『教科書に出てくる遺跡と文化財を訪ねる ③ 武士の時代』 by こどもくらぶ

教科書に出てくる遺跡と文化財を訪ねる ③ 武士の時代
平安時代末期・鎌倉・室町・安土桃山・江戸時代)
こどもくらぶ編集
あすなろ書房
2019年2月28日初版発行

 

図書館で歴史で検索して出てきた本。
新しめだったので、借りてみた。

検索結果に、
”当館書庫に在り。所員に聞いてください”とでた。
2019年の本なのに?書庫?
「この本なんですけど」と、検索結果を印刷した紙を渡すと、所員が取ってきてくれたのは、大型図書だった。
とはいっても、厚さはさほどでもない。
裏には、「特別堅牢製本図書」とある。
なんだ?
調べてみた。

 

特別堅牢製本図書
・図書館用に特別丈夫に製本した物。
・本を合冊・改装・修理などによって再製本すること。
・図書館の在庫本の修復などを行う。もろほん・諸製本と呼ばれていた。

 

なるほどぉ。
これは、きっと、図書館用に特別丈夫に製本した本なんだろう。たしかに、頑丈そう。
A4の高さに、横幅をちょっとおデブにしたくらいの大きさ。
一応、普通にカバンに入る大きさだったので、借りて帰ってきた。

 

感想。
これはいい。
歴史と地理の勉強がいっぺんにできる。
おまけに、文化財の説明までついている。

 

文化財の分類って、知っているようで知らない。
文化財の分類として、有形文化財」、「無形文化財」、「民俗文化財」、「記念物」、「文化的景観」、「伝統的建造物郡」がある。

そして、その中でも重要なものたちが、重要文化財」「重要文化的景観など。
とくに価値の高いのは、「国宝」

 

文化庁HPによれば、
文化財は,我が国の長い歴史の中で生まれ,はぐくまれ,今日まで守り伝えられてきた貴重な国民的財産です。このため国は,文化財保護法に基づき重要なものを国宝,重要文化財,史跡,名勝,天然記念物等として指定,選定,登録し,現状変更や輸出などについて一定の制限を課す一方,保存修理や防災施設の設置,史跡等の公有化等に対し補助を行うことにより,文化財の保存を図っています。また,文化財の公開施設の整備に対し補助を行ったり,展覧会などによる文化財の鑑賞機会の拡大を図ったりするなど文化財の活用のための措置も講じています。
さらに,我が国を代表する文化遺産の中から顕著な普遍的価値を有するものをユネスコに推薦し,世界文化遺産への登録を推進しています。”

だそうだ。

文化財にならないと、世界遺産にはならないのだ。

 

で、本書は、③武士の時代 とある通り、平安末期~江戸時代の文化財を、時代順に写真付きで解説してくれている。

これは、なかなか、バーチャル旅行をしているような気にある、すぐれもんだ。
解説には、適度にフリガナがふってあり、小学生でも楽しめる。
でも、大人でも十分楽しめる。

 

本書で紹介される文化財トップバッターは、平安末期を代表して、厳島神社だった。
1996年に世界遺産にも登録されている厳島神社
広島県廿日市市安芸の宮島のシンボル、厳島神社
日本三景厳島@広島、松島@宮城、天橋立@京都)の一つ。
平清盛が崇拝した神社。寝殿造の様式を今に残している。
海上の大鳥居は、圧巻だ。

 

厳島神社は、多分、大学生の時の一人旅で行った。まだ、世界遺産になる前ってことだ。でも神社は国宝であり、能舞台重要文化財。夏だったのかな。暑かった記憶がある。
そして、厳島神社と言えば、なんたって、「もみじ饅頭」でしょう。というか、広島と言えば、か?安芸の宮島か?
島に渡って、神社を散策した後、ばら売りのもみじ饅頭を買って食べた。当時はまだ珍しかったチョコレートとかチーズ味のもみじ饅頭も売っていたので、美味しいものを買って帰ろうとおもって、ばら売りをかって、ベンチに座って食べていたのだ。
そしたら、後ろからヌッと私のもみじ饅頭を奪おうとする輩が出没!!
え!!と思ったら、鹿が!!!!
ひゃぁぁぁ!!!
と、びびった記憶がある。もみじ饅頭が奪われたのか、落としたのか、無事に食べ終わったのかは記憶にない。。。


と、まぁ、でだしから、しってる!!いったことある!!ということで、テンション高めになりつつ、ページをめくる。

 

次は、鎌倉時代
史跡:名残切通し、朝夷奈切通
おぉ!これも、知ってる知ってる。なんせ、もと、浜っ子ですから鎌倉は庭でした、とは言わないけれど、近いので、鶴岡八幡宮をぐるっと囲むように配置された数々の切通しは、子供の時の遠足などでもいったことがある。

すごいな、わたし、教科書にでて来るところ、行ったことあるじゃない。なんておもって、次に進むと、
史跡:蒙古防塁
元寇にそなえて、福岡県福岡市に警備のためにつくった石塁。
あぁ、、、これは、行ったことないわ。。。
残念。

そして、時代は、室町時代へ。
ここから、知ってる!行ったことある!のオンパレード

特別史跡鹿苑寺金閣寺)庭園 @京都(北山)(1397)
国宝:慈照寺銀閣 @京都(東山)(1489)
史跡:龍安寺方丈庭園 @京都 (1450)
などなど、、、

金閣寺は、三島由紀夫の小説の通り、1950年に放火で燃えてしまっているので、現在の建物は1955年に再建されたもの。

megureca.hatenablog.com

銀閣寺は、じつは、本当の銀が使われたことがなかった、、ということが2007年の科学調査で明らかになっている。漆が日光によって銀色に輝いて見えたから銀閣といわれたのではないか、と言われている。簡素で奥深い、東山文化の代表的建物。

龍安寺といえば、枯山水の石庭。ゴミ一つ落ちていない、白砂に熊手で描かれた水の流れを表す模様。まぁ、美しいったらない。
庭に配置された石は、「虎の子渡し」という中国の昔話がもとになっているというはなしやら、様々な説があるが、今となっては不明。石の配置、塀の高さのかげんから、庭園の奥行きがより深く見えるように工夫されている。すごいことを考えたひとがいたもんだ。

 

続いて、雪舟天橋立図、狩野永徳の洛中洛外図などの美術作品。

原田マハさんの『風神雷神』では、織田信長ローマ教皇に送ることになっているが、本当は、織田信長上杉謙信に送った。

megureca.hatenablog.com

安土桃山は、大坂城、検地尺。

江戸時代は、江戸城東照宮、浮世絵。
などなど。。。

東照宮は、祖父の家康を尊敬して神として祀った三代将軍家光が大改装をしたことで、豪華絢爛な姿に。

日光は、横浜の小学生にとっては修学旅行先。
はじめて、東照宮にいったのは、多分修学旅行。
三猿、眠り猫、鳴き龍
国宝の陽明門は、小学生ながらに、こんなド派手なところじゃ、おちおち寝てられんだろう、、くらいに思った覚えがある。
陽明門は、色だけでなく、様々な彫刻で装飾されていて、一日中みていてもあきないことから、「日暮(ひぐらし)の門」と呼ばれている。

 

そして、国宝、伊能忠敬関係資料。50歳で隠居してから江戸に出て、天文学や暦学をまなび、55歳になってから幕府の命令で全国各地の測量を始めた伊能忠敬

55歳だよ、当時の55歳って、今の70歳位????
いやいや、私もまだまだひよっこだね。
がんばろっと。

 

最後は、重要文化財本居宣長稿本類並関係資料。
三重県松坂市、本居宣長記念館に所蔵されているもの。
国学者本居宣長

そして、弘道館@茨城県水戸市
江戸時代の水戸は、学問と武芸の両方が重んじられていたのだ。

なるほど、最後を学校でかざるとは、さすが、教科書にでて来る文化財。。。


なかなか、よかった。
勉強になった。
なぜ、③から借りたのか忘れてしまったけれど、他の巻も借りてみようと思う。

ちょっと、歴史がマイブーム。
歴史と地理と同時に勉強できて、なかなか楽しい一冊だった。 


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