『6わのからす』 by レオ・レオーニ

6わのからす
レオ・レオーニ
谷川俊太郎 訳
あすなろ書房
2009年5月30日 初版発行
2019年12月20日 9刷発行
SIX CROWS (1988)

 

レオ・レオーニ絵本シリーズ。

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図書館で借りて読んでみた。

 

表紙を開くと、
”ムギを めぐって
6わの からす と農夫が 知恵くらべ。
でも、そんなことを している あいだに
畑のムギは・・・・。”
とある。

 

カラスと農夫の攻防の話らしい・・・。
中表紙には、緑の植物と、まっくろな影だけの6羽の飛ぶ鳥の姿。

 

物語は、バタバドゥールのおかのふもとの 静かな谷間。

 

一人の農夫が麦畑を耕していた。
土地は豊かだし、春の雨は やさしかった。
暮らしは、申し分なかった。
近くの木に 6羽のうるさいからすがいなければ・・・・。

ここから、カラスの絵は、おめめクリクリの可愛い姿。
木の幹、葉っぱや カラスのくちばしは切り絵かな?
はっきりくっきり、すっきりの絵。

カラスは、せっかくみのった麦をついばんでしまう。
農夫は、せっせとカラスを追い払う。
でも、農夫がいなくなるとまたすぐにとんでくる。

 

農夫は、かかしをたてた。

カラスは怖くなった。
そして、農夫が自分たちを怖がらせるつもりなら、
自分たちも農夫を怖がらせようと、いろいろ考えた。

畑に火をつけるっていう案は、自分たちがたべるものもなくなっちゃうから却下。
みんなの意見の中から、木と皮と葉っぱで、こわい鳥の凧をつくることに決めた。

カラスたちは、こわい大きな鳥の凧を麦畑の上に飛ばした。


農夫は、怖くなった。
だったら、もっと怖いかかしをつくってやる!

 

両手につるぎを振りかざしたおおきなかかしをはたけに立てた。
いかりくるったくちから、うめき声が聞こえそう。

 

カラスたちは、このかかしをみると、もっとおおきなおそろしい凧をつくった。

農夫は恐ろしさのあまり、小屋から出ることもできなかった。

 

古い木のうろから、一羽の梟が、一部始終をみていた。
「農夫と カラスと バカなのは どっちかね」

ほったかされて 麦がしおれていくのみた梟は、農夫の元に飛んでいき、
「カラスと仲直りをしてはどうかね?」といった。

「もうておくれだ」 農夫はいった。

はなしあいに、手遅れはないよ」 梟は言った。

 

次に 梟はカラスにあいに行った。
麦がだめになりそうになって、とほうにくれていたカラスに梟はいった。

「行って はなしあうんだよ。
 言葉には、魔法の力がある。

 

農夫とカラスはふくろうの巣の前で延々と話しあった。
初めは怒鳴り合い、やがて静かに。
そしてしまいには、昔からの友達のように、にぎやかに。

「鳴き声が聞けなくて淋しかったよ」農夫は言った。
「あんたの麦が恋しかったよ」カラスたちは言った。
そして一緒に、大笑いした。

梟にお礼を言わなきゃ。
おや、どこに行ったんだ?
巣は、カラッポだった。

畑に行ってみると、あの大きなかかしが立っていた。
でもどこか違っている。
恐ろしい しかめっ面が 楽しそうな 笑顔になっている。

かかしの腕にとまっている梟はいった。
「言葉の魔法さ」

 

おしまい。

 

なんと、「言葉の魔法」。
話し合い。

 

イスラエルとガザ、
ウクライナとロシア、
内戦、、、

 

ほんと、戦いを解決するのは武器じゃない。
言葉なんだよね。

プーチンに、よませたい絵本だ。


あるいは、諍いをおこしているすべての大人に。
そして、梟のような仲介者がいてくれたのなら、その声に耳をかたむけよう。。。。

 

脱サラしてから、人と人の諍いを目にすることがなくなったなぁ、と思う。みていて、一番救いようがないのは、やはり、互いに互いの話を聞こうとしない諍いだ。互いに、同じ目標を持っていたはずの組織の人が、互いを攻撃する姿は美しくない。

 

やはり、競争による切磋琢磨は必要だけれど、
無理解による諍いは、なくていい。

 

人の話を聞こう。

色眼鏡を外して、自分の眼で見て、自分の耳で聞いて、

自分の頭で考えよう。

 

絵本は、楽しい。