数年前にフォトリーディングの講座を受けたことがある。
本をもっとたくさん読めるようになりたかったからだ 。
フォトリーディングには、フォトリーディング・ホール・マインド・システム五つのステップというものがある。
1 準備
読書の目的を明確にする。
2 予習
文書全体をざっと見渡す。読むべきかどうかを決定する。
3 フォトリーディング
一定のペースで、数秒でページをめくりながら、ページ全体をフォトフォーカスで見る。ここでは読むのではなく見る。
4 復讐
フォトリーディングを終えたらすぐに、どんな言葉が気になったかを取り出す。そしてその中で、何が自分の興味をそそったのか、内容への質問リストを作る。
5 活性化
一旦、本を離れてから、10~20分あるいは一晩眠るなどして、「生産的休息」をとる。そして自分で作った質問の答えを求めて、高速で素早く気楽に最初から最後まで読み通してみる。
ざっと、こんなことだ。
フォトリーディングというのは、音読をするのではなく、目で文字をとらえて画像で脳に貼り付ける感じ。だから、フォトフォーカス。
文字の一つずつを読むのではなくて文字の塊を見る感じ。
チャンクとかセグメントとか、そういう塊。
確かにフォトリーディングを習って、多少は速く読めるようになったような気がする。けれども、それはフォトリーディングをちゃんと5つのステップで実行しているからではなく、音読することを辞めた、という効果が大きいと思う。
読書での音読というのは、声を出すということではなく、文字を視覚でとらえながら頭の中で音にしているということ。たとえ脳の中であろうと音への変換をしている限り、一定の速度以上になることはない。ものすごーーーく早口だとしても。
それを、文字を意味の塊として概念として頭に入れていくと、確かに速く読める。いわゆる速読達人のように読むことはできないけれど、文庫本なら1時間で100ページはいける、、って感じだ。けっして速くはないけれど、著しく遅いわけでもない。
ただ、先日、「シリコンバレー式ライフハック」を読んだ時にふと思ったのだ。結局フォトリーディングというのは、自分が気になったことだけをピックアップして読んでいるようなもので、 「バカの壁」を越えられないのではないかと。そういう読み方でいいものもあるだろうし、それではもったいないものもあるような気がしたのだ。
「シリコンバレー式ライフハック」の「より賢く」中に超速学習法 FASTというものが出てきた。
F:FORGET 忘れる。 空にしなければ入れられない。
知っていることを一時的に忘れなければ、新しいことは学べない、というのだ。自分の専門で得意なことであればあるほど、そうかもしれない。また、一度に集中できる情報はそう多くない。本を読むなら、本に集中する。他の仕事の心配や、ゴミ出し、今晩の献立のこと、心配事も、いったん忘れる。集中するためには、他のことを忘れるという技術が大事。
A:ACTIVE 能動的。 自ら創造する学習へ。
与えられたものを消費するだけではなく、自分から知識を食べにいく。積極的に取りに行く。学びながら、自分の理解、疑問をノートしていく。そうすることで、脳全体を学習に没頭させる。
S:STATE 状態。 脳と身体のコンディションを整える。
どんな学習も、学習する人の状態に依存する。だから、自らに高い基準を設定して、それに合うように環境を作り出すことも大事。
眠すぎてもだめ。お腹がすきすぎていてもだめ。暑すぎても、寒すぎてもだめってこと。
T:TEACH 教える。 教えることでわかることがある。
学んだことを、誰かに教えるつもりになると、理解は深まりやすい。人に解説できるほど理解するというのは、結構、深い。
これは、学習するために、大事な4つだ。
頭の中をまっさらにして読むことも、時には大事だな、と思った。
そんなことを意識しながら、やっぱりフォトリーで読んでいると、さらに大事に事がわかった。
やっぱり、集中だ!
結局、おなじページをもう一度読み直してしまうのは、頭の中に他のことが浮かんで、集中していない。電車の中で読んでいると、「あと何駅だっけ?」とおもったり、「あと何分だ?」って思ったり。
やっぱり、人はマルチタスクはできないのだな、と思う。
集中しよう。
フォトリーディングでも、「準備」の中に、目的を明確にするとともに、集中する、という事が言われている。
集中だ。
どんなことも、集中力だなぁ、、、と思う。
そして、集中するというのは、結構体力のいることなのだ。
懸案事項は、とっとと片付けよう。
先回りしすぎる必要はないけど、モヤモヤするくらいなら、片付けよう。
寝付けないくらいなら、片付けよう。
自分でどうにもできないことなら、心配するのをやめよう。
集中しよう。
そして、もっと本からたくさんのことを吸収しようと思う。
読書は楽しい。