シオドアとものいうきのこ
えらくなりすぎた ねずみのはなし
レオ=レオニ
谷川俊太郎 訳
好学社
2018年8月5日 第4刷
レオ=レオニの絵本シリーズ。
とかげと かえると かめと ねずみのシオドアのお話。
ちょっと、怖い?お話。
四匹の仲間は、樫の木の切り株でおしゃべりしていた。
とかげは、「僕のしっぽは、切れたってすぐ生える」と自慢した。
かえるは、「僕は、水に潜れる」と自慢した。
かめは「僕は箱になれる」と自慢した。
きみは?ときかれたシオドアは、赤くなって「僕は逃げられる」と言った。
は!は!は!
三びきは大笑い。
ある日、シオドアは木からひらひらと落ちてきた葉っぱにおp泥いて、にげだした。
運よく、おおきなキノコがみつかった。
八月の空のように青いキノコの下でやすんだ。
キノコのしたでうとうとしていると、
「クィルプ」という声が聞こえた。
びっくりして逃げ出したシオドアは、まわりがしんとしているので、気のせいだとおもって、キノコの下に戻って、またうとうとした。
また「クィルプ」と音がした。
びっくりした。
「きみ くちがきけるの?」
キノコは、本当にしゃべるわけではなく、ただ、「クィルプ」と音をだすだけだということがシオドアにはわかった。
シオドアにいい考えが浮かんだ。
シオドアはみんなのところに戻って、
「世界にただ一つしかない、ものいうキノコをみつけた。
それは、真理のキノコで、ぼくはその言葉がわかるようになった」とみんなにいった。
そして、シオドアはみんなをキノコのところに案内した。
青いキノコは、みんなの前で、「クィルプ」といった。
みんなはぼうぜんとして「どういう意味だい?」とシオドアにきいた。
「すべてのどうぶつのなかで、ねずみが いちばんえらいって意味さ」
それから、シオドアの発見の話はあっという間に広まり、みんながシオドアにプレゼントをもってきた。シオドアは、冠をもあり、花輪をもらい、ふとんをしいたかめにのって移動するようになった。どこにいっても、あがめられた。
あるとき、シオドアは、三びきの仲間と森のずーっと遠くへいった。かめにのって。
森を越えていくと、その先には、なんと、あおいキノコがいっぱいだった。
「クィルプ」の大合唱。
見開き2ページに、きのこがいっぱい・・・・。
みんなは、おもいがけない眺めに、ぽかんとした。
シオドアは何か言わなきゃと思ったけれど、くちごもり、震えて突っ立っているだけだった。
「うそつき!」
「いんちき!」
「にせもの!」
「くわせもの!」
「やくざ!」
「いかさまし!」
三びきはわめいた。
シオドアはにげた。
そんなに速く逃げたことはないくらい、逃げた。
森を抜け、樫の木のきりかぶをあとに、、、逃げた。
にげた。にげた。
そうして なかまたちは そのあと にどと かれを みなかった。
おしまい。
最後は、グレーのネズミが、背後をきにしながらも逃げている絵。
ひゃ~、なんてお話でしょう。
ジョージ・オーウェルの「動物農場」を彷彿させるような、、、。
うそつきは、ダメだよ。
最後は、自分の言葉の通り、「にげる」ことしかできなかったシオドア。
ちょっと、うすら寒い感じ・・・・。
人をダマして、自分を大きく見せようとする嘘は、結局自分に全部帰ってくる。
等身大でよいのだよ。
他人は、自分で思うほど自分のことを気にしていない。
マイペースで行こう。
