『みどりの しっぽの ねずみ』 by レオ=レオニ

みどりの しっぽの ねずみ

レオ=レオニ

谷川俊太郎 訳 

好学舎

2020年4月1日 第24刷

 

レオ・レオニの絵本を求めて、図書館で借りて読んでみた。好学社の谷川さん翻訳シリーズ。

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ねずみがたくさん出てくるお話。

まちねずみの話に憧れて、仮面をつけてみたら、へんなことになっちゃったのねずみのお話。

 

ウイルシャーのもりの おくまったかたすみに、のねずみたちが へいわに

くらしていた。

冬は穏やか。

夏は涼しい。

その隠れ家は、キツネにもヘビにも 見つかったことはなかった。

 

ある春の朝、一匹のまちねずみが通りかかった。 みんなは、まちねずみに、まちはどんなところなのか?きいた。まちねずみは、まちにはすばらしい1日があること、それはまちでおこなわれる「マルディ・グラ」であることを教えてくれた。

 

つまり、ざんげかようびのことだがね、その日は、街中が音楽に合わせてうかれて踊るんだ。

パレード、紙吹雪、紙テープ、笛、、、

*マルディ・グラは、カトリックの謝肉祭の最終日を指すフランス語

 

「僕たちも、マルディ・グラをやろう!」

と、のねずみたちは盛り上がった。

のねずみたちは、お祭りやパレードの準備をして、夜になったら舞踏会をしよう!仮面をかぶろう!っと、盛り上がった。

 

みんなは、木の葉や花びら、いろんなもので仮面を作った。ケダモノの仮面を作った。

そして、その日、夕方になると、かつらや帽子をかぶったねずみが、集まってきた。一匹は、しっぽを緑に塗ってさえいた。

 

みんな、踊った。

夜中になると、仮面をかぶって、お互いに金切り声をあげて怖がらせた。鋭いキバで脅しあった。だって、キバのギザギザした怖い仮面をかぶっていたから。

少しずつ、みんなは、自分がおとなしいねずみであることを忘れ始めた。

マルディ・グラも、歌も、踊りも、楽しくやることを忘れた。

 

誰も彼もが、誰も彼をも怖がった.。

それから、毎日、かつて平和だったのねずみたちのむらは、憎しみと疑いが渦巻いた。

 

ある時、大きな恐ろしいねずみがやってきた。みんな。一目散に逃げ出したけど、すぐに追いつかれた。

 

「何を怖がっているんだい?」

 

きみは世界一大きいネズミだ!ばけものだ!

 

「何を言ってるのさ。その馬鹿げた仮面をとれば、みんな僕と同じじゃないか。」

 

おずおずと みんなは仮面をとった。ひとつ、また、ひとつ。

 

そして、悟った。その通りだと。

また、もとの自分に戻った。 

みんなで仮面を焼いた。

 

仮面のたきびは、燃え上がり、火の粉は空に散った。

「これはマルディ・グラより、素敵だ。」

 

みんなもとに、ネズミにもどりました。

でも、しっぽのみどりのねずみは、みどりのしっぽをどんなに洗っても、もとにもどりませんでした。

でも、平和な暮らしが戻りました。

 

誰かが、なんでしっぽが緑なの?ときくようになると、「マルディ・グラで、みどりのしっぽのねずみだったの」と、答えました。

でも、「マルディ・グラって何?」

みどりのしっぽのねずみは、フランス語でざんげかようびのこと、と答えましたが、仮面のことは言いませんでした。

恐ろしかった日々は、みんな、忘れていきました。悪い夢のように。

 

おしまい

 

最後のページは、また、幸せそうなねずみたちの絵。

 

仮面のつもりが、いつの間にか仮面にココロを奪われてしまったねずみたち。

もとに戻ってよかったね。

 

ちょっと怖いお話。

 

ある役割を演じていると、そのうち、それが演技ではなく、自分のようになってしまうという怖さ。会社での役割、組織での役割、それも似たようなモノ。

自分にふさわしくない仮面は、脱ぎ捨てたほうがいい。

本来の自分を忘れちゃう前に。

 

「ちがうんじゃない?」っていってくれる大きなねずみが都合よく来てくれるといいんだけどね。

 

ちょっと怖いお話だけど、レオ・レオニの描くねずみは可愛い。


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