『キーウの月』  by ジャンニ・ロダーリ、 ベアトリーチェ・ アレマーニャ

キーウの月
ジャンニ・ロダーリ 作
ベアトリーチェ・ アレマーニャ 絵 
内田洋子 訳
講談社 の翻訳絵本
2022年8月2日 第1刷発行


世界をひらく60冊の絵本』(中川素子、平凡社新書)の 「第8章  戦争を見つめ、 平和を祈る」からの紹介本。図書館で借りて読んでみた。


『世界をひらく60冊の絵本』の紹介文には、
ロシアのウクライナへの侵攻開始は2022年2月24日。 15×20cm の小さなこの絵本は2022年4月にイタリアの出版社 Edizioni ELから出版された。侵攻開始のわずか2ヶ月で出版されたことになり、出版を担う人たちの素早い反応と意気込みには感心する。 日本では同年8月2日の出版であるから、侵攻の約2か5ヶ月後の翻訳出版ということで、原書より3~4ヶ月遅いが それでも早い。 帯にはウクライナ 救援のための緊急出版」とある。” って。

 

キーウ。その発音のしかたが、ロシアの侵攻がニュースになってから、「キエフ」から「キーウ」に変わった。NHKのニュースでは、キエフはロシア語由来の発音だったから、といっていた。

そのキーウという地名が入っている絵本。

 

作者のジャンニは、1920年、イタリア生れのジャーナリスト。1950年頃から児童向けの作品を刊行しはじめた。ジャンニは、1980年に亡くなっている。ゆえに、本作の文章は、今回の侵攻をうけて書かれたのではない。

 

絵のベアトリーチェは、1973年、イタリア生まれ。 出版 グラフィックを学んだ後、パリへ移住。 フランスでイラストレーターとして仕事を始め 世界各国に活動を広げ 現在に至る。

本作は、ジャンニの詩に、 ベアトリーチェが絵をつけた作品。

 

色画用紙に、パステルで描いたような、可愛らしい絵。
中表紙では、女の子がお月様のようなまんまるの球体を、にっこり微笑んで抱えている。やさしい。

 

ほんの数ページの絵本。

 

詩に、イラストをつけた、シンプルな絵本。でも、今のウクライナを思うと、心にしみる。

 

”キーウの月
キーウの月は
ローマの月のように
きれいなのかな
ローマと同じ月なのかな
それとも 妹なのかな・・・
「 わたしはいつもわたしです!」
月はきっぱりといいます。
「あなたが 夜寝る時にかぶる ベレー帽ではないのです!」
空を旅しながら
みんなに光をとどけます。
インドからペルーへ
テヴィレ川から死海へも
わたしの光は
パスポートなしで旅をします”

 

この詩に、絵が付いている。

月は、パスポートなしに旅をする。
月には、国境なんて関係ない。

 

国境なんて作ったのは、人間だ。

ないと、、、困るかもしれない。

でも、、、国境なんてものがなかったら、戦争なんてなかったのかな。

いや、街どうしでケンカしているかもね。

 

地球人が手と手を取り合うには、地球外生命体が攻めてくる危機でもないとだめなのかな。

 

月は、変わらずに、いつもそこにいる。

日本で見る月も、ウクライナで見る月も、イタリアで見る月も、同じ。

世界を形作る一つに過ぎない。。。

この大きな宇宙なのか、この小さな宇宙なのか。

 

宇宙人から見たら、なんか地球でちっちぇぇやつらがけんかしてるぜ、、、って見えているかもね。

各地でおこる自然災害。それは、おいおい、そんな喧嘩している場合じゃないぜ、って教えてくれているのかもしれない。。。

 

メッセージは常に送られている。

問題は、受け手がそれに気がつくかどうか。

 

たちどまって、耳をすまして、よく、観察してみよう。

なにが大事なことなのか。

そういう時間を失ってしまったのかな、忙しい現代人は。

 

立ち止まって考えることが、一番大事な時もある。

前に進むためには、時には、立ち止まってもいい。

と、思う。