「マインドフル・リスニング」
ハーバード・ビジネス・レビュー編集部 編
DAIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部 訳
ダイヤモンド社
2020年11月4日 第一刷発行
図書館で予約していた本が回ってきた。
予約した記憶がない。。。
おそらく『LISTEN]』を借りようと思ったのだけれど、あまりにも予約者の数が多くて代わりに、検索で引っかかってきたこちらの本を予約したような、、、気がする。
結構、アタリ本だった。
ハーバード・ビジネス・レビュー の Emotional intelligence EI シリーズの一冊。新書サイズといったらいいだろうか。
全部で11個の記事が、一冊の本にまとまっている。
本書のはじめに、「日本語版に寄せて」ということで エール株式会社 取締役 篠田真貴子さんの「『聴く力』には、希少価値がある」という文章がある。
エール株式会社は、「聴く」をサービスとして企業の社員に提供している会社らしい。
具体的には、
「社外の副業人材がオンラインで週一回30分企業の社員の話を聞くサービス。利害関係のない第三者に聞いてもらうと、思考や感情がすっきりする。その方のメンタルスコアやその組織の社員満足度などにプラスの効果がある。」
とのこと。
面白い会社があるものだな、と思って、篠田さんのことをググってみた。すると『LISTEN』の監訳者だった。なんだ、なるほど、、、って感じ。「聴く」の専門家さんね、と。
実は、人のを話を聴くっていうビジネス、できないかなぁ、と考えていたのだけれど、既にあった。。。なんだぁ。。。
で、本書で紹介される「マインドフル・リスニング」とは、やはり「聴く」技術に関する話。
11個の記事で、内容的には重なってる話もあるのだけれど、新書サイズで１３４ページ、さらっと読める一冊。
『LISTEN』よりも、簡潔にポイントが絞られていて、よいと思った。
「聴く」に興味がある方には、お薦めの一冊。
マインドフル・リスニングのポイントをまとめると、次の通り。
・話を遮らない
・判断や評価をくださない
・自分の解決策を押し付けない
・より多くの質問、より良い質問を考える
・話の振り返りをする
・聴いている最中に、何を言おうかと考えない
・集中して話を聴ける環境を整える（携帯電話などはしまっておく）
・話の本質をとらえようとして聴く
・相手の非言語コミュニケーションにも注意を向ける
・相手の感情をくみ取ろうとする
・相手の話を乗っ取らない
どれも、聞き覚えのある話だ。
それでも、こうしてコンパクトにまとめてあると、分かりやすい。
そして、話を遮ったり、途中で質問したくなるのを我慢するコツは、
「先に、質問リストを準備しておく」ことだそうだ。
それは、確かにそうかもしれない。
だいたい、途中で質問してしまったり、何か言ったりしてしまうのは、何を質問しようと思ったのかを忘れちゃうから、、、と、言う気がする。
仕事関係のインタビューを受ける時にも、こちらから質問したいことを予め用意しておけば、まずは、相手の話に集中できる。
たしかに、そんな気がする。
普段の友人との会話では、「聴く」を意識することはそんなにないけれど、沈黙を恐れずに相手が話すのを待つと、確かに、相手がたくさん話してくれる。
「相手の話を乗っ取る」というのは、結構、アルアルな気がする。
例えば、友人が旅行に行った土産話をしてくれているとする。そして、話に出てきたことに自分も経験があったりすると、「私も行ったことある！」と、口をはさんだり。
それで終わればいいけれど、自分の思い出話をしだすと、相手の話を遮ることになる。
若いときは、それでも、お互いに自分の話をし続けるから、それはそれで、お互いに好きなことを言って楽しい時間だったかもしれない。
でも、例えば世代の違う友人の集まりだったりすると、いつの間にか話の主役が年配層になっているとか。。。
話を途中で遮られたほうは、消化不良になるのかもしれないな、と思う。
「聴く技術」って、古くて新しい。
久しぶりの相手であるときほど、「聴く」を意識したいな、と思った。
コロナの自粛が続いていたので、最近は1年ぶりの友人と会うことも多い。
頑張っている人の近況を聴くのは、楽しい。
友人達から元気をもらって生きているのだ。
もっと、人の話を聴きたいと思った。
「聴く」を考えると、なんだか人恋しくなる。
話を聴かせてくれる友人がいるというのは、幸せなことだ。
そんなことも思った、一冊だった。
読書は楽しい。
