ソウル・オブ・マネー
人類最大の秘密の扉を開く
リン・トゥイスト
牧野内大史 訳
株式会社ヒカルランド
2013年5月31日第一刷
表紙には、以下の文字が並ぶ。
”世界をまるっきり変えてしまう
《お金とあなたの関係》
消費されることなく、枯渇することなく、
永遠に役立ち続けるお金の使い方
お金とあなたの関係を次元シフトするかつてない最高にエキサイティングな本”
なるほど。ちょっと、面白そう。
2013年の本。結構、昔。
安倍政権の一期目のころだ。
友人が面白いと言っていたので、図書館で借りてみた。
Amazonの宣伝文句によれば、
”T・バトラー=ボードン著『お金と富の哲学 世界の名著50』に、
アダム・スミス『国富論』や『ザ・シークレット』『「原因」と「結果」の法則2』『金持ち父さんシリーズ』とともに選出されました!”
と。
う~~ん、金持ち父さんは、『トランプ自伝』を読んでから、ちょっと胡散臭く思ったりして、、、微妙な選出の気もするけれど、うん、なるほど、、、景気の良いときに読むともっと心に響く一冊かもしれない。
面白いといえば、面白かった。
大量生産、大量消費で、お金があちこちで飛び回っていたバブルのころとかだと、もっと心に響いたかなぁ、と思う。
著者のリン・トゥイストさんは、世界的な活動家資金調達の専門家、コンサルタント、著述家。ソウル・オブ・マネーインスティチュートを設立し、人々や組織がお金との調和した関係を築くための教育支援などを行っている。
ソウル・オブ・マネーインスティチュートは、今も活動しているのかな?と思って、ネットで検索してみると、見覚えのあるクラウドファンディングの応援ページが、、、、。
『地球温暖化をひっくり返す解決策100【ドローダウン】を出版』のクラウドファンディング。2020年のプロジェクトで、実は、私も参加した。いくら出したか忘れたけれど、日本語訳本を出版するためのクラウドファンディングだった。返礼として、翻訳本を受け取った。
あ、なるほど、そういう活動家か!と、ちょっとガッテン。
このクラウドファンディングで、『ドローダウン地球温暖化を逆転させる100の方法』という本が無事に出版されている。これについても、いつか、覚書に残しておこうと思う。
で、そんな、活動家のリン・トゥイストさん。
もともとは、3人の子供はベビーシッターに預け、出張に飛び回る夫をサポート、買い物、娯楽でいつも外出、というような忙しい生活をしていた。育児のためにお金は使うし、おもちゃを買ってあげることもできる、家も、車も、、、。獲得したモノからモノへ、欲望の連鎖。車は、かっこいいスポーツカー、ステーションワゴン。別荘、海外旅行、高級ブランド服。。。まぁ、いわゆる有閑マダムで豪遊。
それが、ある日、「世界の飢餓を終わらせる」というグローバルな取り組みに出あうことになり、「お金と所有の無限連鎖」から解き放たれた、という。
そして、お金の使い方を変える。
そして、人々に、どういうお金の使い方が本当の満足なのかを伝え始める。
そして、資金調達家へと、、、ということ。
彼女は、
「お金について探求することは、自分が何者かを知ること」という。
お金の使い方が、その人の品性を表す、とは、よく言われることだ。
一つの事例で出てきたのが、5万ドルのファンドと、500ドルのファンドを受け取ったある日のこと。
5万ドルのファンドは、とある企業のCEOが、会社が興した不祥事の悪い印象を払しょくするために、機械的に彼女に渡した1枚の小切手。
500ドルのファンドは、ハーレムの古い教会に彼女の飢餓撲滅活動の話を聞きに集まった、貧しい人々からの1ドル札、10ドル札の組み合わせの現金。
彼女は、翌日、5万ドルの小切手をCEOに返送する。「本当にコミットメント出来ると感じる団体を寄付先に選んではどうか」という提案と共に。
また、この話には後日談があって、数年後、引退したCEOが更に高額の寄付を彼のポケットマネーから、彼女のところへ送ってきたという。
うん、彼はその時初めて、心が穏やかになったのではないだろうか。。。
たしかに、お金は、価値がある。
現代社会において、お金がなければ生きていけないだろう。
無かったら大変だ。
でも、欠乏についての間違った神話があるという。
① 十分には無い
② 多ければ多い方がいい
③ それは、そうと決まっている(できるわけがない)
こういった思い込みを手放せば、もっと豊かに暮らせる、ということ。
欠乏していれば、まずは自分が獲得せねば!となる。
「あなたか、わたしか」の世界。
それを、すでに充足していると思えれば、
「あなたも、わたしも」の世界。
充足していると思えるかどうかは、心の栄養が満たされているときに創造されるものだという。
ハーレムの人々は、心の栄養が満たされてた。
あるいは、引退したCEOの心は、栄養に満たされるようになった。
そういうことだろう。
結局、お金もモノも、執着しない、ということかな。
なるほどな、と思った言葉を覚書。
・あなたは、あなたが貯めたものではなく、あなたが分かち合ったもので有名になるのだ
・分かち合いこそ人生のあり方
・本当の財産は、金銭的なものだけではなく、才能や人間関係など多岐にわたる
・あなたのお金は、あなたの魂を表現するもの
うん、そうだね、と思う。
私は、2020年に脱サラして、自分の時間をお金のために売る生活をやめた。すでに、お金やモノへの欠乏は感じていないし、今以上にたくさん蓄えようとも思っていない。
収入は大きく減ったけれど、今あるモノで充分に豊かに暮らしていける。
別に、引退生活をのんびりしようと思っているわけではないので、また新しい挑戦のための勉強を続けている。その時間が、私には刺激的であり、楽しみになっている。
こうして、ゆっくりブログを書く時間だって、サラリーマン時代には皆無だった。
お金の使い方、これまで真面目に家計簿をつけたこともないし、あまり振り返ったことは無い。でも、使い方を見直す、って自分の見直すことになるのかもしれない。基本、物欲が低いので、いわゆる地位財にお金を費やすようなことはしてこなかったと思う。あまり、してこなかった、、、と思う。バブルのころとか、若いころはしていたかな。でも、それは、、、なんというのか、一時的な満足であり、私にとってはたいして大事なことでなくなってきた。
ちょうど、確定申告で、初めての個人事業主としての申告を準備している。2021年の自分の支出を振り返ってみると、本、英語、ワインの勉強にお金を費やしていた。コロナで外食が減ったので、食費・交際費のようなものは、ドッと減っている。海外旅行をしていないから、娯楽費も低い。。。
2022年は、仕事の経費としての管理をするのと一緒に、自分のお金の使い方をもうちょっとちゃんと、記録してみようかと思う。
仕事は、Freeeで。家計はMoney Forwardで。
「お金について探求することは、自分が何者かを知ること」
このお金、使ってよかった!って思えるお金の使い方をしよう!
金は天下の回りもの。
回せば回ってくる。
とどまる水は、濁る。
流れる水は、澄む。
将来のためにお金を使おう。
未来のためにお金を使おう。
お金なんて、使わないと何の価値もない。
自分が価値あると思えるものに、お金を使おう。
そして、自分のまわりを自分の上質世界で満たそう。
そうだ、本を買おう。
今日は、花を買いに行こう。
お金をどう使うかだって、自分で考えて、自分で決める。