「絶対に医者に殺されない47の心得」 by 岩田健太郎

「絶対に医者に殺されない47の心得」
神戸大学大学院教授 岩田健太郎
講談社 2013年12月9日 第1刷発行

 

コロナにまつわる様々な活動で一躍有名になったと言っていいかもしれない岩田健太郎さん。


1971年島根県生まれ。神戸大学大学院医学研究所・微生物感染症学講座感染治療学分野教授。感染症の専門家。ダイヤモンド・プリンセス船での管理の問題点を指摘したことで、よく知られるようになったのでは?私自身、コロナのあと、彼の本を読むようになった。

 

その彼の、2013年の著書。


岩田さん曰く
「とにかく日本の医療は世界の中では突出して変わっています。それは「アメリカに比べて」ではなく、変わっているのです。医療も、医者も、そして患者も。
日本では自分の飲んでいる薬の名前を覚えていない人がいる。こんなことは私の知っている限り他の国ではほとんど起こりません。」
と。

 

47つのポイントが、それぞれ 書かれているのだが、

第一章 病院・薬と上手につきあう基本

第二章 こんな薬を出す医者に気をつけろ

第三章 こんなタイプの医者には気をつけろ

第四章 医療情報のウソ・ホント

第五章 医者と患者の「おいしい」関係

と、5つの章でまとめられている。

 

なかでも素人でもわかりやすいし、自分でも気を付けられそうなものを、覚書。

 

・薬が増えるごとにリスクが増える
抗生物質ばかり出す医者にはご用心
・すぐに風邪薬を出す医者を疑え
・痛み止めの副作用を侮るな
ステロイドを毛嫌いするのは愚か
・患者ではなく検査値を治療する医者
・医療被曝に無頓着な医者。
・治療の正解は十人十色
・早期発見が良いとは限らない
・治療しないも豊かな医療の選択肢

 

どれも、なんとなく、さもありなん、ではないだろうか?

抗生物質を飲むと、私は必ずお腹をくだす。腸内フローラが一掃されてしまうのだろう。明らかに感染症になっていて、その抗生物質が効くとわかっているならともかく、予防的に抗生物質を飲むのは避けたい。

ステロイドは、ちょっと怖い、、と思っていたけれど、喘息などの発作には正しくつかうべし、と。なるほど。

 治療しないというのも医療の選択しというのは、「死すべき定め」を読んでもそう思った。

megureca.hatenablog.com

 

早期発見が良いとは限らない、というのは、ちょっと想像しにくいかもしれないけれど、「健診で異常」といわれて病院に来る患者さんで、本当に再検査が必要なケースも少ないし、早期に発見することが、病気がよくなることにつながるとは限らない、ということ。

特定の癌であれば、確かに早期発見がよいだろうけれど、検査の間違いで病気と誤判定されたり、薬を飲む期間が長くなれば、その分副作用のリスクも増す、ということ。

かつ、

「一般の健康診断をやっても死亡率はさがらない」というメタ分析がイギリスの医学雑誌で発表されているという。

 

私自身、じつは、心電図をとるといつも「要精密検査」となるが、激しい運動をしたからと言って苦しくなることもないし、生活するのに何も困っていないので、精密検査はしたことがない。人より心拍数がちょっと低いだけで、本人が生活に困っていないのだからいいじゃないかと。20代のころからずっとそうなので、私にとっては普通なのだ。一般値と比較して乖離しているからと言って、私にとっては病的状態ではないのだ。


私自身は、ほとんど医者にかかることはないし、常飲している薬もない。ちょっと風邪っぽくて危ないかな?と思ったら、葛根湯を飲むくらい。多少の熱なら、寝て治す。


しかし、実家の両親のクスリの量を見ると、、、、。父の薬の量なんて、次から次へと、一種の食事の後のデザートだ。各種のクスリを飲むのにコップ一杯の水では足りないくらい・・・・。
どんなクスリであれ、必ず肝臓を通って代謝される。あれだけたくさんのクスリを飲んだら、どれだけ肝臓が頑張るんだろう、、、と思ってしまう。

 

医者に出された薬はちゃんと飲む、というのが基本なのだろうとは思うけれど、本人が不都合を感じていない程度の高血圧で、降下剤というのは、果たして本当に必要なんだろうか?と思ってしまう。


歳をとったら、多少血圧が上がったって、何の不思議もないだろう。高血圧による不快症状がでるまでほっておいちゃいけない、ってことかもしれないけど、薬より、生活習慣を改めるとか、薬以外の方法も併用するべきだと思う。それをしないで、薬漬けになるのは、いかがなものか。。。

そして、自分が飲んでいる薬の名前をしらない、作用をしらない、というのでは、自分で自分の身を守れない。

 

健康が一番安上がり!
睡眠、運動、食事。
結局、そこだろう。

 

安全の基本は、「自分の身は自分で守る」だが、

健康の基本も、「自分の身は自分で守る」なのだ。

 

医者に自分の体を預けるな。

それは、最後の手段。

 

自分の体の声をちゃんと聞こう。

ムリは禁物。

疲れた時には、寝よう。

心が疲れた時は、運動して体も疲れさせよう。

そうすれば、寝られる。

心の疲れにも、気づいてあげよう。

自分で自分を殺さないために。

 

「自分の身は自分で守る」