おしいれのぼうけん
ふるたたるひ
たばたせいいち
童心社
1974年11月1日 初版発行
2015年3月6日 225刷発行
『ないたあかおに』と同様、友人が読んでみてと薦めてくれた絵本。
これは、本当に、読んだことないかも。
図書館で借りて 読んでみた。
鉛筆画の白黒の絵と、文章。横書きで、左から開く絵本。77ページあって、絵本だけれど、しっかり物語。
舞台は、さくら保育園。
見開き2ページに鳥観図で書かれた絵本の様子は、ジャングルジム、ブランコ、すべりだい、砂場、鉄棒、、、建物の裏手には、ポリバケツのゴミ箱、煙突、、、なんとも、昭和だなぁ。。。。でも、昔の幼稚園とか保育園とか、こういう感じだったかもね。なんとも、なつかしい感じがある。
主な登場人物は、
・みずの先生
・さとし
・あきら
・きむら先生
そして、保育園には怖いものが二つあります。ひとつは、「おしいれ」で、もうひとつは、
「ねずみばあさん」(みずの先生がやってくれる人形劇のこわいばあさん。)
押入れが怖いのは、こどもたちが給食のときに騒いだりすると、みずの先生が押入れにとじこめるから。
今なら、虐待といわれそうだ・・・・
でも、昔は、「押入れに入れられる」とか「そとにだされる」とか、、あったよな、と思う。
押入れに入れられた子供は、暗くて怖くなる。
「せんせい、ごめんなさい」
と謝ると、みずの先生は子どもを押入れから出してくれる。
見ているみんなも、先生も、出てた子どもも、ホッとする。
でも、その日は違った。
お昼寝の時間、あきらが赤いミニカーで遊びだす。さとしが「ぼくにかして」とひったくっる。「だめだよ、ぼくのだから」
そして、二人は、ミニカーの奪い合い。もう、ふとんに入っている子どもたちのあいだを走って、さとしがともこの手をふんずけ、あきらがかずおの足をけとばし、
「いたい!」
「いたい!」
みずの先生は、怒って、
「さぁ、おしいれのなかでかんがえなさい」
と、押入れのとびらをあけると、あきらを下の段に、さとしを上の段に入れて、ぴしゃっと戸をしめてしまいました。
あきらは、下の段でべそをかき、さとしは、上の段で泣くのを我慢してじっとしていました。
そして、さとしは、おしいれの戸に穴が開いているのを見つけて、みんなが寝ている姿をみて不思議な感じがしました。
「なくな、あーくん。あながあるぞ。そとをみてみろよ」
あきらも、穴を見つけてのぞいてみると
「ふふ、面白いね。」
みずの先生は、泣き出すはずの2人が、穴から外をみていることに気がつくと、あわてて、両手で穴をふさぎました。
さとしとあきらは、穴から指をつっこんで、先生の手をくすぐりました。
びっくりしたみずの先生。
通りかかったきむら先生に、ガムテープを持ってきてもらうと、テープで穴をふさいでしまいました。
押入れの中は、まっくら。
怒ったのは、さとし。戸をどんどんと蹴とばしました。
あきらもまねして、どんどん。
外では、みずの先生ときむら先生が汗ぐっしょりになって扉を押さえます。
さとしもあきらも、汗びっしょり。
「ぼく、もうだめだ」あきらは、とうとう蹴とばすのをやめて、悲しそうな声で言いました。
みずの先生は、ほっとしました。
さとしは、「あーくん、さっきはごめんね。ミニカー返すよ。これで遊べよ」
上からミニカーの握ったさとしのてが降りてきました。
うけとったあきらの手が、さとしの手に触れます。
汗をかいて、暖かい手でした。
あきらは、赤いミニカーの代わりに、ミニ蒸気機関車をさとしに貸してやりました。
ピーガッタン、シュー、シュー
暗い押し入れの中で、ミニカーで遊び始めた二人。でも、暗いので、だんだん怖くなる。ベニヤ板の模様が、トンネルみたいに見えます。人間の顔みたいに見えます。
「そこにいるのは、だれだ?
わしは、ねずみばあさんだぞ!」
2人は一緒に、ねずみばあさんと、家来のねずみたちと戦います。電車にのって、高速道路にでて、ねずみたちは、きぃきぃ、キュウーキュー。下水道にぼっちゃ~ん。ねずみたちが二人を襲おうとしたとき、二人の後ろから、赤いミニカーとデゴイチ!二人は、ミニカーとデゴイチに飛びのると、2台を走らせます。
「たすけてくれ!」といったのは、ねずみばあさんとねずみたち。
さとしとあきらは、ねずみばあさんに勝ちました。
ふたりはしっかり手を握り合っていました。
おしいれの戸ががらりとあきました。
みずの先生と、きむら先生が二人を外に出しました。
あきらのおでこには、あせもができていました。
みんながわっとあつまってきて、ふたりのそばにかけよります。
「ね。ね。押入れ、こわくなかった?」
「押入れからでられてよかったね。」
あきらとさとしは、自分たちの冒険をみんなに話しました。
「おしいれって、ねずみばあさんの くになんだよ。
大冒険のできる ところなんだ」
それから、押入れもねずみばあさんも、保育園の怖いものではなくなりました。
こどもたちは、きゃっきゃっとわらって押入れに入って、みずの先生が
「わしは ねずみばあさんだぞぉ」というと、
きゃっきゃっと喜ぶようになりました。
さくら保育園には、とても楽しいものが二つあります。
ひとつはおしいれで、
もうひとつはねずみばあさんです。
おしまい。
ははは、、、なんか、ほんわかたのしい。
わたしは、どちらかというとさとしタイプだったかも。でも、暗いところは怖かったなぁ。
実家の団地の、隣の階段の友達のところに遊びに行っても、暗くなると一人で自分の家の階段まで帰るのがこわかった。植栽に、柳の木があったのだ。幽霊がでそうな柳の木。友達に隣の階段まで送ってもらって帰っていた。
今の子供達は、怒られて押入れに入れられるなんてないんだろうな。
でも、子供って、狭くって、暗い所って、ちょっとワクワクして好きだよね。秘密基地とかつくったりしてさ。。。押入れも立派な遊び場だった。カーテンに隠れるとか。
平和だったなぁ・・・
なんか、とても懐かしい気持ちになる絵本だった。
昭和生まれの人なら、懐かしくて優しい気持ちになれると思う。
