『キャリア教育支援ガイド お仕事ナビ16  観光に関わる仕事』 全国通訳案内士

キャリア教育支援ガイド お仕事ナビ16
観光に関わる仕事
バスガイド・全国通訳案内士・旅行代理店・女将
理論社
2018年7月初版

 

全国通訳案内士は、通訳を職業とする上での「三冠」のうちの一つなので、近いうちには取得するようにと通訳の先生に言われている。
先生の言う、「三冠」とは、全国通訳案内士(英語)、英検1級、TOEIC960点(あるいはリスニング満点)。いずれも、これが取れていれば通訳ができる実力があるということではない。あくまでも、履歴書記載事項、、、、みたいなものだそうだ。
普通自動車運転免許証を持っていても、ペーパードライバーで運転できない人もいるように、この三冠をもっていたとしても、通訳として仕事ができるか、、というのは別問題、、、と。

 

私は、いまだ、どれも達成していないので、まずはTOEIC960点を目指しているのだが、、、全国通訳案内士という資格があることも、先生に言われるまで知らなかった。

なので、「全国通訳案内士」で、調べてみた。

 

「全国通訳案内士」は、国土交通省が認定する国家資格で、英語・フランス語・中国語など様々な言語それぞれで資格が認定される。日本を訪れる外国人観光客をガイドするお仕事、とのこと。なるほど。
試験は、一年に一度。日本の地理、歴史、一般常識、通訳案内士としての業務について、等の試験科目がある。加えて、それぞれの言語の試験。TOEIC900 点以上で、英語の一次試験は免除されるという。その条件はクリアしている。そうか、地理と歴史の勉強をすればいいのか、、、。
なるほどねぇ。。。

で、図書館で「全国通訳案内士」で検索してみると、出てきたのがこの本だった。なんと、児童図書のコーナーにあった。

 

とりあえず、様々な仕事についてどのような仕事なのか、子供達にも分かるように説明してある本。
シリーズ物で、様々な職業の本が並んでいた。
大人が読んでも、結構、楽しい。
世の中には、こういう仕事もあったのか、、、と。

 

それぞれの仕事について、実際にその仕事をしている人へのインタビュー集みたいな感じ。全国通訳案内士は、ランデルズという会社に所属されている畑田さんという方のお話。写真付きなので、実名だろう。

 

畑田さんのコーナーでは、
全国通訳案内士ってどんな仕事?
畑田さんの一日
全国通訳案内士の仕事
畑田さんにきいてみよう Q&A
全国通訳案内士の仕事場
畑田さんこだわりの7つ道具
全国通訳案内士ってどうしたらなれるの?
という構成。

他の職業も、ほぼ同じような構成で、実際の仕事のイメージが湧きやすくなっている。私が若いころには、こんなものはなかったなぁ、と思う。単に、興味がなかっただけか?


様々な職業、”どうしたらなれるの?”って、意外と大人でも知らない。
本書の中には、「女将」も一つの職業として紹介されているけれど、さすがに「女将」ってどうしたらなれるの?ではなくて、旅館従業員ってどうしたらなれるの?という項になっていた。

 

で、全国通訳案内士の畑田さんの場合、ランデルズという会社に所属し、国内旅行の旅程管理資格もお持ちということで、会社から紹介を受けて個人客から団体客までのガイドや添乗業務を務めているとのこと。まぁ、、、英語を話せるガイドさん、って感じなのかな。
旅行好きなら、楽しい仕事の気がする。

 

実際、通訳教室の仲間の中には、全国通訳案内士をされている方もいて、最近ではコロナも落ち着いてきたのでだんだんインバウンドのお客様も増えているそうだ。会議通訳とはまったく違う楽しさがありそう。

 

Q&Aからちょっと抜粋すると、

Q この仕事の大変なところ、苦労は何ですか?
A 絶対に遅刻できないこと。 集合時間より1時間は前に現地に到着している必要があるので、体力も大事

 

Q 子供の頃にもっとしておけばよかったと思うことは?
A 世界史の勉強。世界史が分かるとお客様と共通の話題ができるから

なるほどなぁ。
体力も必要だと。

 

そして、どうしたらなれる?のページには、キャリア形成の道筋が分かりやすく書かれている。

全国通訳案内士試験は、受験条件に年齢・学歴・国籍の決まりはなく、誰でも受験が可能。合格すれば、都道府県に登録して研修を受けることで全国通訳案内士として働くことができる
そして、なんと、お給料っていくら?という項も。
平均給与月額 33万3000円。
推定平均年収400万円、だそうだ。

あらまぁ、、、、、。
そんなもんなのね。。。

と、ここまで読んで、ちょっと、がっかり・・・。

 

ちなみに、推定平均年収は、

バスガイド、285万円

旅行代理店社員、 464万円

旅館従業員、319万円

だった。。。

どれも、結構体力的に大変そうだけど、、、意外と薄給なのね、、、。

 

ま、でも、地理や歴史の勉強は楽しそう。ちょっと、勉強してみようと思っている。

実際、過去問をぱらぱら覗いてみると、各地のマニアックな問題で、そんなの知らないよ!とおもう問題も多いのだが、場所としては行ったことあるぞ!とか、食べたことあるぞ!とか、行ってみたいな、、とか、ちょっと楽しい。


やはり、先生に言われたから受験するのではなく、自分でそれなりにどんなものかを調べて、納得して受験を目指した方がいい。

 

なんちゃって、な、子供向きの本かと思ったけれど、読んでみてよかった。たしかに、その仕事へのイメージがわきやすい構成になっている。

こういう本を作る人もすごいな、、と思った。

 

私は、本に関しては、ほんとに雑食だが、たまにはこういうのも面白い。

 

人生100年時代、第二のキャリアを探すのにも楽しいかも。

様々な仕事、どうしたらその職につけるのかをこうして書いてあるのはなかなか参考になる。

 

子供向けの本、侮れない。

どんな本も、やっぱり読書は楽しい。

 

 

『キャリア教育支援ガイド お仕事ナビ16  観光に関わる仕事』