何か一つお願い事を、と言われたら、何にするか?
初詣だと、あれこれたくさんお願いしちゃうかもしれないけど、
今、この時期、何か一つ言われたら?
疫病退散?!
いや、何か違う、、、
もっと、個人的事でいいとして。
坐禅会でお世話になっているところの住職から、「瓦志納のお願い」、があった。
昭和53年落慶依頼、四十数年の歳月が経過し、屋根瓦の痛みが激しく、雨漏りが生じ始めたという。
私たちが坐禅をしている本堂の真上が、じつは雨漏りしていてブルーシートを屋根裏に敷いているとのこと。
歴代の総理大臣も坐禅に通うという、由緒ある庵。
岸田内閣も、入閣大臣の4人は、ここに坐禅を組みにきているという。
山岡鉄舟ゆかりの庵。
大切にしたい。
力になりたい。
で??いくら??
瓦一枚、1万円とのこと。
それなら、一枚、、、志納しようかな。
「こういうことに、遠慮はいりませんよ」という住職の力強いお言葉で、志納しようと決意は固まった。
で、瓦一枚につき、一つのお願い事ができるという。
はて?
何をお願いしよう・・・。
申込書には、
① 心願成就
② 身体健全
③ 家内安全
④ 学業成就
⑤ 商売繁盛
⑥ その他 ( )
とある。
はて、、、どうしたものか?
一枚の瓦、何をお願いしよう・・・。
先日いただいた案内だけれど、まだ、決められずにいる。。。
① 心願成就 だと、心に思っていることが何でも叶いそうだから、これでいいじゃないか、という気もするのだが、なんとなく熟考が足りていない気がする。
やっぱり、
② 身体健全
か。
健康第一だ。事業も学業も、健康でなければ難しい。やっぱり、健康か?
いやまてよ、健康は他力ではいけない。自分しか自分の健康はつくれないのではなかったか?
健康は、お願いしている場合ではないのではないか?
家内安全?いやいや、べつに、いまも家内安全だ。
学業成就?いやいや、とりあえず53歳のお願い事で学業成就もないだろう。
商売繁盛?いやいや、まだ商売始めてないし・・・。
その他?いやいや、その他って、その他ってことないだろう・・・。
ってことで、迷っている。
どういでもいいかもしれないけど、迷っている。
だって、
「瓦に、お名前、お願い事をお書きします」って案内にあるんだもの。
瓦に書かれるお願い事よ。
そりゃ、真剣に考えるわ!
ちゃり~~ん、二礼二拍でするお願い事とは、ちょっと重さが違うだろう!
散歩の途中の稲毛神社では、ちゃり~~ん、もせずに二礼二拍でお願いしている。
だって、だれかが、「お賽銭なんて神様への賄賂だ」とかいっていたから、、、。
それはそうかも、、って思って、賄賂なしにお願いだけしている。
その私が、1万円をかけた志納にお願いを付けようっていうのだから、真剣に考えるわ。
前に、コーチングの無料講義を聞いたときに、興味深い事例があった。
コーチングを受けているのは、20代のサラリーマン。
会社の中がぎくしゃくしていて、この会社の雰囲気を何とかしたいので人事部に掛け合いたい、というのが彼の願い。
でも、コーチは、「それは本当に、あなたのやりたいことですか?」と何度も何度も聞く。
彼は、「どうにかしたいんです」と、答える。
コーチは、「雰囲気をよくすると、何がいいことがあるのですか?」と聞く。
結局、コーチが言いたかったのは、「会社の雰囲気をよくする」というのは、やりたいことを達成するための手段でしかない。会社の社長ならともかく、一従業員がそこに自分の資本、つまり自分の時間を費やすことが、本当に自分のやりたいことなのか?と、繰り返し、問いかけていたわけだ。
最後に、20代の彼は、「たしかに、僕はやりたいことがあってこの会社に入ったのであって、会社の雰囲気をよくするために入ったのではない」と気が付く。
目的と手段
ends and means
瓦の修理は、住職にとっての目的で、志納を募るのはそのための手段。
そう、それは、住職にとって。
私が志納するのは???
庵を守りたいからだ。
坐禅する場所を守りたいからだ。
なぜ?
心地よい空間を守りたいからだ。
なぜ?
たちどまる時間が欲しいからだ。
なぜ?
迷っているからだ。
そうだ、迷っているんだ。
人生に迷いません様に、っていうお願いはどうだどう。
どうしたら、迷わないのかは、いまだにわからない。
迷っていないのかもしれないし、迷っているかもしれないし、
それも、わからない。
でも、今は、なにか一つの目標に向かって突き進んでいる、という気はしていない。
だから、迷っているんだと思う。
次の道が見つかりますように、っていうお願いはどうだろう。
見つけるのは自分だけど。
お願いごとは、人に言うとかなわない、っていうから、
ここから先は、心の中で考えよう。
申込書には、
① 心願成就
って、しておこうかな。
そうだ、そうしよう。
迷わず、そうしよう。
お願い事を真剣に考えるって、結構大切かもしれない。
住職は、こんなふうにも、ヒントをくれる。
ありがとうございます。