10倍速で「未来の自分」になる方法
ベンジャミン・ハーディ博士
松丸さとみ 訳
めるくまーる
2024年10月29日 初版第1刷発行
マインド・マップを使って本の紹介をしているYouTube動画で紹介されていた本。動画は18分、全部は見ていないのだけれど、ちょっと面白そうだったので、図書館で借りて読んでみた。
著者のベンジャミン・ハーティは、 組織心理学者であり、著作家。「 未来の自分」の 科学的知識の活用において世界的権威でもある。
しかし、自分の著書に「博士」ってつけるって、いかがなものか・・・・。
出版社のHPには、日本におけるマインド・マップ紹介の権威、経営コンサルタント・教育アントレプレナー 神田昌典さんの言葉が乗っていた。
”「未来の自分」が変われば現実は変わる。未来の自分との対話が、「現実を変えるカギ」だった。心理学の最新研究に基づき、新しい自己理解を形作っていく本書の革新的アプローチは、私たちの想像を超えた可能性を引き寄せる。”
表紙をめくると、
” 本書は非常に実践的な本になっており、読者の皆さんは 次のことを学ぶことになる:
・「未来の自分」の科学
・ なりたい「未来の自分」とつながり、それを実現する方法
・ ミスタービーストが本能的にしたように、今想像する「未来の自分」を大きく凌駕する方法。”
とある。
ミスタービーストは、YouTuber。本書の中で動画の内容が紹介されているが、、、私にはまったく魅力的ではないけれど、登録者は4000万人をこえているらしい。。。
目次
はじめに
心理学の180度転換
PART 1 「未来の自分」への7つの脅威
脅威その1 未来に希望がなければ現在は意味を失う
脅威その2 辛かった過去ばかり語っていると未来を妨げる
脅威その3 自分の環境に無自覚だと一貫した進化ができない
脅威その4 「未来の自分」とつながっていないと近視眼的な決定をしてしまう
脅威その5 目先の闘いと小さな目標で前に進めない
脅威その6 闘いの場にいなければ負けは確実だ
脅威その7 成功は失敗のカタリスト(誘因)
7つの脅威 まとめ 「未来の自分」の脅威
PART 2 「未来の自分」に関する7つの真実
真実その1 「未来の自分」が現在を決める
真実その2 「未来の自分」はあなたの予想を上回る
真実その3 「未来の自分」は現在の自分のツケを払うことになる
真実その4 「未来の自分」が明確で詳細なほど早く進歩する
真実その5 「未来の自分」の失敗の方が「今の自分」の成功よりも重要
真実その6 成功は「真実の自分」に誠実であることでもたらされる
真実その7 世界観が「未来の自分」に大きな影響を与える
7つの真実 まとめ 「未来の自分」の真実
PART 3 「未来の自分」を実現するための7つのステップ
ステップその1 現状に即した目的を決めよう
ステップその2 重要度の低い目標は排除しよう
ステップその3 「必要」から「欲求」、さらに「確信」へと高めよう
ステップその4 欲しいものははっきりお願いしよう
ステップその5 「未来の自分」を自動化・体「未来」から逆算する生き方系化しよう
ステップその6 「未来の自分」のスケジュールを決めよう
ステップその7 不完全な作業は積極的に完成させよう
7つのステップ まとめ 「未来の自分」のステップ
今すぐ「未来の自分」になろう まとめ
感想。
なんと見事なキャリアポルノ。
想像どおりで、わらっちゃう。
目次を見るだけで、十分かも・・・・。
途中で、読むのをやめようかと思ったけれど、本としては別に悪くはないのだと思って、さーっと通読してみた。単に、今の私には、キャリアポルノにしか思えないだけだ。実際、活字の大きさ、余白の多さは、、、、笑えるほど。
マニュアル本、ハウツー本の一つといっていい。「未来の自分」を具体的に描くほど、目標にちかづける、って話。
著者は、「そういう本はこれまでにない」って書いているのだけど、イヤっていうほどあるだろう・・・・と思う。『「未来」から逆算する生き方』や、マインドセットに関する本とか、ほとんどすべて、「未来の自分を明確に描け」という本だ。
そして、それは、言われないと気が付かない人がたくさんいるってことだろう。加えて、年齢的なものもあると思う。10代、20代は、未来の自分を描くのは容易だ。容易というか、色々と夢を持つこともできる。30年間のサラリーマンをしてきた私としては、「中年の危機」の世代が、最も「未来の自分を描く」のが難しくなるし、今目の前のことで一生懸命になってしまいがちのように思う。
本書の中には、一般的な心理学や行動経済学で取り上げられる本、言葉もたくさん出てくる。ここに出てくる本を読んだことが無ければ、それらの紹介本ということでも、若い人、中年の危機の人にはおすすめかもしれない。
「未来の自分への希望」の文脈で、必ず言及されるのは、 ヴィクトール・フランクルだろう。ナチのホロコーストから生還したオーストリアの精神科医、心理学者で『夜と霧』の著者。『夜と霧』は、人生において読むべき本10冊をあげたとしたら、そのうちの1冊だと思う。フランクルの言葉が、たくさん引用されている。
もっとも有名なのは、
「 生きる理由を持つものは、いかなる状況であれ、何とか耐えられる」
だろうか。
しみじみ、この言葉の意味を嚙みしめる。。。。
生きる理由こそが、希望、ということ。
本書の中での希望の定義は、
1 明確で具体的な目標
2 行為主体性思考: 自分でコントロールできる
3 道筋思考: 今日までの道筋が見えている
と。
他には、『7つの習慣』著者スティーブン・コヴィー氏の「大きな石から入れる」という話。目の前の些細なことから手を付けると、重要なことへ割く時間が無くなっちゃうよ、という教訓。やるべき、大きなことを先に予定し、些細なことはその隙間でやるようにすれば、「時間が無くて大事なことができなかった」ってことには、ならないよ、って。
これも、基本の基本。
未来に希望を持って立ち上がった人のエピソードとして、フィリピンのアキノ大統領の話が紹介されていた。汚職と腐敗のマルコス政権と戦ったフィリピンの民主主義の母。アキノ大統領は、自分が政治家になるつもりなんてなかった。マルコス政権に対抗してきた夫が暗殺されてしまったことで、国のために立ち上がった。大統領就任は、1986年2月25日 から 1992年6月30日。私は、大学生から社会人になったころだったけれど、国際情勢なんてまったく興味もなく、フィリピンで女性大統領が誕生した、、、という位にしか認識していなかった。今更知る、世界史。
マルコス一家は、「 政府から盗んだ金額 世界一」として、ギネス ワールドレコードに認定されている。
他、気になった言葉、覚書。
・ ラルフ・ウォルドー・エマソン(アメリカ合衆国の思想家、哲学者、作家、詩人、エッセイスト。超絶主義の先導者。)の言葉。
「 浅はかな人間は運を信じる。(中略) 強い人間は原因と結果を信じる。」
・"Paying the piper”: 自分勝手な行動のツケは自分に回ってくる。
・”投資すればするほど より真剣に取り組むようになる。 投資すればするほど ビジョンは大きくなる。 時間、お金、才能を投資しよう。”
ナシーム・ニコラス・タレブの『身銭を切れ』って話と同じこと。『身銭を切れ』も、人生で読むべき本の一つだな・・。
・ スティーブ・ジョブズの言葉
「 しないことを決めるのは することを決めるのと同じくらい重要だ」
そう、要らないものをそいでいくって大事。「やりたいことリスト」より、「やりたくないことリスト」の方が行動につなげるには効果的だったりする。
今の毎日に、これでいいのかなぁ、、、と悩んで前に進めてないと思う人には、お薦めの一冊だと思う。
未来は、自分でつくるもの。
自分の人生は、自分で考えて、自分で決める。
過去が今の自分をつくっているのではない。
未来が今の自分を動かす。
行動すること。
失敗したって、やり直せばいい。
やってみなはれ、、、、ですな。
頭で考えているだけじゃ、何も起こらない。
行動するから、失敗もするし、成功もする。
失敗するから、学びもある。
だから、成功にも近づける。
やってみなはれ!
と、自分にいってあげよう。
