「働く君に伝えたい『お金』の教養」 by 出口治明

働く君に伝えたい「お金」の教養  人生を変える5つの特別講義
出口治明 著
ポプラ社
2016年1月13日第1刷発行

 

ライフネット生命保険株式会社代表取締役会長兼 CEOをされていた時代に出版された本。

20代の若者に向けた、お金にまつわる5つの講義。
バブルが終わってからこの世に生まれた世代。停滞した経済の中で生まれ、就職も困難だった時代の若者に向けて。

 

確かに、なんとなく人生への不安が「お金」にある世代には、参考になるとおもった。


本書は、5つの講義からなる。

1.お金を知る
2.使い方
3.貯め方
4.増やし方
5.稼ぎ方

 

今の私には、もう必要のないような情報もある。

将来の結婚や子育てに向けてのお金の貯め方とか、保険の選び方など。でもこれからお金を貯めていこう、使っていこう、増やしていこうと考えている若者には、結構勉強になる本だと思う。
保険についてや、様々な金融投資についても書かれている。

 

そもそものお金とは?
1.お金を知る、では、結局、
「世の中というのは不安を煽って商売をする人たちがたくさんいるので、そういう人に騙されないようにしよう。」
「何か、うまい話があった時に、これで儲かるのは誰なのか?と冷静に考える癖をつけよう」
ということが書かれている。
それは確かにその通り。
そして三つのお金の基本的なことのおさらい。
① 価値の交換手段
② 価値の貯蔵
③ 価値の尺度


2.お金の使い方、では、お金を三つに分けて考えるという基本的なことが語られる。
① お財布:日常使うお金。
② 投資:なくなってもいいお金。習い事や友達へのプレゼント、投資など。
③ 預金流動性の高いお金。困ったらすぐに引き出せるお金。

お金の使い方で何より大事なのは、
楽しいことに使う」ということ。
お金そのものには価値はない。お金を何かと交換して、価値のあるものにしないとお金の意味がない。
出口さんの場合は、「人・本・旅」に使っている。その時にしかできないことにお金を使ってきたと言う。ケチと倹約とは違うので必要なことにはお金は使った方がいい。


私も、本当にそう思っている
お金は、お墓にもっていっても仕方がない。

 

コロナで、旅に出れなかった分、本にお金を使おうと決めて、結構、本も買った。けれどもやっぱり本の値段なんてたかが知れている。買った本は、人に貸すことができるという利点もある。旅や友人との会食が減ったぶん、結局、私の貯金残高は、この1年半でほとんど減っていない。
とくに、我慢をしたわけではない。
以前のように、時には数万円の会食もしている。
でも、お金って、使わないと減らないんだ、、、と、当たり前のことに気が付いた。
そして、それなりの元本で投資をしていると、そこそこの利子も付く。
投資に回せる元金ができたのは、30年間、サラリーマンやってきたご褒美だと思う。

 

3.貯め方
貯めるのは確かに若者にとっては大事だ。でも、貯めるより毎月入ってくるということの方が、もっと大事、と出口さんはおっしゃる。
これは本当にその通りで、多くの書籍で言われていることだ。
寿命が長くなればなるほど、そうだろう。

私も、ストックで生きるのではなく、一生フローで生きたいと思っている。
死ぬまでフローで生きていくために、定年後はリタイアするという人生ではなく、早めにサラリーマンを辞めて、死ぬまで続けられる仕事に切り替えようと思っている。
そのために、自分で稼ぐ力が必要。
だから自分の稼ぐ力のために、自分に投資する。
勉強する。
偶然のチャンスも、準備している人のところにしかそれがチャンスとしてはやってこない。

チャンスの神様は、前髪しかないから。であったら、即、その前髪をつかめるようにしておかないと。

だから備える。
勉強しておく。

 

4.増やし方
お金に余裕ができてきたらやはり投資をするのがいい。ゆっくり育てる長期視点で。
もう一つ、やっぱり自分への投資。
自分への投資は、楽しい。
稼ぐ力をもっと高めよう。
自分の稼ぐ力が高まるなんて、楽しいではないか!

 

5.稼ぎ方
ブラック企業からは逃げろ!と言っている。
そして高額セミナーのカモになるな!と。
稼ぐ力は、学ぶことで身に着けることが出来る。
だから、勉強をし続けろと。

 

 

色々な所で繰り返し言われていることの、総まとめのような感じだけれど、確かに20代の若者へなら、とてもいい教科書になると思う。


自分自身のことを振り返ってみると、わりと、ここに書かれていることを若い時から実行してきたように思う。バブル世代だったこともあるかもしれないけれど、お金は使わないと価値がないと思っていたし、若い時から自分への投資が一番!とかいって、食べ物、旅行、本、勉強、色々なことにお金を使ってきた。

「金は天下の回りもの」と、豪語していた。


でも、就職1年生の時から、毎月、コツコツと数万円を貯金し続けた。共済年金だった。30年たって、気が付けば、貯金した額に対して、相当な金利で増えていた。

生命保険は、入社したての頃は掛け捨ての保険にも入っていた。なんだかよくわからないままに、保険のおばちゃんの言われるままに、、、、。
そして、入社20年目くらいの頃に、保険会社の営業の若い女性に、私が契約している保険をちゃんともう一度説明してもらった。その時点で、掛け捨ての保険をやめた。万が一、数百万円以上の入院や治療が必要となったとしても、自分の貯金からすぐに出せるから。
保険は、すぐにお金が支払えない時には役に立つけど、そうでなければ、貯金でいい。

 

今、様々な投資をしているのも、それなりにお金がたまったからできること。
やはり、複利って、すごいことだ。

個人的には、やはり、投資信託ドルコスト平均法が、一番いい結果を出しているので、これからもコツコツ続けようと思っている。

 

なんとなく、脱サラして、今は定職はないけれど、お金に困る気がしていない。

時々、コンサルや通訳で入って

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働く君に伝えたい「お金」の教養


来るフローもある。

でも、もっと勉強して稼ぐ力はつけたいと思う。

そして、体力も。

 

やっぱり、健康が一番安上がり。

しっかり食べて、動いて、寝る。

 

自分の人生は、自分で考えて、自分で決める。

 

出口さんも本書の最後に言われている。

「最後に。くれぐれも本書に書いてあることを鵜呑みにしたりせず、自分のアタマでしっかり考えるようにしてくださいね。」

 

そう、自分で考える。

それが大事。