プラスチックのうみ
ミシェル・ロード 作
ジュリア・ブラットマン 絵
川上拓土 訳
磯辺篤彦 監修
小学館
2020年6月10日 初版 第1刷発行
The Mess That We Made
『世界をひらく60冊の絵本』(中川素子、平凡社新書)の 「第12章 人間の作り出した世界」からの紹介本。図書館で借りて読んでみた。
表紙には、子どもたちの乗った船の周りをアザラシや ウミガメに交じって、プラスチックがぐるぐる回っている絵。
読まずとも、伝えたいことは何かが伝わってくるような、ハードな印象。
表紙を開くと、
”4にんの こどもたちと いっしょに、
いま うみで なにが おこっているのか みにいきましょう”
とある。
作の ミシェル・ロードは、 テキサス州 ニューブラウンフェルズ 在住。パターソンズ賞を受賞した児童書作家。
絵の ジュリア・ ブラッドトマンは、 カリフォルニア州ロサンゼルス在住。 パラマウント アニメーション、 ディズニードリームワークス TV でビジュアル開発を担当。
訳の川上拓土は、2008年生まれ、 生後6ヶ月より教材を用いた 家庭学習で英語を学び 小学2年生の頃から地元で英語による観光ボランティアガイド を始める。本作の翻訳は小学5年生のとき。
監修の磯部さんは、 九州大学応用力学研究所教授。 長年、 海洋プラスチックゴミの研究を続け、環境省の漂着ゴミ研究プロジェクトの代表を務める。
絵本と言いつつ、これを理解できるのは小学生以上かな・・・。
海に流れ、浮かぶごみを食べた魚、アザラシの食物連鎖。からみつく網。ウミガメにひっかかるプラスチック。
海を描いているので、美しい青のページなのだが、そこにカラフルなプラスチックのごみが浮かぶ。。。プラスチックは、なくならない。分解されない・・・。
知ってはいたけれど、本作では物語の後に、具体的にゴミがたまっている海が紹介されている。
海の巨大なごみのかたまりはプラスチック。
大量のマイクロプラスチック。
漂う漁業用の網。
太平洋の巨大ゴミベルト。
海の生き物の中から発見されるプラスチック。
世界中から毎年800万トンものプラスチックがごみとして海に流れ込んでいる。この状況が2050年まで続くと、海に漂うプラスチックの重さは、海の住む魚の重さよりも重くなる、と言われているそうだ。
半永久的に存在するプラスチック。
自然に分解するのにかる時間は、
ウールソックス 1~5年
電池 100年
使い捨ておむつ 400年
プラスチックボトル 450年
歯ブラシ 500年
釣り糸 600年
プラスチック袋 最大1000年
わかっていたつもりだけれど、数字で示されると、、、ぎょっとする。
「私たちにできること」が最後のページに紹介されている。
・ 買い物には エコバッグを持っていく。
・ 飲み物は水筒や マイカップで。
・ 使い捨てのプラスチック製品を使わない。
・ ゴミは ポイ捨てせず、 分別して捨てる。
・ 捨てる前に、 他に使えないか 工夫する。
・ 身近な地域のゴミ拾い 活動に参加する。
・ 住んでいる地域のゴミ処理について学ぶ。
しらないでは済まされない。
私の住む自治体は、プラスチックの分別回収をしている。だからといって、再生されているわけではない。燃やすときにダイオキシンが出ないように、可燃物と混ぜる比率をかえているだけだ、と以前聞いたことがある。
ごみの埋め立てって、、、、。
あえてプラスチック製品を買うつもりがなくても、コンビニ弁当にかぎらず、スーパーのお肉、お魚、野菜、、なんでもかんでもプラスチックトレーにのって売られている。
分別はするけれど、、、、心痛むなぁ・・・。
マイボトルは持ち歩くけど、やっぱりペットボトルの飲料だって買ってしまう。エコバックだって持ち歩くけど、スーパーの袋だって買ってしまう。だって、そもそもごみをだすのに袋が必要だし・・・。
けど、ちょっと、考えちゃうなぁ。。。。
魚より、ごみが多い海なんて・・・・。
かなり啓発色の濃い絵本でした。
ちょっと、、、どよ~~ん。