英日通訳 わからない「音」に、フリーズする。

英語で通訳中に、わからない単語に出くわすと、そこで思考が停止するのは、どういう仕組みなのだろうか??

 

日本語で、新聞や本を読んでいても、わからない言葉が出てくることはある。

でも、いちいち辞書を引くことはあまりしない。

文脈から、なんとなく意味をとって読み進めば、読んでいくうちに、あ、さっきの言葉はやっぱり、○○って意味なんだ、と分かってくるから。

それでも、気になれば、あとから調べてみればいい。

 

歴史上の人名がでてきたときに、あまりにも何をした人だかわからないと辛いかもしれないけど、それでも話の流れから、哲学者かな、科学者かな、芸術家かな、、、と、なんとなくはわかるし、読み進めると概要はつかめてくる。

で、あとから調べれば、あぁなるほど、この人のこういう業績をもって、こういう解釈をつけていたんだ、ってわかる。

 

日本語であれば、読んでいても、聞いていても、それなりになんとか後から追いつける。

 

でも、英語のリスニングの途中で、知らない単語が出てくると、そこで一瞬脳が停止してしまう。リーディングだと、その先の単語も目に入ってくるからわからない単語があっても、そんなに停止することなく読み進めるのだが、リスニングで一生懸命聴き取ろうとすればするほど、一瞬停止がおこる。

 

これは、何なんだろう?

??があったとき、リーディングではスキップできても、リスニングではスキップできない。

 

聴覚の不思議。

 

視覚は前後、全体がぼんやりと目に入っている中である文字に焦点を当てているわけだけど、聴覚というのは、受信したそのものだけがそのときに存在する。

残音、というものはあるけれど、これから先に何が来るかは、推定はできるけれど、先に聞くことは絶対にできない。

 

そして、知らない音が出てきたときに、脳の中????が出ると、そこで一瞬、聴覚が遮断されて、続きを聞くことを忘れてしまう。

いわゆる、新幹線現象、、、、。

景色が流れているのがわかっても、その景色が何かが見えない。

音が流れているのはわかっているのに、耳に残らない。

 

日本語の講演でもあるかもしれない。

わからない言葉が出てきたときに、一瞬、そのあと数秒間に話された言葉をつかみ損ねる。それでも、日本語ならば残音が頭にあって、後から追いつくことが出来る。

 

でも、第二言語の英語、わたしにとってはそれができないのである。

わからない「音」に出くわすと、一瞬フリーズして、そのすぐ後の音を聞き逃す。

プロの通訳には許されない。

だから、通訳勉強中の身としては、何とか解消したいのだが、、、、。

 

聴覚って不思議だな、とつくづく思うのである。

 

日常生活の中でも、聞きなれない音は、ふとそっちに興味が持っていかれる。

あるいは、聞いたことがある音でも、場違いだったり、違和感を感じると、集中力がふと途切れて、意識が持っていかれる。

 

電車の中での赤ちゃんの泣き声。

静かなはずの公園のなかで、大きな物音。

静かなレストランの中で、子供のはしゃぎ声。

新幹線のグリーン車の中で、携帯電話のプッシュボタン音。

 

その場にそぐわない、と自分が思っている音がすると、ふと、注意がそがれる。

本能的な、危険察知なのだろうか?

 

狩猟生活時代、獣が襲ってくる音に気が付かなかったら、パクリとやられてしまう。

耳を一生懸命そばだてているわけではないけれど、脳の中では安全な音と、危険な音を聞き分けているのか?

 

人の発する言葉だって、同じ

「ありがとう」といわれたときに、そのトーン、大きさ、スピードで、

本当に心からの言葉なのか、形式上の言葉なのか、なんとなく察知する聴力。

安心していい言葉か、安心してはいけない言葉か、、、。

 

人間の聴力ってすごい。

 

そして、わからない音に反応してしまうのだ。

逆に、まったくわからない言語であれば、フリーズするのもなにも、音そのものがただの音だから、聞き流すことができてしまう。

アフガニスタンのニュースで、現地の人のインタビューは、ただの音でしかない・・・。

 

英語の知らない音にフリーズしないコツ。

あったら、教えてほしい。

先生は、音として、カタカナでとらえればいい、とよくおっしゃるのだが、

私には、まだそれができない。

英語を聞きながら、どんどん概念化させてしまうから、概念化できないものが来たときに、フリーズしてしまう。

 

英日通訳って、かたっぱしから日本語にしていくものとおもっていたら、そうではない。

先生曰く、英語の音で脳に貼り付ける。

貼り付けてから、日本語に変換する。

英語の音の貼り付けであれば、知っている、しらない、は関係ない。

貼り付けた後で、日本語に変換できないものは音のまま出す。

 

もちろん、ある程度英語のできる人のテクニックなのだが、なかなかその道は遠そうだ。。。

 

聞きなれない音を減らすのが、一つの対処法なのだろう。

だから、勉強法としては、シャドーイングが効果的。

ヴォーカライゼーションだと、自分のスピードでしか発話しないから、スピードに乗った音になれるには、やはり、シャドーイングが効果的だという。

 

とりあえず、TOEICのリスニング満点がとれるようになるまでは、シャドーイングを続けてみようと思う。

 

先は遠い。

でも、目指したい先があるから頑張れる。

継続は力なり、を信じて。。。