『さかなはさかな』 by レオ=レオニ

さかなはさかな  かえるのまねしたさかなのはなし

レオ=レオニ/作
谷川俊太郎/訳

好学社

1975年

 

レオ=レオニの絵本を、もっと読んでみたいと思った。

megureca.hatenablog.com

図書館で借りて読んでみた。訳は、いつもの谷川俊太郎さん。

 

カラフルで、楽しい表紙の絵。さかなは、羽のはえたさかなのすがたを想像している。

 

さかながカエルの真似をして陸に上がって、干からびそうになってカエルに助けられ、水に戻って、自分が生きる世界の美しさを再認識するってお話。想像した世界を冒険してみたから、自分のいるべき場所の良さがわかった、ってな感じ。

 

お話は、こんな感じ。

 

森の終わるところに 池があった。
そこに、一匹のおたまじゃくしとこざかなが、水草の間を泳いでいた。
二匹は、とても仲良しだった。

ある朝、おたまじゃくしに 2本の小さな足が生えた。
おたまじゃくしは、
「見ろよ、 僕 かえるになった!」と自慢した。

「昨夜は、僕みたいな小魚だったのに もう かえるだなんて!」

二匹は、散々言い合った。
しまいに、おたまじゃくしは いった。
「かえるは かえる。 さかなは さかな。 そういう ことさ!」

 

そして、おたまじゃくしは、かえるになると池を去って、岸に這い上がっていった。

小魚も大きくなって、立派な魚になった。


4本足になった友達は、どこへいったんだろう、、、と思っていた。

ある日、楽しそうな 飛沫が 水草を揺らし、かえるが池に飛び込んできた。

「どこに いっていたの?」
「世の中を みてたんだ あっちこっち 飛び回って」

かえるは、みてきたものの話をした。
つばさと二本足を持つ鳥。
足が4本で、ツノがあって、ピンクのミルクの袋を持った雌牛。
男や女や子供たち、人間。
かえるはお話をすると行ってしまった。

 

さかなは、かえるの話を聞いて、色々と想像した。
二本足で翼の生えたさかな。
足が4本あるさかな。
おしゃれをしているさかな。

そして、自分も世界を見てみたくなった。
さかなは、意を決して、陸にジャンプ!

 

ところが、そこは、乾いて 暖かい 草の上。
さかなは、息も動くこともできず、喘いだ。
「助けて」彼は弱々しくうめいた。

運よく 近くで蝶々を捕まえようとしていたかえるがそれを見つけ、
やっとのことで、池へ押し戻した。

気を失っていたさかなは、力無く、水に浮かんだ。
次の瞬間、さかなは大きく息を吸い込み、エラの間に水が走るに任せた。
やっと体が軽くなり、動くことができた。

陽の光が水草の中に差し込み、耀く色の模様を優しく揺らした。
この世界こそ、確かに どんな世界よりも美しい世界だった。

彼は、睡蓮の葉っぱに座っている友達のかえるに微笑みかけた。
「君の言ったとおりだよ。 さかなは さかなさ。」

おしまい。

 

かわい〜〜〜〜〜〜い。
この絵がいいんだな。
目の大きなさかな。かえる。
どっちも、可愛い。

かえるの話を聞いて、想像を膨らまし、陸への冒険にでたさかなだったけれど、さかなはさかなだった。陸では生きられなかった。

そして、水の中の世界の美しさに気がつく。

幸せは、ここにある。

さかなは、水に戻って、その美しい世界で息を吹き返す。

 

あこがれの世界に行ってみたけれど、そこは自分の世界ではなかった。だったら戻ればいい、自分の元の世界に。

冒険してみないとわからない。

今、ここ、こそが、自分にふさわしい場所であるかどうか。

 

気になって、想像して、あこがれているだけなら世界は変わらない。

飛び出してみたから気づけることがある。

海外赴任、転職、なんでもそうだ。

元の場所に戻ったからと言って、元の自分と同じではない。一つ新しいことを経験した自分になっている。

 

カラフルな世界が、夢を広げてくれる。

そんな素敵な絵本。

いいなぁ。

 


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