はじまりのはな
マイケル・J・ローゼン 文
ソーニャ・ダノウスキ 絵
蜂飼耳 訳
株式会社くもん出版
2014年9月26日 初版第1刷発行
THE FOREVER FLOWERS(2014)
美しい絵本だ、という話をきいて、図書館で借りてみた。
大判の絵本。表紙に描かれた鳥の羽根も美しい。
表紙をめくると、円の中に描かれたお花がリズムよく並んでいる。そして、
”わたりどりのローザは
じぶんのほっぺたとおなじいろをした〈ほっぺのはな〉が、だいすき。
あきに なり たびだつときが きても
〈ほっぺのはな〉のたねを てばなさない。
わたりのとちゅう かわに おち
なかまと はぐれた ローザは
いぬのミールと かいぬしのアンナに たすけられた。
みないっしょに ふゆをすごし
はるを まつ、、、、
季節とともに めくりくる
出会いと 別れの物語”
と。
文のマイケル・J・ローゼンは、 1954年 米国 オハイオ州生まれ。 児童書を含む多数の著書があるほか、大人向けのアンソロジー の編者としても知られる。
絵のソーニャ・ダノウスキは、 ドイツ連邦 イーザーローン生まれ。 ベルリン在住。 活躍を期待される若手イラストレーター、アーティスト。
絵を見た時に、とても細かくて繊細で、なんだかドイツっぽいなぁと思ったら、なんと、ドイツ生まれの人だった。とても美しい。鳥の様子も、人の髪の毛、犬の毛並み、全てが一つ一つの絵画を見ているようなページ。これは、、、美しい絵本だ。
お話は、ちょっと切ない。
渡り鳥のローザは、みんなと一緒に渡りに出る前に、大好きな「ほっぺのはな」の種をバッグに入れて首から下げていたので、うまく飛べずに川に落ちてしまう。それを見ていた犬が川に飛び込んで、ローザを助けてくれる。
「大丈夫? ぼくの なまえは ミール」
「ありがとう。 わたしは ローザ」
ミールは、ローザを自分の家に連れて帰る。ミールの飼い主のアンナは、つかれきってねむる灰色の鳥を見つめる。
ローザは目覚めると、バッグを無くしてしまったことに気が付く。
「わたしのバッグはどこ?」
ミールは家を飛び出すと、ローザのバッグを見つけて戻ってくる。アンナがバッグをあけてみると、種はちゃんとはいっていた。
種は、植木鉢にまかれ、まもなく芽をだした。
時は過ぎて、冬がきた。
ローザは、植木鉢の葉っぱを数える。葉っぱが増えると、遠くへいってしまった仲間たちが戻ってきて、また逢えるかもしれない・・・。
見開きいっぱいに、窓からの冬景色と、家の中で暖かそうに寝転ぶアンナとミール。そして、たくさんの鉢植えとローザ。こころ温まるひと時、、、って感じ。
そして、、
あるひ ふゆが きえた。
さむさのなかに はるの あたたかさが たしかに 感じられる。
冬の間も楽しいことがいくつ続いた。
ローザの「ほっぺのはな」はそだって、花が咲いた。
ローザのほっぺと同じ色をしたほっぺのはな。
花を咲かせた鉢植えは、家の外にだされる。
そして、それをみつけたものがいた。
ローザの仲間の鳥だ。
「ローザ!ローザ!ここにいたんだね」
ローザは、自分を助けてくれたミールとアンナをみんなに紹介する。
そして、みんなも一緒に暮らそうというローザ。
でも、仲間は、
「・・・それはできない。すぐにでも 出発しないと。
だって、ふるさとでは春が僕たちをまっているんだから。
一緒に行こう。きみは渡り鳥なんだよ」
ここにとどまるべきか。
みんなと一緒にいくべきか・・・・。
あさがくる。
光に照らされて、とりたちは飛び立つ。
ミールとアンナは、見送った。
ローザは、くるりと円を描くように飛んで さよなら の合図をおくった。
遠くにいても 友達よ。いつまでも友だちよ。
さよなら、またね。
さよなら きっとまた あおう。
THE END
あぁ、、、セツナイ。。。。
そして、何とも言えない美しい読後感。
贅沢な絵本だなぁ、、、って感じ。
描かれたページを額に入れて飾りたくなるくらい、美しい、と感じた。
なるほど、こういう絵本か。。。
お話も美しいけど、本として素敵。
ほっぺのはな、咲かせてみたいな。
ただ、美しいな、って感じればいい。
絵本は素敵だ。
