菩薩立像(法隆寺)、月光菩薩立像、日光菩薩立像 。これら三つの仏像はケースに入れられることなく台座の上ですっと立っていた。
なのでどちらかというとこちらのパワーを感じる。

観音菩薩は美しかったけれどアクリル板越しでなくその空気を感じてみたかった。
これもコロナ対策か???
コロナも、まさか恐れ多くも観音様には感染しないだろうに。。。
深窓の令嬢か、ガラスケースの観音菩薩か。

天海祐希のガイド説明をききつつ、各展示物の説明を日本語と英語でよみくらべたりしつつ、気が付くと、小さな一部屋に一時間ほどいた。
人も少なく、満足して、展示室を後にした。

ロッカーから荷物を取り出して、さっき両替してもらった売店で何かを買おうかとうろうろしてみたけれど、とくにめぼしいものはなし。関連する本はいくつか気になったけれど、触手は伸びず。その時の欲求は物欲より食欲の方が勝っていた。

庭園をぐるりと一周してから、エリア内にある、「ホテルオークラ レストラン ゆりの木」で本日のパスタランチを食して、博物館を後にした。

 

暑い中だったけど、気持ちが満たされた時間だった。
庭園では、栗が青々とした実をつけていた。
植物は、コロナはどこ吹く風、生命力を感じさせてくれる。

 

やはり、いつか聖林寺で見てみたいな。

ケースに閉じ込められていない、十一面観音菩薩

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庭園内の栗の木