『スモンスモン』  by ソーニャ・ダノウスキ

スモンスモン
ソーニャ・ダノウスキ 文・絵
新本史斉 訳
岩波書店
2019年10月25日 第一刷発行

 

『世界をひらく60冊の絵本』(中川素子、平凡社新書)の 「第10章  自然の豊かさを味わう」からの紹介本。図書館で借りて読んでみた。

 

なんだか、可愛い表紙の人間は、人形??

表紙とつながる裏の絵には、キノコに紐がぐるぐる・・・。

 

表紙をめくると、

”スモンスモンは ゴンゴンせいに すんでいます。
あるあさ、スモンスモンは トントンにのって
ロンロンをもぎに でかけました。
ところが、とちゅうでゾンゾンにおちてしまい・・・・・

出会い、助けあい、分かちあう
スモンスモンの大冒険。”

とある。

なんと、スモンスモンは、ゴンゴン星人だった!

 

文・絵のソーニャ・ダノウスキは、1978年ドイツのイーザーローン生まれ。ニュルンベルクでデザインを勉強したのち、ベルリンでイラストレーター、絵本作家として活躍。鉛筆とインク、水彩絵の具による絵は高い評価を受け、ナミ国際絵本イラストレーション・コンクールのゴールデンアイランド賞、バチュルダー賞オナーブックなど、受賞歴多数。

 

訳の新本さんは、1964年広島生まれ。津田塾大学教授。専門はドイツ語圏の近・現代文学

 

物語は、スモンスモンに始まるオノマトペのようなモノたちの名前。みんな、最後に「ン」が付く。

 

”スモンスモンんは、のこりひとつになった ロンロンを オンオンのとなりに
ヨンヨンでつるすと、トントンでかわをくだっていきました。”

 

トントンとは、タイヤのような乗り物。表紙で、スモンスモンの体がすっぽり入っている奴。

 

”おおきな ポンポンの そばでは、 ヨンヨンが のび、ロンロンがみのっています。”

 

なぞの植物?ヨンヨン。表紙の紐のようなモノは、ヨンヨンらしい。

 

”とちゅうで ストンストンをはこぶ クロンクロンたちに であいました。”

 

あぶない!

スモンスモンは、ゾンゾンに落ちてしまう。 

ゾンゾンは、谷みたいなところ。

ロンロンがころんころん・・・・。

スモンスモンは、クロンクロンにヨンヨンを引っぱって、引き上げてもらう。ロンロンも無事に引き上げられる。

助けてもらったので、スモンスモンは、ロンロンをぜんぶ クロンクロンにあげました。

疲れたスモンスモンは、ポンポン(キノコみたいなもの)のうえですやすや。。。

ポンポンは、みるみるうちに せがのびて
ずんずん ずんずん たかくなっていきます。

あさになり フロンフロンたちがとんできました。

 

フロンフロンがヨンヨンをつかんで、スモンスモンを高いくなったポンポンのうえから無事におろしてくれました。

スモンスモンはおれいに、ヨンヨンでゆわえたトントンを フロンフロンにあげました。

 

スモンスモンは、向こう岸にあるロンロンをとりに水の中を進みます。
スモンスモンの首は長く伸びて、深くなっても顔は、沈まない。

向こう岸で、ロンロンを抱えるほどとって、オンオンをめざして帰っていきました。

そこでは、もうひとりのスモンスモンがスモンスモンをまっていました。
あえて大喜び。

スモンスモンたちは、オンオンに潜り込み、ロンロンに囲まれてぐっすりねむりました。

THE END


なぞのゴンゴン星人、スモンスモンの物語でした・・・・。

 

スモンスモンとクロンクロンが生き物。ほかは、ものの名前。

どれがどれだが、わからなくなる・・・。

でも、なんともリズムがいい。

不思議な生きもの、植物、なぞのゴンゴン星。子供にとっては、夢いっぱいの世界かもしれない。

 

絵が、割とシュール。なんか、ロシアっぽいな、と思ったけれど、ドイツ人だった。

かわいいんだか、不気味なんだかわからないスモンスモンだけど、ちょっと、愉快で楽しい絵本。

 

スモンスモン、ちいさなクロンクロンたちに助けてもらって、よかったね。

 

ほんわか、絵本でした。