旅日記:道東 タンチョウヅルへ会いに行く旅 1日目

道東 タンチョウヅルへ会いに行く旅 1日目

 

2022年の夏、原田マハさんの『さいはての彼女』を読んで、丹頂鶴が見たくなった。

megureca.hatenablog.com

 

その中にあった、「冬空のクレーン」という短編で、一人の女性が、冬の釧路で丹頂鶴を世話する青年に出会って、かたくなになっていた心が溶けていくお話。丹頂鶴なら冬だよなー、と思っていたのを、ふと友人Kに話したところ、「だったら一緒に行きましょう」ということになり、お正月あけの雰囲気の残る釧路へ行ってきた。

 

昨年の12月になってからバタバタと決めた旅で、もう、飛行機の早割りもないし、、、と思っていたのだが、Kが「飛行機とホテル、とっておきます」というのに任せて、えいやっ!と。

札幌に赴任中の別の共通友人が、仕事で丹頂鶴のツアーガイドと一緒に調査してきたということで、事前にいくつか情報をもらった。やっぱり北海道の移動なら「車」だね、ということで、Kが運転するというのでレンタカーにて移動することに。

 

飛行機往復、温泉旅館一泊、ホテル一泊、レンタカー、HIS割がついて、一人56,777円!安い!!!別に、格安ツアーを選ぶつもりではなかったのだけれど、、、安いなら安いにこしたことはない。

 

気合をいれて、朝、羽田7:40発のAIRDOにて一路釧路へ。ANAとの共同運航便だったけれど、結構、ガラガラの飛行機だった。1時間半ほどで釧路へ。機内放送では、「釧路空港周辺の気温は、マイナス12℃です」と。天気予報では比較的温かい日と言っていたのが、マイナス12℃。。。
飛行機を降りたとたんに、冷気がひゅ~~~~~。
もちろん、寒さ対策は、万全にしていたので、マイナス12℃なんて、可愛いもんだ、、、。Kが、「ヒートテックを着込んでも、おしりが寒いですよ」というので、普段、ダウンコートを着ない私は、母から長めのダウンコートを借りて釧路へ飛び立った。うん、寒さ対策は、OKっぽい。

 

空港の到着口をでると目の前にレンタカー会社のデスクが。「予約している、Kです」というと即座に、「こちらにどうぞ」と車に乗せられ、配車場所まで連れて行ってくれた。

私たちを迎えてくれたのは、
レンタカー会社名: オリックスレンタカー
車種: 北海道レギュラーシーズン免込 SAクラス 禁煙 4WD スタッドレス コンパクト
車両名: フィット・ヴィッツ1.3・ノート1.2・トール

「セルフ乗車サービスでよいですか?」と聞かれて、何かと思ったら、手続きと車のキーだけ渡されて、車そのものの説明はなし、ということだった。キーを受け取って、いざ、乗車。
2人で乗るには、十分快適。

 

一日目の夜は、阿寒湖畔にとまることにしていたものの、どこをどう行くか、何も決めていなかった私たち・・・。取り合えず、釧路駅周辺に向かって、お昼ご飯を目指すことに。
いざ出発!
と、ウィンカーを出そうとして、ワイパーがキッコンキッコン、、、と。。。アメリカ帰りのKは、「車はめちゃくちゃ運転していたけど、右ハンドルは久しぶりなんですよねぇ、、」と、御約束のボケをかましてくれた。
その後も、なんどか晴天のなかのワイパー、キッコンキッコンを経験しながら、無事に釧路駅へ。

 

釧路川沿いにある「釧路フィッシャーマンズワーフMOO」の中のパン屋さんで、軽くランチ。釧路川は凍っていて美しかった。お店の人によれば「今年は、ハスゴオリが早くに見られましたよ。」と。
「ハスゴオリ??」、初氷かと思ったら、ハスのように見えるので、ハスゴオリだそうだ。
ハスの葉のように丸を描くように凍るので、ハスゴオリなのだと。晴天と凍った川と、美しい景色だった。

「フィッシャーマンズワーフMOOから、釧路川のハスゴオリ」

釧路駅を後にして、釧路市湿原展望台を経由して、お目当ての丹頂鶴がみられるという鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリをめざすことに。

空は快晴!道には、雪なし!車も、ほとんどいない!

 

釧路市湿原展望台は、展示スペースを持った立派な建物と散策路がある。海も遠くに見えて、「わ~~~きれぃ!」と喜んでいたのだけれど、施設のおじさんによれば、「サテライト展望台にいけば、100倍綺麗だ」と。散策路は、冬場なので半分くらいしか歩けないのだけれど、「サテライト展望台」まで片道20分くらいというので、歩いてみた。木の板で整備された散策路は、雪がところどころにあるくらいで、ずんずん歩ける。ちゃんと雪かきして整備してくれている道。
歩ききった先には、壮大な釧路湿原が見渡せた。
美しい。

 

そして鶴居村をめざす。

めざす、「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」まで、釧路市湿原展望台から17Km。車道は、すっかり雪もなく、快適に安心して走行できる。対向車もほとんどいなくて、快晴の空の下のドライブ。「わ~!きれい!!」「すごい天気!」の連呼。

 

無事に、「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」の駐車場につき、
「これで、鶴見られなかったら、どうしようかね。。。今晩、ここに泊るか?」と言いながら車を降りてモコモコとコートやら帽子やらを着こんでいると、
「クアァー、コッコッ!」と鶴の声!
「え?!」といって、振り向くと、
「いたー--!!!!」
丹頂鶴が、雪で真っ白な景色の中にたくさん!!!

思わず、「いたよー!!!」と、飛び上がって、抱き合ってしまった私たち・・・。

いました、いました。
たくさんいました。
鶴、鶴、鶴!!!

美しい!
真っ白な雪の大地に、鶴!!!!
あぁぁ!!!これだぁ!!!
しかも、快晴の青空。
何でしょう!この美しさは!!!

 

サンクチュアリの小さな建物では、ガイドさんの話しが聞けるというので行ってみると、若い可愛い女性が、色々と説明してくれた。

学んだことを覚え書き。
1.丹頂鶴は、渡り鳥ではない。(冬以外は、北海道の他の地域にいる)
2.冬に釧路に集まるのは、他の地域より雪が少なく、餌がとりやすいから。
3.鶴は、川の水の中で眠る。(水は雪より暖かい。天敵のキツネやミンクに襲われない)
4.丹頂鶴の頭のてっぺんの赤い部分は、羽ではなく「ハゲ」ている。その「ハゲ」の赤い部分は、興奮すると大きく盛り上がる。

 

とまぁ、50代の女二人で、「え~~~!」「え~~~!」と、教えてもらうたびに大興奮だったのだった。なんと、あの頭の赤い部分は、ハゲだったとは、、、、。

また、目にした鶴たちは、どの個体も同じ大きさに見えたので、子どもはいないのか?と聞いてみると、「もう体の大きさはほぼ大人と同じで、首から頭にかけての色がまだ茶色なのが今年の子どもです」と。
よく見ると、確かに、首から上がまだ茶色い子がいる。
なるほどぉぉぉ。

 

ここ、「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」では、9:00と14:00に餌付けを行っている。ちょうど、14:00に間に合うように来ていたので、その様子を見学する。
説明してくれたお姉さんが、「餌の時間なので、いってきます」といって建屋をでていったので、私たちも鶴のいる広場に戻った。

鶴たちは、餌のコーンがまかれても、突進することもなく、みんな、静かに自分の場所に餌をまきに来てくれるのをまっている様子。静かに、ときに、「クワァ!」と鳴き声をあげ、、、美しかった。

立っている姿も美しいが、飛んでいく姿は、本当に美しい。
あぁ、、、来てよかった。。。 

 

1日目は北上して阿寒湖をめざす予定だけれど、14:00を回りお腹が空いたので、ちょっと南下してもう一つの鶴スポット、鶴見台にあるレストランを目指すことに。

 

「丹頂が見える店 どれみふぁ空」まで車で15分程戻り、遅いランチを堪能。手作りっぽいパスタ、美味しかった。そして、なんと、「丹頂が見える店」というだけあって、窓に向かって座っていると、丹頂が、飛んでくるのが見える見える!!
そして、なんと、「シマエナガ」まで目の前の庭の木にやってきたのだ!!!
「シマエナガ」は、日本では北海道にだけ住む、エナガの一種で、真っ白でぷくぷくしていて、めっちゃ可愛いのだ。
なんと、その「シマエナガ」が、たくさん飛んできた!!目の前の木にとまった!!
「きゃぁぁ~~~!!!」の大興奮。
お店の人も、「シマエナガは来ることもあるけれど、珍しいですよぉ」と喜ばせるようなことを言ってくれる。
可愛かったぁ。
写真はうまく取れなかったんだけど、、、。目に焼き付けた。


ほんとに、写真やイラストでみるように、真っ白で、ぷくぷくしていて、大きさは雀くらい。めんこいっしょ。

ランチの後、道路を挟んで道の反対側の鶴見台へ。
いました、いました。
ちゃんと、鶴たちいた!!!
しかも、もう、夜の寝床に帰っていくのか、川の方へ飛んでいく姿が美しい!!!
もう、本当に、感動ものです。
まさに、切り取った絵のように、、、美しかった。

 

 

鶴は、単独では行動せず、常につがいでそろって飛ぶのだそうだ。

 

初日に、「鶴に出会えなかったらどうしよう・・・」の不安は吹っ飛び、大満足。一路、阿寒湖を目指す。暗くなって、道が凍っても怖いので、明るいうちに阿寒湖につけるように、鶴居村を出発。

途中、私は助手席で、外をガン見。
「動物飛び出し注意」の看板があるのだから、きっと、鹿がいるはず・・・。

いた、いた。
道路わきの傾斜に、エゾシカのオスもメスもみることができた。あとは、真っ白は雪の平原をトコトコあるく、茶色い物体。おそらく、狸。
運転中のKも、何度も出没したメスのエゾシカは目にできたようだ。

 

明るいうちに無事に阿寒湖へ。
とまったのは、「あかん遊休の里 鶴雅」。
巨大な旅館だったけれど、結構多くの人でにぎわっていた。
夜は、巨大なスペースでのバイキング。和食、中華、洋食、アジアン、、、家族連れでにぎわっていた。私たちは、混雑すると言われた時間をさけて、やや遅めにゆっくり食事を楽しんだ。
食事の時間を遅めにしたので、18:00頃にいったお風呂は、すいていて、露天風呂も、岩盤浴もゆっくり楽しめた。
屋上展望露天風呂は、まさに、満点の星空と、満月を2日後にひかえた大きなお月様。
これが、絶景露天風呂でなくて、なんだろう、というくらいの絶景。巨大なお風呂だし。

目黒雅叙園のように巨大な施設だったけれど、それはそれで楽しい。
食事のスペースも、広々としていてのんびりできる。年末年始の休暇中は、アルコールとカフェイン断ちをしてみているというKをさしおいて、私は、釧路の「福司」1合を楽しみ、「イトウ」「わかさぎ」の天ぷらも楽しみ、満足。

部屋に戻ると、二人して、すぐに爆睡・・・。
あぁ、、、1日の出来事とは思えないほど、濃い一日だった。。。。

 

釧路湿原、丹頂鶴、シマエナガエゾシカ、タヌキ、、、温泉、食事。
明日は、マリモを目指す・・・。

 

続きはまた・・・。