「50代からの稼ぐ力」 by 大前研一  

「50代からの稼ぐ力  会社にも年金にも頼らずに生きる方法」
大前研一
2019年1月29日初版第1刷発行
小学館

 

図書館で目にとまったので借りてみた。

 

著者の大前研一さんは、1943年福岡県生まれ。1972年に経営コンサルティング会社 mckinsey & Company inc 入社。本社ディレクター、日本支社社長、アジア太平洋地区会長を歴任し、1994年退社。以後世界の大企業やアジア太平洋における国家レベルのアドバイザーとして幅広く活躍。
色々なところで活躍されているので、若い人にも、元マッキンゼーの大前さん、として知られていると思う。

眼光鋭い、やり手のおじさん、、、、なんて言ったら失礼か。でも、いるだけで存在感を感じる、そんな方。

これまでにも、大前さんの本は読んできたけれど、「50代からの、、、」というタイトルが、はたと目にとまり、借りてみた。

他のビジネス書とは違って、サラーーーっと、読める。


書いてあるのは、

・人生を国に任せにするな。
・人生を会社任せにするな。
・会社を実験台にして、稼ぐ力を身につけて、会社を辞めても月15万円の収入を目指せ。
そして、

・稼いだお金は死ぬまでに使い果たそう。

 

結構、シンプルだ。

稼ぐ力は、見えない貯金。


”結局のところ、会社を辞める年齢になれば、その会社で出世したかどうかというのは、人生がどうであるかとは、関係ない。
50代にもなれば、自分がその会社で出世するかどうかは見えているはず。
自分のライフプランを書き直すのに適した世代が50代。

自分の人生は、自分自身で操縦桿を握って、コントロールしろ

人生は、楽しむためにある。

 

その通りだと思う。

 

そして、50歳も過ぎれば、そこそこの貯金もできているだろうから、月15万円の収入でいいから75歳、80歳までできる仕事を、と言っている。

確かに、そこそこの貯金があれば、70代、80代でも、月に15万円稼げたら、フローで暮らしていける。
それこそ、私が目指したい生き方だ。

 

本書の中に、アンドリュー・スコット氏とリンダ・グラットン氏の共著、『ライフ・シフト 100年時代の人生戦略』がでてくる。そして、これを”政府が不用意に飛びついて、国民に「漠たる将来の不安」を与えただけだ”と、非難している。

確かに、実は、この『ライフ・シフト 100年時代の人生戦略』は、日本でだけ、うけたらしい。。。。少子高齢化が早く進んでいる国だから、という事もあるだろうけれど、政府が年金支給を遅らせるために、プロパガンダとしてうまくつかっただけ、ってことのようだ。

確かに、リンダ・グラットンさんは、この本の後は日本の企業との結びつきも強くなっていて、『ライフ・シフト2』では、日本人の若者二人を架空の人物に仕立てる、、、。となんとなく、日本におもねっているとは言わないまでも、日本に向けて書いているな、という感じがした。色々な国の架空人物が出てくるにはでてくるのだが、かなり、日本向け読者を意識して書かれている気がした。

megureca.hatenablog.com


その違和感が、大前さんのこの一文をよんで、解消した。

 

大前さん曰く、『ライフ・シフト 100年時代の人生戦略』を声高に叫ぶというのは、人生80年と思って貯金を用意してきた人々の不安をあおり、あと20年なんとかするために、財布のひもをきつく締めておけ、と言っているようなものだと。

 

人生は、楽しむためにある。
お金は、使うためにある。
その流れを止めないためにも、50代くらいから、自分の力で15万円/月、稼げる力をつけておけ、と。

 

稼ぐ力をつけるには、やはり、時代に即した市場に価値を出すことが必要。デジタル、サイバー空間、使いこなすのは必須だろう。そして、デジタルは習うより慣れろ、と。

 

メルカリ、やってみて慣れてしまえば、どうってことない、、ということを、私自身、身をもって経験している。
どうするのだろう、、、と迷っているくらいなら、一度やってみればいいのだ。
やってみると、わからないことが、何なのかがわかる。
わからないことが何なのかがわからないから、不安で、一歩踏み出せない。
でも、わからないことが何なのかを分かる、一番手っ取り早いのが、「やってみる」だ。
使っているうちに、慣れてくる。

そして、たとえデジタル空間での取引でも、「ブツ」を扱うというのは、結局のところ物流業者の手を借りないと、絶対にビジネスが成り立たない、ということがよくわかる。


そして、稼ぐネタは、今あるものを「better」にするようなものでは、ダメだと。アイディアで勝負できるのが、稼ぐ力があるということ。

アイディアは、発想力。
発想力は、鍛えることが出来る。

「もし、自分が〇〇社長だったら、、、」と勝手にケーススタディをしてみるのが訓練になるという。

もし、自分が孫さんだったら。
もし、自分が岸田さんだったら。
もし、自分がスティーブ・ジョブズだったら。。。

たしかに、ありえないような立場に自分を置いて考えてみると、妄想が膨らむ。


そして、一番重要なこと。
稼いだお金は死ぬまでに使い切ろう!

絶賛、賛成!!!

なかなか、死ぬまでに、上手く使い来ることはできないのだろうけど、であれば、最後はエンジェル投資家になるとか。
そこまでの資産はなかったとしても、自分が作りたかった未来を作ってくれそうな組織に寄付するとか。

 

103歳で亡くなった私の祖母は、100歳になった時に、保有していた資産を全部現金に換えて、孫の私達もちょっぴりづつお小遣いをもらった。最後に残っていた自宅は、亡くなる一年前に処分して、施設に移るお金ににしていた。

お金を使い切るって大事だ。
へんな遺産相続を巻き起こす心配もない。
そういう意味では、お金だけではなく、モノも残さない方がいい。

まぁ、とにかく、私も祖母にならえば、あと50年は人生がある。
ちょいと稼ぎつつ、フローで生きよう。
稼ぐ力を身につけよう。

勉強し続けよう。

それが楽しいのだから、私って結構安上がりだ。

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50代からの稼ぐ力 by 大前研一