『腎臓が寿命を決める』by 黒尾誠

腎臓が寿命を決める
老化加速物質リンを最速で排出する
黒尾誠
幻冬舎新書
2022年1月25日 第一刷発行

 

なんだか、よく広告を見かけるので、買ってみた。

帯には、
「45歳以上の1/4は、すでに危険な状態。だが、まだ腎機能を取り戻し長生きする方法は残っている。不老医学の第一人者が教える、たったひとつの長寿の方法」と。

 

私自身、肝臓は強いけど、腎臓はそんなに強くない、、、、と思っているので、腎臓を守る方法が学べるなら、と思って読んでみた。

 

著者の黒尾さんは、自治医科大学分子病態治療研究センター抗加齢医学研究部教授。1985年東京大学医学部医学科卒業。 91年、国立精神神経センターでの実験中に突然変異マウスを見つけたことを発端に、余分なリンを腎臓から排出させる老化抑制遺伝子「クロトー」を発見。脊椎動物の老化抑制遺伝子の発見は世界初の快挙となった。腎臓とリンの関係から老化の仕組みを解明する研究を続けている、とのこと。

 

老化に関しては、現在は様々な研究がなされているが、著者の研究は、腎臓の機能、特にリンの排出機能が高いほど、体内のリン濃度が低く抑えられ、寿命が長くなるということについて。
様々な動物の寿命の長さと血液中リン濃度が反比例するデータを示している。
寿命と老化を一緒くたにしているような気もするけれど、一応、寿命が長いのは老化が遅いから、、と、そういう理屈らしい。

腎臓が体内の恒常性を保つのに極めて重要な臓器であることは言うまでもないが、なかでもリン濃度に着目している点が、本書の特徴。

 

上記「クロトー」遺伝子は、老化が加速してしまう奇妙なマウスについて調べていた時の発見。ある遺伝子が欠損していることがわかり、それを「クロトー遺伝子」となづけた。そして、クロトー遺伝子を欠損させると、体内にリンをため込んでいくことがわかったことから、リンの排出と老化の関係を突き止めた、という。

 

目次
第1章 腎臓が寿命を決めていた
第2章 リンが老化を加速する
第3章 慢性腎臓病はリンが原因の早老症である
第4章 若々しく長生きするために今私たちにできること
第5章 見えてきた老化を防ぐメカニズム 

 

論旨は結構、明快だ。


老化は体内リン濃度が高くなることが一つの原因。
老化を防ぐには、体内のリン濃度を適度に保つ。
そのためには、リンを摂取しすぎないこと。
加工食品はリンが多いので控える

 

分かりやすいといえば、分かりやすい。

著者に言わせると、糖分や塩分の取りすぎよりも、リンの取りすぎの方が健康に悪影響がある可能性がある、という。

個人的には、はたしてそれはどうかな???と思う。具体的に比較したデータが提示されているわけではないので、必ずしもリンが一番の悪者とは言えないように思う。ま、”可能性がある”、、、だから、否定はできない。

 

そもそも、リンとはなにか?
リンは、リン酸カルシウムという骨の成分でもあり、DNAやRNA、遺伝子そのものの構成成分でもある。つまり、動物にとっては絶対に必要な物質。
リンは、肉や魚、乳製品、多くの食品に含まれているので、普通の食生活でリンが不足することはない。
問題なのは、過剰摂取
著者は、加工食品やファストフード、スナック菓子の摂取が過剰摂取につながっている、と警告している。

糖や塩は味があるから、食べていて過剰になれば味覚が察知する。一方で、リンは無味無臭なので、過剰にとっていても気が付かない。それは確かに、リンの怖いところである。

 

水、糖、ナトリウム(塩)、カリウム、カルシウム、リン、すべてのものは腎臓の尿細管で血液に戻す分と尿として排出する分に仕分けられる。腎臓が弱ってしまうと、その仕分けが出来なくなる。腎臓の機能不全は、本当に健康に大きな影響をおよぼずことは皆さんご存じだろう。

アルコールを控えて肝臓を守ってあげるのと同じくらい、腎臓の濾過機能を過度に使いすぎないように、余計なものの摂取を控えてあげるのが、自分の身体にとって優しいってこと。
色々な添加物の多い加工食品の摂りすぎが危険と言われることの所以だ。

 

で、手っ取り早く、結論にいこう。
第4章だ。

吸収されやすいタイプのリンの摂取を抑える。

大豆など、リンが多くても吸収されにくい食品は、大量にとっても問題になりにくい。
摂取を控えるべきなのは、吸収されやすいタイプのリン

気を付けるべき食品は、次の通り。

・肉類(とくに赤身)
・牛乳
・プロセスチーズなどの乳製品(無機リンが添加物として入っている)

大量に摂取するのは気を付けたほうがいいもの。
・骨ごとたべる小魚
・魚卵
・ナッツ類
・ラーメン(「かんすい」に無機リンが入っている)

これらは、摂ってはだめ、ということではなく、あくまでも摂取しすぎないようにするべきもの、ということ。

そして、一番気を付けるべきは、
・リン酸が使われている加工食品
 ソーセージ、ハム、ベーコン、干物、蒲鉾などの水産加工品、冷凍食品、カップラーメン、インスタントラーメン、袋詰めのパン、シリアル、スナック菓子、ケーキ、漬物、、、


まぁ、要するに、自然ではなく工場などで加工されて消費期限が長くなっている食べ物というのは、たいてい何かしらの添加物が入っていて、それにリンが使われているケースが多い、ということ。もちろん、リンを添加していない加工食品もあるのだけれど、それを原料表示から読み取るのはなかなか難しい。


加工食品というのは、保存性もよいし便利だから、現代の食生活で、一切摂取していない、、という人はいないだろう。でも、摂りすぎは良くないって、なんとなく、身体が感じているのではないだろうか。 

 

私は、賞味期限のやたらと長いお豆腐を食べると、おなかが痛くなる。何が悪さをしているのかわからないけれど、何度か経験してある種のお豆腐は私には向かない、ということのようなので購入を避けている。普通にスーパーで売っている3~4日くらいの日持ちのものなら大丈夫。1週間以上日持ちするように作られている2個パックみたいなお豆腐は買わない。加工の過程でなにかしらが入っているのだと思う。

 

加工食品は絶対だめ、ということではないけれど、やはり自然のものを食べたほうがからだには優しいのだと思う。

自然の命そのものをいただいて、自分の命をつなぐ。

それが、自然なのだろう。

 

860円(税抜き)の新書。

すごく斬新な健康法が書いてあるわけではないけれど、食生活を気をつけよう、ということを思い出させてくれる。

食、そして、適度な運動も腎臓の健康に良いそうだ。

 

やっぱり、よく食べて、よく動いて、よく寝る。

健康の基本だ。

 

今日も、美味しいものをたべて、元気にいこう!

 

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『腎臓が寿命を決める』