『感情を”毒”にしないコツ』 by 大平哲也

感情を”毒”にしないコツ
こころとからだの免疫力を高める「一日5分」の習慣
大平哲也
青春出版社
2020年11月15日 第一刷

 

図書館の特設コーナー「健康」にあった本。借りてみた。
本の説明書きには、
”高血圧、糖尿病、脳卒中心筋梗塞を引き寄せる怒り、不安、ストレスを受け流すヒント。
震災後の福島の医学データで見えてきた、「コロナうつ」「コロナ不調」を防ぐ健康法。

先のことを考えると、不安でたまらない
ストレスを解消しても、新たなストレスが溜まっていく

「負の感情」が消えていく、医者が教える心と身体のリセット法

とある。

189ページの新書なので、サラーーーっとあっという間に読める。

 

一言で言えば、
「笑うことでストレスを解消しよう!」
という、笑いのすすめの本だった。

 

「一日5分」で出来る、笑いヨガが最後に図解されている。
ま、ヨガするくらいなら、面白い落語を聞いたり、映画を観る方がいいけど、5分、っていうところがミソなんだろう。

 

著者の大谷さんは、福島県立医科大学医学部疫学講座主任教授。もともと福島県の出身で、学生時代も福島。東日本大震災のあと、福島に戻って福島県立医科大学のおこなった県民健康調査に関わる中で、岩手県宮城県よりも、際だって福島県民のうつやトラウマが震災後も長くみられることに気が付いた。かつ、心理的な症状だけでなく、高血圧、糖尿病、脂質異常など、生活習慣病福島県民で増加していることが確認された。
そして、心理的ストレスから身体の病的症状に至ることがあるということを目の当たりにし、いかに、ストレス解放が健康に重要であるか、ということを話始めたという。

 

過度のストレスが健康に悪影響を与えるということは、今に始まった知見ではないけれど、新型コロナウィルス感染症へのリスクにストレスを感じる人が多い今、こうして、あえて出版されたのだと思う。


目次
第1章 「感情」が病気をつくる 怒り、不安、ストレスを病気にしないコツ
第2章 「怒り」が血管トラブルを招く 感情が生活習慣病の引き金になる
第3章 負の感情をためると「うつ」になる 感情がエネルギーを奪っていく
第4章 心と体の免疫力を高める「一日5分」の習慣 感情よりも行動を変える

 
健康を害する感情として、過度な不安、怒り、などが順に説明されている。でも、人間、不安になるなといわれるほど、そのことが心配になっちゃうし、怒るなといわれるほど、そのことに執着してしまうもの。

だからこそ、第4章にまとめられているように、感情をコントロールするのは難しいので、その代わりに意思をもって行動を変えることがすすめられている。
行動、それが、「笑いヨガ」。

 

かなり、気楽なポジティブシンキングな一冊だよな、とも思うけど、うん、そうだよね、ともおもう。

笑いが少ない高齢者ほど、認知症にもなりやすいらしい。

さぁ、みんなで笑おう!!!
ってか?

 

言われてみると、確かにコロナで人に直接会う機会がすくなくなって、大笑いする回数は減った気がする。たしかになぁ。これじゃぁ、ボケるか、、、と思って、久しぶりにYouTubeで、吉本新喜劇を見てみた。イマイチ、笑えない。。。。なんか、人を貶めるようなネタは、私は笑えないのだ。


で、「落語」で検索してみた。

思わず、立川談志の「死神」を観てしまった。
いやぁ、、、笑える。と、ちょっと、爆笑と言うのは違うけど、
「うまいなぁ、、、、」と、にやにやしながら見てしまった。

youtu.be

 

これは、1日5分ってわけにいかないのが難だが、やっぱり、笑うって、いいね。

人それぞれ、笑いのツボはちがうだろうから、何がいいって言えないけれど、行動をかえることでストレスを低減する、っていうことは普遍な気がする。

 

好きなことに没頭するのもいい

人それぞれ、没頭できることも違うだろう。

 

ただ、本の中では、

酒・たばこ・ギャンブル・買い物、などに逃げるのは間違っている、と言っている。

 

あと、あ、そうだったっけ、と面白く読んだのは、『アルプスの少女ハイジ』。昭和世代なら、カルピス劇場『アルプスの少女ハイジ』は誰もが夢中になったのではないだろうか?私は、カルピス劇場のなかでも、大好きだった。

ハイジがおじいさんと一緒に食べる、パンの上にのせたとろけたチーズ、ふかふかわらでできた、屋根裏のベッド。あこがれたもんだ。

で、なんで、ハイジかというと、ハイジは山を離れて街に連れていかれたことで、心身症になって夢遊病になってしまう、という、ストレスを描いた物語なのだと。あぁ、そういえば、そうだった。ハイジは、ロッテンマイヤーさんに山のことは話してもいけないし、思い出してもいけない、と言われて、笑わない子になっちゃうのだ。それに気が付いたクララが、ハイジと分かれるの辛いけど、ハイジを山に帰してあげたいと願う。そして、山に戻ったら元通り、元気なハイジにもどる、ってそんなお話。ついでに、車いすだったクララだって、立つことができちゃう。

自然の偉大さ、人間のストレス、、、実は、ふか~~い話だったんだ。

 

さらっと読める新書。

簡単に読めるので、

ちょっと、元気になりたい時にお薦め。

 

読書は、楽しい!

『感情を”毒”にしないコツ』