『わかりますとも! 申』 by 五味太郎

わかりますとも! 申
五味太郎
クレヨンハウス
2008年4月 第1刷

 

図書館で、「新年だから!」という絵本コーナーにおいてあった本。五味さんの絵が目に飛び込んできた。しかも、「サル年」。

 

表紙には、
五味太郎の「干支(エト)セトラ絵本」⑫
サル年のひとの絵本
サル年のあなたに! サル年のあの人に!”と書いてある。

 

かつ、裏表紙には、 五味さんのサインがあって
” さるのことが気になる人は その人がさるだからです。
さるの ことがぜんぜん気にならない人は、その人がはじめっからさるだからです。
で、人のことが気になるさるは、 どうやらそのさるが人だからで
人のことなど 少しも気にならないさるは、もうぜんぜん人なのです。
つまり、さると人はもう運命的にこのように同一的相対性をもっており、
さるがどうの、人がこうのなどと言っているばあいではないのであります。” と。

 

私は、サル年なのだ。これは!読まねば!ということで、借りて読んでみた。
表紙は、さるのしっぽがついた、男の子??

 

そして、表紙裏の袖には、
サル年生まれのひとは、
かしこく機転がきき、 なんでも器用にこなせるタイプ ・・・!?
あなたの干支が、あなたにしあわせを。”とある。

 

サル年生まれは、機転がきくなんていわれたら、嬉しいじゃない!

 

が、、、読んでみると、ぷぷぷぷと、笑うしかない。
自分のことを言われているような気すらしてくる。。。

 

五味さんの愛嬌たっぷりのサルの少年と自然と生き物たちの絵が、シンプルな文字と一緒に踊っている。楽しすぎる!やっぱり、好きだ、五味さんの絵本。

 

お話は、、、

”ざんねんながら さるのやること・・・・
よくわかりません

ざんねんながら さるのかんがえ・・・・
ぜんぜん わかりません

さるがつくるもの・・・
さっぱりわかりません

そして さるのどりょく・・・・
これも やっぱり わかりません

さるのおはなし これまた ちっとも 
わかりません

つまり さるのことなど だれにも 
わかりません。   
いやいや・・・・

さるのはやること よーく わかりますよ
わかりますとも!

だれかさんが いってます。
いってますとも!”

おしまい。

 

って、ここに添えられている絵が、おもしろいのだ。

木から木へとびうつっているさるは、その先でつかんだのは枝のようにくねくねしたヘビ。
岩の上で瞑想するかのように考えているサル。
竹馬なのか、物干しざおなのかよくわからない何本もの棒でつくった芸術作品。
地面に一生懸命掘ったおおきな穴は、水が湧き出て、掘っていたサルがおぼれている。
ワニ、トリ、カバ、ネズミ、イノシシ、ヘビ、、、生き物たちをまえに、演説をぶってるサル。

そして、最後は、ちゃぶ台の上に並ぶ、サイコロ、ロウソク、計算機、干支、古文、トランプ、、、、と、ノートを広げて勉強中のサルの少年。

ページの片隅には、父ちゃん、母ちゃん、赤ちゃんは、サルをひとりにしてお出かけ。

 

そう、一人で勝手に考えて、一人で勝手に行動して、一人で勝手にたのしめるのがサルかもしれない。

なんとなく、自分の姿と重ねてしまった。。

 

一人でいるように見えて、ちゃんと理解してくれている人がいる。

そうそう、「わかってますとも!」と言ってくれる人がいる。

「朋遠方よりきたる、また楽しからずや」(論語)な、気分。

 

楽しい絵本。
ぜひ、自分の干支、あの人の干支、さる年の知り合いがいたら、ページをめくってみてほしい。

 

これは、ほかの干支もよんでみなきゃ・・・