クジラがしんだら
江口絵理 文
かわさきしゅんいち 絵
藤原義弘 (海洋研究開発機構)監修
童心社
2024年9月1日 第1刷発行
何かの広告でみかけて、気になった。昨年の絵本。図書館で借りて読んでみた。
著者の江口さんは、児童書作家で、動物の本が多い。絵のかわさきさんは、生物画家、イラストレーター。
そんな二人のコラボで、 国立研究開発法人海洋研究開発機構 (JAMSTEC)の上席研究員、藤原さんが監修。JAMSTECといえば、『微生物ハンター、深海を行く』の高井研さんのお勤め先。
表紙には、どうやら死んでしまったらしい傷だらけのクジラと、深海生物のようないきものたち。水彩かアクリルか?
表紙をひらくと、クジラが海の底に沈んでいくかのような、コバルトブルーと白で描かれた静寂な世界の動的表現。このひとの絵も好きだ。
そして、
”ある日、年老いたクジラが すぅっと海に 沈んでいきました
クジラの いのちの終わりから 新たな 物語が はじまります。”と。
正方形に近い四角い絵本に、画面いっぱい、深海の様子が描かれる。
感想。
これは、すごい絵本だ!楽しくて、勉強になる。
深海にしずんだクジラのからだを、様々な生き物が栄養として食い尽くしていく。
ユメザメの鋭い歯が、クジラのあつい皮膚にもがぶり。
サメが大きな穴をあけてくれたから、コンゴウアナゴが群がる。
肉のにおいにひきつけられて、
タカアシガニ、ウニ、ダイオウグソクムシ。
肉はすっかりたべつくされて、骨しかのこっていません。
でも、その骨にも、ホネクイハナムシが住みついて、骨をたべる。
ホネクイハナムシは、ポロポロと卵を産み落とす。
そして、ホネクイハナムシのあかちゃんたちは、海をただよい、またどこかのクジラの骨の上に舞い降りる。
海のなかの食物連鎖のお話。
最後に、お話にでてきた生き物たちの図鑑がついている。
ホネクイハナムシは、「骨」を「食う」虫で、真っ赤なエラが花のように見えることから「ホネクイハナムシ」と呼ばれる。ミミズや釣り餌としてよく使われるゴカイの仲間。
タカアシガニって、西伊豆で食べたことがある気がする。巨大なカニ。
お話の中には出てこないけれど、絵として本にでてくる他の生き物も紹介されている。海の底を描いた絵を、じっくり見てみるのも楽しい。
さりげなく、しんかい6500も、描かれていたりして。深海6500は、日本の海洋研究開発機構(JAMSTEC)が運用する有人潜水調査船。『微生物ハンター、深海を行く』の高井さんもそれで潜っていた!
ついでに言うと、2024年11月に、母と姉と、新江ノ島水族館(えのすい)に行ったときに、その説明も見てきた。コックピットの様子も展示してあって、魚よりこっちの方が私には楽しいくらいだった・・・。


余談だが、「えのすい」にいったのは、「ダンゴウオ」が見たかったから。たしかに、ダンゴウオの仲間はいたんだけど、、、

この絵本のようなキュートさはなかったんだよね・・・。5~6cmくらいの大きさで、膨らんだフグみたいで、、、めんこいけど、キュートな感じではなかった・・・。
くじらの遺体が、浜に打ち上げられることなんてそうそうあることではない。つまり、死んだクジラはみんな、こうして海の中で他の生き物に食べられて、次の命につながっているってことなんだ。
頭で考えれば当たり前のことだけど、こうして絵本で学ぶと、ちょっとすごいことを学んだような気がする。
絵も可愛いので、子供にも大人にも、お薦め。
絵本は楽しい!
