京都~兵庫への旅 2日目: 伊根から城崎温泉へ 

京都~兵庫への旅。

続きを。

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翌日、9月21日、伊根の舟屋で朝を迎えた。

 

釣りのために、5:00に目覚ましをかけて起きてみると、まだ、外は真っ暗。前日の夜に仕掛けは作っておいたので、すぐにも出かけられる。とはいえ、、、さすがに真っ暗で、街灯もほとんどない舟屋の町なので、釣り用のヘッドライトだけではちょっと不安。ということで、少し明るくなるまでまって、堤防へ。

 

陽がのぼり始めれば、あっという間に明るくなる。

前日、宿のおねぇちゃんが「うちのすぐ横でも、あのブイとブイの間位に投げてもらったら、イカがつれることありますよ」と教えてくれたので、まさに、宿の真横で釣りを開始。友人は疑似餌を使ったイカ釣り。イカ釣りは高度な技を要するので、私は前日に仕入れておいたゴカイを餌に、ハリ一本の仕掛けで餌を使った魚釣り。友人が私のために、用意してくれた。仕掛け作りも、お任せ。

 

久しぶりの釣り。足元の水を覗くと、澄んだ水に小さなお魚がいっぱい。おぉ、これはきっとつれるぞぉ!!と、ワクワク。

 

1投目、しょぼい投げながら、、、おもりが着底するのを確認し、リールを巻きあげ始める。そろりそろり、、、。お!かかった!!!、、のは、、、、ロープの切れ端、、、、だった。

そうそう、宿のおねぇちゃんが、手前は敷石やらがあるので根がかりには気を付けて、、、と言っていたのに、まさに、引っ掛かった。。。

 

気を取り直して、2投目からはやや遠くを狙って投げる。

釣れる、釣れる。ちっこいのが、たくさんかかった。

小さいので全部、キャッチ&リリース。

カワハギ

ボラ??

タイ

??

 

餌釣りは、調子よくばんばん連れた。一方、疑似餌でイカ釣りの友人は、なかなかあがらない。

宿の横から、堤防の先まで移動して(と言っても歩いて2分)、更に釣りを続ける。

結局、イカはかかったものの、あげるタイミングが合わなかったか、釣れたのはゲソ、、、だけだった・・・。あぁ、、、上身もついてきて、、、。

 

8:00の朝ごはんのために、今朝の釣りは一旦終了。

あぁ、2時間、楽しかった。

 

朝ごはんを食べて終わったころ、宿のおねえちゃんが

「今、イカ、あがり始めたみたいですよ。今なら釣れるかも。」

と言うので、友人は再び海へ。

どうやら、この宿のおねえちゃんもイカ釣りが大好きらしい。ぱっと見には、10代か?!と思うくらい幼くみえたけれど、20代後半くらいなのかもしれない、かわいらしいおねえちゃんだった。

 

結局、11:00近くまで友人は釣りを続けたけれど、イカの全身を目にすることは、できなかった。やっぱり、疑似餌・投げ釣りのイカ釣りは難しい。

 

特に、旅の旅程は決めていなかったのだけれど、2日目の宿は城崎温泉を予約していたので、一路、城崎温泉へ。志賀直哉の『城崎にて』の城崎温泉兵庫県奥座敷、とも言われている城崎温泉だ。関東にいるとなかなか行くことのない城崎温泉。ここも気になっていたので、今回の旅は、友人に誘ってもらってホントにラッキー。

 

伊根の宿から車で3分の「道の駅」によって、高台から伊根湾を展望してから、いざ、城崎温泉へ。

 

伊根湾 中央に見えるのが青島

舟屋がならぶ伊根湾の海岸線

 

Googleマップのナビに任せて、丹後半島の根元を横断。

途中、おい、これは、、、農道か?!というような細い道もあり、山を越え、谷を越え、、、城崎温泉の南、兵庫県豊岡市へ向かう。丹後半島の根元のあたりは、道路を走っていると、京都と兵庫の県境を何度も行き来する。

2日目の車移動

運転は彼女に任せっきりで、2時間弱走ったところで、ようやく平地に近い豊岡市へ。

 

「ええとこあります、コウノトリの郷、いってみます?」

と、友人がいうので、

「いく、いく!」

彼女のお薦めスポットとのこと。

 

コウノトリって、あの赤ちゃんを運んでくるコウノトリ。よく考えてみれば見たことない。コウノトリの郷の資料によれば、1971年、日本の野外コウノトリは最後の一羽が死亡し、絶滅してしまったのだそうだ。で、その以前をより保護活動をしていたコウノトリ保護協賛会が、本格的に飼育繁殖に取り組み、「コウノトリの郷」がその拠点となっているとのこと。

 

ちょうど、伊根からの山を下り切って、平地になったあたり、畑と田んぼの中に忽然と現れたコウノトリの郷。

兵庫県立コウノトリの郷公園

隣には、兵庫県立大学の研究センターがあって、基本的には無料で見学できる施設。でも、コウノトリ保護活動のための寄付金として、「100円」の寄付金箱が。

迷わず、100円を投入。

すると、施設の方が、「寄付いただいたお礼です」といって、一枚の折り紙をくれた。白い折り紙の4隅に黒と赤の模様。鶴のようにおると、コウノトリができるという折り紙だった。かわいい。友人が姪っ子にあげるというので、私の分も彼女に託した。

 

施設では、資料館のようになった建物の横に、観察広場があり、屋根のないケージの中の3組のコウノトリカップルを見ることができる。

係りの方の説明の時間があって、コウノトリのことを色々説明してもらった。

 

コウノトリって、大きいんだ!!

立っている成鳥は、1m以上の高さ。フラミンゴのように細くて赤い足。白い体に、白と黒のつばさ。美しい。立派。へぇぇ!!コウノトリって、こんなに大きかったんだ!!と、感動。

コウノトリは、ひとたびつがいになると、毎年、つがいが同じ巣で産卵、子育てするのだそうだ。雌雄が共同で巣作り、子育てをすることから、赤ちゃんを運ぶ鳥、ってことになったのだ。

コウノトリの郷 ケージのつがい

 

見学施設でケージにいるコウノトリを観察していると、

カッカッカッカッ」と、鳴き声えはなくクラッタリングと言われる音を6羽がそろって出し始めた。くちばしをカタカタと鳴らすことで出す音で、コウノトリには鳴き声がなく、コウノトリ同士のコミュニケーションは、すべて、このクラッタリングによるのだそうだ。

そして、係りの人が、

「クラッタリングしていますね。いま、きっと空にコウノトリが飛んでいるはずです。俺たちの縄張りにくるな!ということで、威嚇しているんです」と。

係りの人、私たち、他にも見学していた4,5人が、空を見上げる。

 

青く晴れ渡った空。ここに、コウノトリが飛んだら、さぞかし美しいだろう、と言う空。しばし、空を見上げている間に、クラッタリングがやんでしまった。

「あぁ、どこかへいっちゃいましたねぇ、、、」

残念。

「飛んでいるところをみられたら、すごくラッキーなんですけどねぇ、、」と。

 

すると、数分のうちに、またみんな揃ってクラッタリング。

「きっと、どこかにいますよ」

の係りの人の声に、みんなで再び空を見上げる。

「いた!!」

「いたいた!!」

 

大空を、たしかに一羽のコウノトリが飛んでいた。

「わぁぁぁぁ!!!!」

ほんと

ホントに、ホントに、野生のコウノトリが飛んでいた。

美しい。

かっこいい。

しばし、わぁぁぁぁっと、口を開けたまま、空を見上げる。

 

写真なんて取っている場合じゃない。しっかり目に焼き付ける。

あ、でも、やっぱり、写真撮りたいかも!と、とりあえず、シャッターを押す。

空とぶコウノトリ

 

いやぁ、かっこよかった。

 

コウノトリは、肉食の鳥。だから、自然の中に魚、カエルなどの小動物がいなくなってしまうと、コウノトリも生きていけなくなるそうだ。都市化が進み、自然が減少する中で一度絶滅してしまった日本のコウノトリ

現在、野生に放たれているコウノトリは、旧・ソビエト連邦から受贈された6羽の幼鳥が飼育され、産卵、孵化して増えたコウノトリだそうだ。

 

コウノトリに感激しつつ、施設の横のお土産屋さんで、無農薬栽培のお米を購入。駐車場へ戻っているとき、

「あ、飛んでる!」

と、友人が再び空を指さす。

 

大きく大きく旋回しながら、ゆうゆうと一羽のコウノトリが飛んでいた。

しばし、見上げていると、私たちの上空すぐそばを、私たちにお腹をみせつつ飛んでいくコウノトリ。二人して、口をあけて、あんぐりと見つめてしまった。

「わぁぁ~~~、すごい!!」

の声しか出ない。

時々羽ばたき、時々滑空、、、、。

ほんとに、美しかった。

 

豊岡がコウノトリで有名だったとも知らなかった私。車でなければわざわざ来ることはなかったであろうコウノトリの郷。

 

一人旅が好きだけど、やっぱり友人との旅もいいもんだ。

 

そして、城崎では、公務員の友人が予約してくれていた、KKR城崎玄武へ。

城崎温泉 KKR城崎玄武(国家公務員共済組合連合会 城崎保養所)

JR城崎温泉駅のほぼ目の前。

「焼きガニ堪能コース」で一泊。

 

そうか、城崎温泉って、こういうところだったんだ!

なかなか、新鮮な驚きだった。

連休の合間の平日だというのに、結構な旅行客。

さすが、兵庫の奥座敷

大学の夏休み最後なのか、若者の旅行客が多かった。そして、友人曰く、ずいぶん今風に変わっている、と。

 

城崎温泉の話は、また続きで。。。