『東京の美しい図書館』 by 立野井一恵

『東京の美しい図書館』

立野井一恵 著

株式会社エクスナレッジ
2021年10月4日 初版第1刷発行

 

帯には、

公共図書館から普段は見ることのできない学校図書館まで
いつまでもいたくなる本に囲まれた空間本のための建築”

と。

 

雑誌で紹介されていた本。図書館も建築も好きな私としては、即座にポチってしまった。
パラパラとめくっているだけで。ちょっと幸せな気分になれる写真がいっぱい。どこも行ってみたい図書館ばかり。コロナでどこの図書館も長居はできなくなってしまっているけれど、早く昔のように図書館で1日ゆっくり過ごせるような日々が戻ればいいと思う 。

 

”はじめに”の言葉を引用。

 

かつて本は大変貴重で、 貴族や大名など一部の人たちが所有するものでした。

明治時代に入り、学校図書館公共図書館がつくられると、一般の人々も多彩な本に触れられるようになります。
第二次世界大戦後は、民主主義に基づく図書館の運営が始まり、誰もが自由に本が借りられる時代へ変化していったのです。

そして図書館はいま、本の貸出や閲覧だけではなく、人と人が交流するコミュニティの場としても活躍しています。

知の殿堂として膨大な蔵書や資料を所蔵している図書館、地域のランドマークとなる斬新なデザインの図書館、歴史ある建物をリノベーションした図書館、住民のディスカッションから生まれた図書館など、本書では建物としても見応えがある首都圏近郊の図書館を紹介しています。

本との出会いをつくり、心地よい読書空間を提供する建物たち。学校図書館は、教育理念や特色をシンボライズし学生にも魅力的な施設として機能しています。

本をテーマにつくられ、新しい世界への扉を開く美しい図書館にあなたも足を延ばしてみませんか。”

 

見ているだけで、ワクワクする本だ。
建物の写真集ともいえるかもしれない。

気になったものを、いくつか覚書。

 

神奈川県立図書館
所在地:神奈川県横浜市西区紅葉ヶ丘9-2
JR 桜木町駅より徒歩10分
峻後年:1954年
月曜日休館

神奈川県立図書館は、近代建築の巨匠、ル・コルビュジエの元で学んだ前川國男の設計。 日本の「近代建築20選」にも選ばれている、戦後を代表する歴史的な建物だそうだ。
ル・コルビュジエと言えば、東京・上野の国立西洋美術館が有名だ。今は、館内施設整備のため、全館休館だけど、、、。あ、今年、2022年の春には、再開のはずだ。

神奈川県立図書館は、戦後を代表する歴史的な建物ということだから、相当古いということだろう。一時は、解体の危機に見舞われたこともあるらしい。蔵書数は約94万冊。といってもピンとこないけど、国会図書館が、約4560万冊。東京都立中央図書館が約200万冊。地域の図書館としては、結構がんばっているほうじゃないか??

”2階閲覧室・書架:穴あきブロックを通して木漏れ日のようなやさしい光が入る室内”だそうだ。写真で見る限り、天井が高くって気持ちよさそう。

 

千代田区立日比谷図書文化館
所在地:東京都千代田区日比谷公園1-4
東京メトロ霞ヶ関駅」 都営地下鉄「内幸町駅」より徒歩3分
東京都建築局 設計
竣工年:1957年 
第三月曜日 休館

日比谷公園の片隅にある、ふるくさーい、建物。数年前に、21世紀の科学技術発展のための勉強会で、会議室に行ったことがある。
三角形の特徴的な建物。ここは文化館というだけあって、カフェ、レストラン、ホールなどを持つ複合文化施設になっている。面白いのは図書館フロアの本が館内のどこへでも持込めて、併設するカフェやレストランでの読書も可能という事。それは知らなかった。今度、そうしてみよう。
また無線 LAN でインターネットに接続できる環境を全席で提供するほか、4階の特別研究席(有料)では有線 LAN コネクタと電源コンセントが利用可能、と。都心の施設らしく、平日は夜10時まで開館ビジネスパーソン向けのセカンドオフィス機能も提供しているとのこと。
これは、便利かもしれない。日比谷のあたりで、ちょっと仕事できるスペースって、値段が高くって、、、。

 

国立国会図書館
所在地:東京都千代田区永田町1-10-1
東京メトロ永田町駅」より徒歩5分
竣工年:本館1968年、新館1986年 
休館日:日曜日、国民の祝日・休日、年末年始、第三水曜日。

 

東京本館は、戦後初の国の設計コンペで設計者が決まった。基本設計は、神奈川県立図書館と同じ、前川國男建築設計事務所。外壁一辺90mの壁で囲む「回」の字型の正方形の建物。昭和モダンな本館。
1986年には、増え続ける蔵書に対応するために、新館も作られている。
ここは、いつか行ってみよう、、、とおもいつつ、まだ行ったことがない。休館日が多いから、気を付けないと、、、。

 

ほかにも、たくさんの図書館が写真と共に紹介されている。


多摩美術大学、八王子図書館なんて、こだわりのデザインで、美術館みたい。八王子駅か橋下駅からバスだというから、かなり、のどかな?!ところなのだろう。
遠足気分で行くもにいいかも。ただし、今は、コロナの感染症予防のために、学外利用と見学は休止しているそうだ。残念。

 

図書館は、大人のアミューズメントパークだ。いや、子供にとってもそうかな。

よく、定年退職したおじさんのたまり場のように言われるけれど、いいじゃないの、だって、無料で利用できるんだし。

私がよく使う図書館の閲覧席は、いつも見かける顔ぶれがある。禁帯出の分厚い本を広げているおじさんは、もしかすると、学者さんか?!なんて。

 

図書館の職員さんたちの制服も、実は結構興味深い。都内の区立図書館は、意外とおしゃれなデザインになってたりする。機能とデザインを併せ持つ、結構素敵な制服もあるのだ。

 

最近残念なのは、本の貸し出しをアウトソースしていて、ただの作業者?!のような人が窓口にいる図書館。窓口には、「●月●日以降、貸出業務は、○○に委託しています」と張り紙。まるで、この人たちに何言ってもしょうがないからね、とでもいうようで。。。しかも、本当に、言われた作業しかしないし、遅い、、、、。コストカットなのかなぁ、と思う。

普段は、自動貸し出し機を使うのだけど、そこの図書館は予約した本は窓口で受け取らねばならず、必ず窓口を使うのだが、、人がどれだけ並んでいようが、窓口は一つしかあけず、隣のおねえさんは暇そうにしているのに、貸し出しを手伝うでもない、、、こりゃあかんなぁ、、、と思う。利用者にとっては、残念な改悪だ。

 

利用者は無料で利用しているのだから、つまるところ、税金で運用されているのが公立図書館。納税者として、しっかり利用させていただこう。

 

いつも使っている図書館も、今は年末年始の休館中。長い休みの時は、貸し出し期間が長くなるのがありがたい。年末に、たくさん借りておいた。

さて、次は何を読もうかな。

 

読書は楽しい。

図書館も楽しい。

 

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『東京の美しい図書館』