「外国語を学ぶための言語学の考え方」 by 黒川龍之助

「外国語を学ぶための言語学の考え方」 

黒川龍之助
2016年2月25日
中公新書

 

ロシア語を得意とする日本人の友人に、黒川さんの著書を薦められて読んでみた。


黒川さんは1964年東京生まれ語学の専門家。
図書館で黒川さんの「世界の言語入門」(講談社現代新書)というものも見つけた。
そっちは、本当に世界の言語の入門書。あいうえお順になんとアイスランド語からロシア語まで、90言語が見開き2ページでそれぞれ説明されている。 言語学って、何なのかも考えたことがなかったけれど、言葉の特性、構造、機能、変化の仕方など、それぞれの特徴を研究する学問らしい。


そんな言語学を得意とする、黒川さんのいう「外国語を学ぶための」とは?
黒川さんは、「外国語を学習する」ということを料理に例えて、説明してくれている。これがなるほど、面白い。


料理の食材にあたるのが、語彙。
料理の方法にあたるのが、文法。
そして、スパイスとして、言語学そのもの。隠し味。
塩は最も大事な調味料。それにあたるのが音声学。

 

食材が不足すると、どんなに調理法が色々あっても限られた料理。
卵しかないと、料理のバラエティは、生卵、ゆで卵、目玉焼き、卵焼き、、、。
一方で調理方法が限られていると、野菜はいろいろ入っているけれども所詮サラダだよね、、、。

うまい、 比喩。
さすが、言語学者

 

私は、本当の料理なら、食材も方法もいろいろ使いこなすのは苦手じゃない。

でも、英語は、食材も料理法も、スパイスも、塩もまだまだ全然足りないみたい。

 

言語の基本的な特性を三つ挙げられている。
1 線状性:言葉が続いて並んでいるということ。
2 二重分節性:文章はは単語に、単語は音に、それぞれ分けることができる
3 恣意性:ある言葉は、ある言葉でしかない。犬を[inu]と発音したり、[dog]と一体するのは、その言葉の決まり事でしかない。

確かに。
あらゆる言語は、これら3つの特徴を共通とする。

 

たしかに、言葉のつながりが文章。順番が言語によってことなるけど。

文章は、単語からなる。単語は音からなる。間の助詞や接続詞だって音。

恣意性があるから、方言がある。

 

その特徴に加えて、なぜ言葉というものができたのかと考えると、何らかの情報を他者に伝えるために他ならない。


構造が色々あっても、修飾や変化は色々あっても、人間がジェスチャーではなく言葉を使うのは、より正確に情報を伝えるため。

 

そして、言葉というのはコミュニケーションのためにあるものなのだから、そこで、「空気を読む」ということを、人間は自然にやっている。


Aさんが、「今日はだいぶ冷えますね」と言ったら、
Bさんは、「そうですね、冷えますね」と、答えた。
でも、その裏には、
「寒いから窓をしめませんかね?」とか
「ストーブつけましょうかね?」とか
「夕食はお鍋にしましょうかね?」とか、、、、


何かを意図して、「今日はだいぶ冷えますね」と言っているということ。
これは、何語でも同じこと。


いわゆる、日本人は空気をよむから、、、という事ではなく、コミュニケーションというのは、お互いに言語をつかいながら相手の思いを読むということ。


話が通じない相手、というのは、言語の問題ではなく、相手の思いを察するスキルが異っているということだろう。
ちなみに、どんなに流暢な英語でプレゼンしていても、中身がないプレゼンはシラケる。。。会話もしかり。。。

 

黒川さんは、外国語を学ぶ上で大事なことを次のようにおっしゃっている。


「話を聞くこと、本を読むことは基本的に変わらない。 相手が伝えたい内容を、静かに、正確に受け止めるために努力する。」
耳から入れるのも大事だけど、目から入れるのも大事。どちらも、正確に把握しようとすることが大事だと。

 

そして、
「検定試験はいらない。ハイスコアをたたき出したものは、安心して勉強しなくなってしまうから」
とも、おっしゃっている。


確かに。

私は、英語の勉強を、ずっと続けようと思っている。
TOEICは、勉強の進捗を測るものとして、素人の私には都合がよいので、2021年中は受けようと思っている。
あ、10月から、なんと、これまでの6,490円から、7,810円に値上がりした!!!
あんな、人海戦術のアナログなことやっているからだよ、、、、と思うけど、、、。
なので、目標スコアをとったら、あとは、受検しないぞ!!

と、黒川さんの意見を尊重し、2021年でTOEICは卒業してやる!!



でも、勉強は続ける。 

そして、その成果を測るのは、仕事の実績にしたいと思う。

 

英語と日本語を使いこなすというのが、果たして自分の強みになりえるのかはわからないのだけれど、とりあえず、やっていて楽しいから、もう少し、真剣に続けてみようと思う。

英語も日本語も、改めて学ぶと、なかなか楽しい。

 

黒川さんは、「外国語学習は、長い時間をかけなければ上達しない」とおっしゃっている。そう、かつ、続けないと言葉って忘れちゃう。

 

地味だけど、やはり、継続は力なり。

がんばろっと。