『くつがいく』  by 和歌山静子

『くつがいく』
和歌山静子
株式会社童心社
2013年3月20日 第1刷発行
日本・中国・韓国の絵本作家が手をつなぎ子供たちにおくる平和絵本シリーズ
 童心社(日本)、訳林出版社(中国)、四季節出版社(韓国)による共同出版

 

世界をひらく60冊の絵本』(中川素子、平凡社新書)の 「第八章  戦争を見つめ、平和を祈る」からの紹介本。図書館で借りて読んでみた。

 

著者の和歌山静子さんは、1940年、京都府生まれ。 日本児童出版美術家連盟会員。 日中児童文学美術交流センター 代表。 絵本・さし絵・ 紙芝居などに広く活躍中。

 

戦争のおはなし。
読み終わっても、ことばがでない。
こどもがよんだら、どう感じるのだろう。

 

ふとい線で描かれた、文字と絵。
中表紙をめくると、
「ざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっ」
大きさと濃淡をおりまぜて、足音が聞こえてきそうな景色を文字のみで描き出している。

 

さらにめくると、
見開き全部に、さらにおおきな文字で、、、、
「ざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっざっ」
ちょっと、怖い。

 

”ぼくたち くつは どこへいく
ざっざっざっ
ぼくたち くつは せんそうに いく
ざっぷ ざっぷ ざっぷ
うみをわたって となりの くにへ”

 

文字と「靴の絵」だけがつづく。

 

”となりの くにの ひとたちを ふみにじり いためつけた”
このページにだけ、人の全体像が描かれている。ひっくり返ったチマチョゴリを着た女性。中国人らしき男性。

 

”ざっく ざっく ざっく つぎの せんじょうへ”
ふたたび、靴のアップの絵。

おいつめられ、南へ向かい、
くつをはいていた兵隊たちは、食べるものもなく、水さえ飲めずに死んでいく。
たくさんの命がうばわれた。

 

そして、
”ぼくたちは とうとう ボロボロになった
ぼくたちに めいれいした くにも ボロボロになった
かえることの なかった たくさんの くつたち”


最後のページは、帽子をかぶって笑顔の小さな女の子の絵。


”わたしは わたしのみらいを いきていく
わたしの みらいに せんそうは いらない”

 

ちょうど、8月15日の終戦記念日はすぎてしまったけれど、、、、ど~~んと重い一冊だった。
過ちを、わすれてはいけない。


ちなみに、韓国の光復節は日本と同じ8月15日だけれど、中国は戦勝を祝った9月3日を終戦としている。

歴史の記憶も、それぞれ。。。。 

 

こわい。

くつは、、、戦いに行きたくなかったんだろうな・・・・。

兵隊さんも、行きたくなかったんだろうな・・・。

 

悲しい歴史。

わすれてはいけない。

 

最近になって、私が生まれた年、1968年なんて、まだまだ戦後と言っていいくらいの時代だったのだな、、、とよく思う。1945年に生まれた子供が、23歳になる年。日本という国が上り調子で成長していた時代。エズラ・ヴォ―ゲルが『Japan as No.1』を書いたのが、1979年。アメリカに「日本が一番だ」と言わせしめる時代の中で、私は育ったのだ。

 

人の運命は、生まれた時代で大きく左右される。

生まれた国で、大きく左右される。

 

戦争のない時代に生まれた幸運を、私たちの世代は「あたりまえのこと」とおもってしまうけれど、先人たちの犠牲、努力、挑戦、、、、あらゆる歴史の上にある今、、、ということを忘れてはいけない。

 

絵本で学ぶっていうのも、大事。

でも、、やっぱり、、、きついなぁ。。。。

 

戦争なんて言う言葉が、死語になればいいのに・・・・。