10分で読む 日本の歴史
NHK 「10min.ボックス」制作班 編
岩波ジュニア新書
*本書は NHK E テレ教育「10min.ボックス 日本史」をまとめたものです。
2016年7月20日 第1刷発行
図書館の出口付近、ティーンズのコーナーにふと立ち止まり、今日はまだあと1冊かりられるし、、、と思って、手にしてみた本。
いがいといい。
ティーンズ向けなので、もちろん優しく書かれている。
「10分で読む 日本史」 ということだけれど、まさか、1冊が10分で読めるわけではあるまい??とおもったら、裏に説明が。
”日本の歴史を各回10分で分かりやすく紹介する NHK の中学・高校生向け番組「10min.ボックス 日本史」全20回分を一冊にまとめました。縄文時代から現代まで主な出来事や人物、文化や社会背景など各時代の重要ポイントを理解するのに役立ちます。”
とある。
まぁ、見事なポイントオンリー抑えた1冊。
1~20まで、多分、黙読すれば2時間もかからずに読み切れる。日本史をざ~~っと縄文時代から、昭和まで、なかなか楽しめる一冊。
御成敗式目って、、、そうそう、三代執権・北条泰時だったね、と、「全国通訳案内士」の試験にでてきそうな、それでいて、北条だれだっけ??となりそうな、、、でも、これだけしぼった情報のなかにでてくるんだから、大事なのね、と思うことがチラホラ。
せっかくなので、1~20まで、それぞれ覚書してみよう。
歴史の復習。
1 縄文時代と弥生時代
縄文時代は、今から15000年前に始まった、土器をつかった時代。青森県三内丸山遺跡が有名。稲作が始まったとされる弥生時代の代表遺跡は、佐賀県の吉野ケ里遺跡。
2 ヤマト政権による統一国家の成立
邪馬台国を中心とするまとまりができる。古墳に見られる権力者の存在。仏教の伝来と、蘇我氏による仏教の普及。聖徳太子(厩戸王)、604年役人の心構えを示した「十七条の憲法」を制定。
3 進む中央集権化と国際社会 奈良時代
中国にならって国づくり。平城京。聖武天皇による、国分寺・国分尼寺建設。奈良の大仏。鑑真来日、唐招提寺。華やかな天平文化。
4 摂関政治と国風文化 平安時代
平城京から、長岡京をへて平安京へ。藤原氏の降盛。 天台宗(最澄・比叡山延暦寺)、真言宗(空海・高野山金剛峯寺)。ひらがな文化、源氏物語。
5 武士の台頭と鎌倉幕府
平氏VS源氏。御恩と奉公。北条氏による執権政治。元の襲来。幕府への不満の高まり。
6 室町幕府と民衆の成長
農業、商業の発達。後醍醐天皇による建武の新政。武士の不満。足利尊氏が後醍醐天皇を裏切り、北朝を。南北朝時代。三代・足利義満による、明との貿易。明との貿易が、人々の暮らしを豊かにする。八代・義政の跡継ぎ問題から、応仁の乱へ。
7.鎌倉・室町文化
新しい仏教の台頭。念仏をとなえる仏教(浄土宗・浄土真宗・時宗など)。坐禅によって悟りを開く仏教(臨済宗・曹洞宗)。
鹿苑寺金閣寺(3代・足利義満@北山)、慈照寺銀閣寺(8代・足利義政@東山)
観阿弥・世阿弥の能。雪舟。
8. 戦国の動乱から天下統一へ
織田信長(桶狭間の戦い:vs今川義元、長篠の戦い:vs武田勝頼)への勝利。明智光秀による信長暗殺。豊臣秀吉が光秀へ仕返し、天下を取る。
9.幕藩体制の確立
関ヶ原の戦い、徳川家康による江戸幕府。2代・徳川秀忠「武家諸法」による厳しい取り締まり。。。260年の歴史。
10.江戸時代の産業と交通
増産政策と新田開発。五街道の整備。関所の設置。海上交通(西廻り航路・東廻り航路)の発達。貿易振興から、鎖国へ。
11. 江戸時代の文化
俵屋宗達らの絵画、近松門左衛門の浄瑠璃。浮世絵。蘭学。
12.幕末の日本
鎖国から開国へ。下級武士らによる尊王攘夷運動。長州藩と薩摩藩の対立から、同盟への大変換。坂本龍馬。尊王攘夷は倒幕運動へ変化。徳川慶喜の大政奉還。
13.近代国家の成立 明治政府
天皇は京都から東京へ。東京が日本の首都に。岩倉使節団によるアメリカ・イギリス、フランス、、、、12か国2年に及ぶ旅。西洋文化の導入。廃藩置県。四民平等。自由民権運動。
14.文明開化 新しい文化
「ザンギリ頭を叩いてみれば、文明開化の音がする。」江戸時代には食べなかった「牛肉」を食べるように。新聞雑誌の創刊。1872年鉄道の開通。教育制度の整備。
15.近代産業の発達
殖産産業から富国強兵へ。官営「富岡製糸場」(世界遺産)。郵便制度。北海道の開拓。「日本銀行」設立と金融制度の整備。足尾鉱毒事件と田中正造。
16.日清日露戦争
日清戦争と下関条約。日露戦争、バルチック艦隊をやぶった司令長官東郷平八郎。大国ロシアを破ったことで、日本は国際的に認められるようになる。韓国併合。初代統監:伊藤博文。
17.第一次世界大戦と国内外の関係
大正デモクラシー。第一次世界大戦。日英同盟。大戦景気と工業発展。戦争で輸出できなくなったヨーロッパの国に代わって、日本の輸出が飛躍的に伸びた。機械、造船などの重工業や、化学・薬品工業が発展。
パリ講和会議。国際連盟の発足。アジア、民族運動、独立運動の高まり。
原敬による本格的な政党内閣。労働者、女性の地位向上をめざした活動。
18.戦争と国民生活 日中戦争・太平洋戦争
1941年12月8日、真珠湾攻撃。昭和初めの日本は、大不況。企業の倒産と農作物の凶作。日本は新しい土地や資源をもとめて中国北東部に「満州国」を建設。日中戦争へ。
太平洋戦争。「大東亜共栄圏」をスローガンに。1942年6月、ミッドウェイ海戦での敗北から、戦局は不利に。1945年3月10日、東京大空襲。8月6日 広島に原子爆弾。8月9日に長崎に原子爆弾。それぞれ、およそ14万人、7万人の命が失われた。
8月15日、天皇が国民に敗戦を伝える。
19.戦後・民主化への道
1945年太平洋戦争に敗れた日本はアメリカを中心とする連合国軍に占領されることに。アメリカのダグラス・マッカーサー元師を最高司令官とする「連合国軍最高司令官総司令部( GHQ)」がおかれる。
財閥解体。日本国憲法の改正。教育改革。
1949年、湯川秀樹が自然科学で日本人初のノーベル賞を受賞。国民に大きな希望。
朝鮮戦争特需で、日本の戦後復興が大きく前進。
1951年、サンフランシスコ平和条約。ようやく日本は、独立した国として認められる。
20.高度経済成長の光と影
1950年代半ばから20年にわたる高度経済成長。集団就職。「三種の神器」(テレビ・洗濯機・冷蔵庫)の普及。ひずみとしての公害・過密過疎。
1972年沖縄の日本復帰。韓国・中国との国交正常化。
1973年オイルショック。
と、ざー--っと、駆け足で。
そしてグローバルな世界へ。21世紀は、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ、2011年3月11日の東日本大震災。。。
そして、今現在もコロナとの戦は続いている。
まぁ、よくぞコンパクトにまとめてある。
ホントに、流れを抑えるだけ!っていう感じで読めるので、全体をざっくり把握するのにいいのかも。
詳しく勉強した後に読むと、色々な点がつながって、アタマの整理になるって感じ。
やっぱり、ティーンズ向けはわかりやすくて入門書としてよい。
面白かった。