『突き抜けるコンディション革命』by  小林弘幸

突き抜けるコンディション革命
小林弘幸
ワニブックス
2021年7月10日 初版発行


先日の『名医が実践する「疲れない」健康法』に引き続き、小林先生。

表紙の裏には、

「感染を防ぐのも、感染した状態から治癒するのも、自分の心と体の力です。人間の治癒力以上の医療は存在しません。あなただけのコンディション革命が実現できた時、あなたはそれまでの自分の殻を破り、仕事やスポーツでハイパフォーマンスを発揮できる状態にまで突き抜けていることでしょう」
と。

 

ワニブックらしくて?!笑っちゃうけど、芸が細かいのが、表紙の小林先生のマンガは、スーツに白衣を着て、右脇にラグビーボールを抱え、右手にパソコン、左手にゴルフクラブ、を抱えてマスクをしている。そして、 野球ボールとサッカーボールが飛んでいる。
1枚めくって中表紙は、同じ構図なのだが、マスクをしていない。(笑)。
コンディションがよければ、マスクなんかなくたって感染しないも~~ん!ってことか??

そういうことではなさそうだけれど。。。

 

小林さんは昨今の頑張りすぎなくていいと言う風潮に、頑張ることの価値が認められなくなってしまったのではないかと心配している
小林さん曰く、困難な時代に立ち向かう肉体とメンタル、すなわち最強のコンディションを身に付けるための自己改革がこの本のテーマだと言う。優しい世界に甘んじることなく、進んで厳しい現実に向き合うと、必ず壁にぶつかる。でもその壁をつきぬけることが成長。だから成長し、一皮向けるとか、殻を破るなどと言うけれど、まさに脱皮していこうじゃないか!と言う話。

 

本書は目次がない。


1つのテーマにつき4ページ、50のテーマが掲載されている。好きなところから読んでねってこと。とはいえ、やっぱり目次があった方が好きなテーマを探しやすいのにな、、、なんて。

 

なるほど、と思った物を覚書。


・「先手必勝」とは、嫌な事を先にやること。
 時間管理術みたいな本だと、やりたいことを先にやれ、ってよくいわれるけれど、先生は、嫌な仕事ほど意識して先にやるべし、と。嫌なこと、でもやらねばならない事を後回しにしていると、ずっと、頭の中に「嫌なこと」が残ったままで、交感神経が高まった状態を維持してしまうから。嫌なことはさっさとすませて、副交感神経優位にした方が、リラックスできて、良い仕事ができるのだ、と。
なるほど。
さして、やらねばならない「嫌なこと」は今の私にはないけれど、なんとなく、気がかりだけど後回しにしていること、先手必勝でやっちゃおう!と思った。目指すべき資格試験に、とっとと合格しちゃおう!って。

 

・脳にだまされるな、腸を信じろ!
腸は第二の脳である」といわれるけれど先生に言わせると、腸の方がずっと頼りになる臓器だ!と。生物が受精卵から分化、成長していく過程で、最初に作られるのは脳ではなく、腸。それくらい、腸と言うのは生物の要なのだ。
欲望まみれの脳にくらべて、腸はおとなしく、我慢強く、謙虚だと。笑!まぁ、確かに、腹が立つ、と言う言葉はあるけれど、実際にお腹は怒りが湧いても粛々と消化吸収してくれる。。。
腸と腸内細菌のために優しい生き方をすれば、人間の身体はどんどん健全になっていくのだそうだ。そう、腸というのは、いってみれば腸内細菌の住処。お腹に飼っている腸内細菌が元気でいられる生活をしよう。食物繊維摂取!!

 

・腸内フローラを整えることで勝ち方を知ろう
腸内細菌のうちのいくつかは、食べ物を分解して「短鎖脂肪酸を作ることができる。この短鎖脂肪酸が血液を通じて全身に送られ、脂肪細胞に届くと、細胞内に脂肪を取り込むのをやめるのだ。また、短鎖脂肪酸は、交感神経を刺激し、代謝を活発にすることでも燃焼促進してくれる。
太りやすいかどうかは、腸内細菌が短鎖脂肪酸を沢山作れるかどうかで決まる。短鎖脂肪酸をつくれる細菌とは、まさに、ヤセ菌、ってやつだ。
で、よく、どうやってこのヤセ菌を増やすかっていうことになるのだが、答えは簡単ではない。腸内フローラは常に変動しているので、ヤセ菌を増やすということより、悪玉菌を増やさない、ということの方が大事なのだそうだ。それには、偏食しないこと。偏った食事は、腸内フローラを偏ったものにしちゃうから。
バランスよく食べるって、やっぱり基本なのね。とくに、腸の中の老廃物排出のためには、食物繊維。水溶性食物繊維がお腹にやさしい。きのこ、海藻、ぬるぬるした野菜(オクラ、モロヘイヤなど)に水溶性食物繊維が豊富。繊維って、べつに、スジっぽいってことじゃないからね。

 

・突き抜けてしまえば誰からも叩かれない
人はだれでも「承認欲求」を持っているもの。有名なのは、マズローの基本的欲求5段階
1.生理的欲求
2.安全の欲求
3.所属と愛の欲求
4.承認の欲求
5.自己実現の欲求
認められたいと思って頑張っていると、残念なことに、足を引っ張る人もでてくる。でも、そんな時に重要なのは、「他人のことは変えられないし、コントロールもできないが、自分のことならどのようにも変えられる」ということを忘れないこと。そして、攻撃対象にされるのは、相手にとって「射程距離範囲内」と思われているから。だったら、突き抜けちゃえばいい。
自己変革により、もっともっと自分の殻を突き破って、成長することで比べ物にならないくらい突き出てしまえ、と。
おぉ、なるほど。
心身のコンディションを整え、突き抜けてしまえば無敵になる!と。
おぉ、なるほど。


なんとも、アグレッシブで、前向きな一冊だった。
でも、なにいっちゃってんのよ、とは思わない。
なんとなく、共感できる。

なんだろうか。
胡散臭い、、、とは思わない。

わりと、ちゃんとサイエンティフィックな説明も含まれているからか。

 

読みやすいし、分かりやすい一冊。
健康オタクにもお薦めだけど、ちょっと頑張りたい、ちょっと良くなりたい、と思う人にお薦め。

読んだ後、そうだ、そうしてみよう!と思える本は、読んでいて楽しい。

 

コロナ治療にあたった医師たちも口をそろえて言うのは、最後は本人の治癒能力。自分の健康は自分で守る。結局はそれに尽きるのだ。生まれた時からメタボな人はいない。メタボになれと強制される人もいない。結局は、自分の人生は自分で決めているってことだ。

「10年後の自分」と対話しながら、自分のために、適度に節制しよう。


健康本。
結構、好きだ。

 

重要なのは、そうだね!と思うだけでなく、

良いことは実践する事!

だけどね。

 

実践。

Do it!

って、大事ね。

 

『突き抜けるコンディション革命』 表紙

 

『突き抜けるコンディション革命』 中表紙