『みつけてん WE FOUND A HAT 』 by ジョン・クラッセン

みつけてん
ジョン・クラッセン 作
長谷川義史 訳
クレヨンハウス
2016年10月21日 第一刷
WE FOUND A HAT (2016)

 

ジョン・クラッセンの絵本を再び。

megureca.hatenablog.com

 

図書館で借りて読んでみた。また、日本語と英語と。

 

表紙は、1つの帽子(hat)をはさんで、二匹のカメ(Two tortoises)。つまり、カメは2匹いるけど、帽子は1つしかない!ということが、物語を生み出す。

 

表紙をめくると、
”ふたりづれのかめが ぼうしをみつけました。
でも ぼうしは ひとつだけ・・・・・。
ぼうしをふたりとも かぶることが できるでしょうか。

『どこいったん』、『ちがうねん』につづく、ジョン・クラッセンのぼうしをめぐる クールな絵本、3冊目。”
とある。

 

英語の方は、なんにも書かれていない。

ただ、真っ黒の中、星がきらめく夜空、、、。

 

えぇ、今度は、仲良しに見えるこのカメたちが、帽子をめぐって、まさかの、、、、

くっちまうんかぁ!?
と、おもいきや、ご安心を。
今度は、二人の心温まる友情物語でした。

 

二匹のカメは、1つの帽子を見つける。

ふたりで ぼうし みつけてん。we found a hat.
いっしょに みつけてん。We found it together.
でも ぼうし ひとつやな。 But there is only one hat.
ぼくら ふたりやのになぁ。  And there are two of us.

カメたちは、帽子をかぶってみる。
お互いに

”どや にあう?  How does it look on me?
うん かっこええで。”  It looks good on you.
”なぁ ぼくはどう?  How does it look on me?
ええんちゃう。”   It looks good on you too.

と、褒め合う。
でも、帽子は一つなので、どっちかがかぶれば、どっちかがかぶれない。
それはよくないということで、

”ほな こないしたらどう?  There is only one thing to do.
ぼうしは ここにおいといて、  We must leave the hat here
みつけんかった ことにしよう”   and forget that we found it.

そして、自分たちのねぐらにもどっていく二匹。

 

そして、PART2(それからな)となり、
ゆうひ みるねん   Watching the Sunset

ふたりでゆうひをみている。
岩の上で、ならんで夕陽を見ているかめたち。

なに かんがえてるんや?   What are you thinking about?
ゆうひのことやで。  I am thinking about the sunset.
きみは なに かんがえてるん?  What are you thinking about?
なんにも  nothing.

沈む夕日を見つめるふたり。

 

が、・・・・なんにも
とこたえるカメは、夕陽とは反対の
置いてきた帽子の方をみている。

 

PART3 そろそろ ねよか (Going to sleep)
日が沈み、夜の空には星が輝いている。
見開きに左のページには、おいてきた帽子。
右のページには、岩の上の2ひき。

ふたりで ねよか。 We are going to sleep.
いっしょに ねよか。 We are going to sleep here together.

もうねたか? Are you all the way asleep?
もう ねそうや。I am all the way asleep.
おいねたんか?
ねたで、もう ゆめのなかやで。 I am dreaming a dream.

一匹は目を閉じている。
もう一匹は、寝ているカメの方をきにしつつも、帽子の方へ岩から降りていこうとしている。

 

どんな ゆめ みてるんや?  What are you dreaming about?
うーん あのな、こんな ゆめ。 I will tell you what I am dreaming about.

一匹は、岩の上で目をとじて、もう一匹はさらに帽子に近づく。

 

ぼくなぁ
ゆめのなかでぼうし
かぶってるねん。
かっこええで。

ほんでなぁ
となりにきみもいててな  You are also there.
いっしょにぼうし かぶってるねんで。You also have a hat.
かっこええで。 It looks very good on you.

ほんまかいな?  We both have hats?

一度は、限りなく帽子に近づいたカメだったけれど、
帽子をのこして、そのまま友達の横にもどる。

 

そして、岩の上でならんで目を閉じているカメたち。
帽子は、放置されたまま。

 

最後のページは、夜空に光る星のなか、帽子をかぶった二匹のカメが浮かんでいる・・・・。

おしまい。

 

あぁ、よかった!
カメさん、ひとりじめしなくて正解だよ。
なかよく、帽子なんかなければ、取り合いにもならないもんね。


We both have hats? を ほんまかいな? と訳しているところがまた、面白い。
絵のカメは、帽子をじっとみつめて、「まじか?!」っていう顔をしている。

 

絵だけでも十分伝わってくる感じ。
やっぱり、これは絵本としてすごくいい。
絵が、物語っている。
こういうのが、本当の絵本、かな。
あぁ、楽しかった。