『マックマウスさん』 by レオ=レオニ

マックマウスさん
のねずみの なかまになった まちねずみのはなし
レオ=レオニ
谷川俊太郎 訳
好学社
©1992
2017年10月5日 第5刷発行

 

レオ=レオニの絵本シリーズ、図書館で借りて読んでみた。

megureca.hatenablog.com

 

表紙には、二匹のねずみ?帽子をかぶっているのもしっぽがあるから、ねずみみたい。

表紙裏の袖には、やはり、谷川さんの言葉が。

” 2010年はレオニ生誕100年にあたります。 もし生きていたらどんな絵本を書いていたでしょうか。 この〈マック マウスさん〉はレオニ 82歳頃の作だそうですから、彼は100歳になっても、きっと 生き生きした色と形と物語で私たちを楽しませてくれたに違いありません。
 レオニは、 冬はニューヨーク、 夏は イタリアのトスカーナ地方で過ごしていましたから、都会と田舎の環境、 人間関係、 文化などの違いを、きっと意識していたでしょう。この絵本の主人公の街ネズミ・ ティモシーは、ある日突然 山高帽をかぶった人間(?)に変身してしまい、 混乱し 悲鳴を上げて 逃げ出しますが、 もちろん 自分自身から逃れることはできません。 でも尻尾だけは残っていたので 、野ネズミたちは彼をネズミだと認めてくれます。
  しかし街ネズミが 野ネズミの仲間になるには、野ネズミ免許を取らなければなりません。そしてそのためのテストがあるのです。 都会と田舎の間に いまだに存在するギャップを、レオにはそんな発想で描いているのかもしれません。 テストには失敗したものの、 ティモシーはスピニーを救ったおかげで、 野ネズミの仲間になれたのですが、第二次世界大戦中に都会から田舎に疎開した経験になる私たち世代の人間には、この話は大変身近に感じられます。”
とある。
なるほど、、、、疎開した人間と、その土地に元々いた人との交流。。。深いな。


どんなときも 鏡をみると ティモシーは幸せだった。
「ぼくってなんてハンサムな まちねずみなんだろう!」
かれは、思った。
でもある日、鏡のなかに、自分の代わりに 黒い服をきた変な奴を見つける。

ティモシーは 飛びのいて 悲鳴をあげて 命からがら逃げ出した。

生れた時からずっと住んでいた街をぬけだし、ずっと走り続けた。
田舎道に来ると、やっと走るのをやめて、かんがえはじめた。

 

「なにがおこったんだ? どこへいけばいいんだ?」

もう、だれもティモシーだとはみとめてくれない。
うちへかえれない。
どうしようもない。
先に進むしかなかった。
でも、まず静かなところで休みたかった。

 

石ころと背の高いくさのあるところで、ティモシーは休んでいた。
大きな岩のかげから、野ネズミたちが、ティモシーをみていた。
怖がっているようだった。
かれも、怖かった。

「 自分が ただの大人しい街ネズミだって どうしたらわかってもらえるんだ?」

 

突然、草のあいだから、小さなねずみがすすみでた。

「こんにちは わたしはスピニー。あなたは?」
「ぼくは、、、ぼくは、、、、」
ティモシーはまごついて、もぐもぐいった。
のねずみたちは、じっと彼をみつめた。

スピニーがほほえんだ。
「いいわよ、わたしが、名前をつけてあげる。
マックマウスさん」

ティモシーはびっくり。
「どうして、ぼくがねずみだってわかったの?」

「あなたみたいな しっぽをもっているのは、 ねずみだけでしょ」

スピニーは、自分たちの住む石のおしろに、ティモシーを案内した。

 

「ずっといたいのなら、野ねずみの 免許をとらないとね」

そして次の日からテストが始まった。

ちくちくベリーを食べるテスト。
「あのね 野ネズミは、チーズは食べないの。ナッツとベリーとこくもつだけ。」

みんながティモシーをちくちくベリーを食べるのを見守った。

「ごめんよ、ぼくベリーはだめだ。きもちわるくなっちゃう。」

 

つぎは、ヒースの草原まで走っていってもどってくること。
ティモシーはやっとのことでたどりついたけど、帰りはかめのボーニーバックにせおられてしょんぼり戻ってきた。
「タクシーがみつかって よかったよ・・・・」

 

残るテストは木登り。
「元気出して、マックマウスさん」スピニーがいった。

ティモシーが半分ほど木に登ったとき、一匹の黒い猫が近づいてきた。
いまにも、とびかかりそう!
「ねぇこぉだぁぁぁ!!」
ありったけの声で、スピニーが叫んだ。

あっという間にねずみたちはみんな逃げ、ティモシーとスピニーだけがまだ走っていた。

ねこがとびかかろうとしたその時、ティモシーはスピニーをつれてさびだらけのわなに逃げ込んだ。わなの篭のなかで、スピニーを守るように、立ちはだかるティモシー。

ティモシーは、子守唄をうたって、ねこをねむらせた。

 

おめめをつむって ひつじをよんで
とんだりはねたり かずをかぞえて
いち にい さん しい ごお ろく しち
みんな おそらにのぼっていくよ
よふかししないで おねむりよ
ゆめで はちまでかぞえてね

 

そのうち、ねこはいびきをかいてねむってしまった。

「さぁ、いまだよ スピニー」
にひきは こっそり わなからでて はしっていった。

 

ティモシーは、スピーニーをまもったことで、おかしらねずみから名誉のメダルを授与された。
スピニーも、勇気をたたえる 特別メダルをもらった。

二匹は、だれもみたことがないほど 幸せそうでした。

 

おしまい。

 

ティモシー、新しい生活を楽しんでね!

ティモシーも、スピニーも、どちらの勇気も讃えちゃう!