禅の言葉:晴れて良し曇りても良し富士の山、元の姿は変らざりけり

先日、教えていただいた、禅の言葉。

日本の世語の紹介だった。

 

晴れて良し曇りても良し富士の山、元の姿は変らざりけり (山岡鉄舟
 (外部)環境ではなく、(内面)本体が大事。

  そして、今が大事ということ=即今、而今

 

世語なので、わかりやすい。

 

これは、山岡鉄舟が、悟りをひらいた後に、発した言葉だそうだ。

 

どんな天気になっていようと、富士山そのものの姿形が変わらない。外は、雨でも、曇りでも、嵐でも、富士山は美しく、雄大にそこにそびえている。あるいは、その中の活動も脈々と続くものであって、昨日今日、今日明日にできるものではない。

外部ではなく、内面が大事、ということ。

そして、今、ここにある内面が大事、ということ。

今が大事。

今と向き合うことの大切さ。

 

 

実に、わかりやすい言葉だ。

 

山岡鉄舟の言葉だと言われると、う~~む、なるほど、と唸ってしまう。

山岡鉄舟は、私が時々坐禅に通う、全生庵の開基だ。平井住職の言葉と重なる。

 

 

人間でいえば、姿形の外見でなく、内面、心が大事ということであり、その心は、常に今と向き合うことが大事、ってことかな。

マインドフルネス、ってこと。

 

また、親鸞の言葉も紹介いただいた。

明日ありと思う心の仇桜、夜半に嵐の吹かぬものかは (親鸞

これは、親鸞がまだ9歳で、比叡山を訪れたその日の夜遅くになって得度することが許された時、僧正慈円から「夜も遅く疲れているだろうから得度式は明日にしてはどうか」といわれ、即座に答えた言葉。

親鸞は命に「明日がある」と思い込むことを、いつなんどき散ってしまうかもわからない桜に譬え、夜に嵐が吹けば満開の桜でも散ってしまうと歌にした。育ての父が、歌の名手だったので、9歳にして自分の想いを歌にするという、、、なんという神童。

 

これもまた、今を大切に、今のタイミングを逃すな、今行動せよ、と言う教えかな。

 

最近、つくづく日本の和歌はすごいな、と思う。

たったこれだけの文字で、大切なことを表現する日本語。

 

今ここに集中する、というのは坐禅の基本。

マインドフルネス、と言われることもある。

最近、あれこれ、ながら○○しても、効率が上がらないということをつくづく自覚する。

 

英語の勉強も、読書も、はたまた食事も、、、何かしながらやると、結局中途半端になる。

 

筋トレするときも、あれこれ考え事をしながらやると、どこの筋肉を鍛えているのだかわからなくなって、効果が半減する気がする。

 

今ここに集中するのが、結局は一番効率がいい

 

やりたいことがたくさんあって、あれこれ、ついつい複数のことを一度にやりがちなのだけれど、私の集中力は、聖徳太子の様にはいかない。やっぱり、ひとつずつ、丁寧にやるのがいいんだな、と思う。

 

ながら、、、でできるのは、お風呂と考え事くらいかな。

そして、ついつい、長風呂になりがち・・・。

 

まぁ、だいぶ涼しくなってきたし、長風呂しながら本を読んだり、英語の勉強をするのには、いい季節だ。

 

とはいえ、お風呂以外は、やっぱり、一つのことに丁寧に集中したほうがいいように思う。

 

晴れて良し曇りても良し富士の山、元の姿は変らざりけり (山岡鉄舟

 

あれもこれもと欲張りたくなったら、富士山を思い出そう。

そして、今ここに集中しよう。

 

今日は、9月30日。

明日から、10月、神無月。

新年度も折り返し。

また、新しいスタートのために、今日は半年の振り返りをしよう。

 

親鸞の言葉をかりれば、夜半に嵐が吹いても後悔しないように、今日できることは今日やっておこう。