『対決!日本史6 アジア・太平洋戦争篇』  by 安部龍太郎、佐藤優

対決!日本史6 アジア・太平洋戦争
安部龍太郎 
佐藤優
潮出出版
2025年7月20日 初版発行

 

安部さんと佐藤さんの対談シリーズ6。2025年の発行を見つけたので図書館で借りて読んでみた。 2025年は第二次世界大戦から 80周年。その年にアジア・太平洋戦争篇。今回、初めて気がついた。このシリーズは、潮出出版だったんだね。創価学会系ということ。

megureca.hatenablog.com

 

目次
まえがき 佐藤優
序章 アジア太平洋戦争と現代
第1章 満州事変
第2章 満州国建国
第3章 5・15事件と議会制民主主義
第4章 ファシズム体制の確立
第5章 日中戦争の勃発
第6章 泥沼化する日中戦争
第7章 日米交渉
第8条 日米開戦

あとがき いかに戦争を防ぐか  安部龍太郎

 

感想。
う~ん。暗いなぁ‥‥。けど、今回もちょっと目からウロコが…。

日本の黒歴史を読むのって、いたたまれない。でも、本書がちょっと面白いのは、歴史の「if」も含めて二人が語っているところ。元外務省の佐藤さんがかたるifは、さもありなんとも思うし、佐藤さんが言うことだって正しいとは限らないとも思うし。

5・15事件、2・26事件についても詳しく語られている。その悲惨さは、絶対に許されない。どちらも、ずさんな計画と失敗。なぜ、青年将校たちはあんな愚行に走ったのか…。甘ちゃん、、、と思わずにはいられない。そして、かつてベストセラーになった『置かれた場所で咲きなさい』の著者・ 元ノートルダム清心学園理事長渡辺和子さんは、2・26事件で殺された渡辺錠太郎(陸軍教育総監)のお嬢さんだったということを初めて知った。

著書『 置かれた場所で咲きなさい』は、私の嗜好のタイトルではないので読んだことはない。でも、そんな壮絶な経験をしていたとは、、、本書で初めて知った。9歳の和子さんは、目の前で、お父さんが43発の機関銃を撃ち込まれ、銃剣でとどめをさされたところを一部始終、目撃したのだそうだ…。「血の海でした。家の周囲の雪までが、返り血で赤く染まっていたのを覚えています」(2013年12月3日「朝日新聞」夕刊)と。

 

南京虐殺ノモンハン事件、、、、最近の教科書には、南京虐殺もそれなりに記述されているらしい。

章ごとに、テーマが歴史の順に出てくるので、歴史を追いやすい。そして、いまだに、私にとってはそうか、そういうことだったのか、という話がたくさんでてくる。同じ歴史の出来事も、語る人によって見え方が違ってくる。『マンガ日本の歴史』も含めて、色々な歴史の本を読んできたけれど、まだまだ、これからも私の日本の歴史への理解は変わっていくのかもしれない。少しずつ、知識が層になって、空白をうめてくれている。これからも、歴史探求には終わりがないだろうな、と思った。

 

断片的だけど、覚書。
・佐藤: ”今の中国や韓国との関係、あるいは本土と沖縄との関係もそうですが、日本人は相手を対等のパートナーとして見ることが苦手なんですよね。 常に「兄か弟か」 関係を気にして、 自分が兄貴だと承認されることにエネルギーを注いでしまう。・・・・ 儒教的な 感覚と、 日本古来の家族制度とが合わさったようなところが日本には根深くあります。”

 

三笠宮崇仁昭和天皇の弟)著:古代オリエント史と私』リットン調査団と当時の満州について語られている本。佐藤さん推薦本。いつか、読んでみよう。

 

石原莞爾関東軍血盟団事件、5・15事件に影響。傀儡政権としての満州国をつくろうとした。犬養毅首相は猛反対。そして、犬養毅は、5・15事件で殺された。満州国の財源にアヘン税を三本目の柱とした(満州には期待したほど石油はなかった)。アヘンをやめさせるというよりは、イギリスの清をアヘン漬けにしたやり方にならった。「八紘一宇」(世界を一つにする)というスローガンをたてた 田中智学を仏師とした。

 

大川周明:5・15事件首謀者に巨額の金を提供。パトロン

 

・1940年10月挙国一致の戦時体制確立を目的として近衛文麿を中心に新体制運動が推進され、大政翼賛会が結成された。 大政翼賛会が結成された時点で、結社の自由はすでに禁止されており、政党は自発的に解散して大政翼賛会に組み込まれる体制が出来上がっていた。

 

満州事変の頃の中国は、国民党(蒋介石)と共産党毛沢東)で内戦をやっていた。が、日本(石原莞爾)は、満州から華北にまで拡大しようとているのをみて、国民党と共産党国共合作に向かった。

 

安部龍太郎著「二人の祖国」:天皇機関説、 朝河貫一と徳富蘇峰が主人公。公明新聞に連載して、2025年に発行されたらしいので、いつか、読んでみよう。

 

満州:日本の国土の3.4倍。130万平方メートル。中華民国政府の管轄外。

 

民族派右翼:宮崎滔天頭山満らは、孫文を支援。

 

汪兆銘中国国民党ナンバー2。孫文の死後、蒋介石と対立。

 

夏目漱石現代日本の開化」: 明治の開化は、外圧的な要求によって変化を余儀なくされたものに過ぎないと批判する講演。1911年8月、和歌山。

 

・厚生省(現・ 厚生労働省)は、「 戦える国民を育てるために、国民を健康にしなければならない」という考えのもとに1940年創立された。

 

蒋介石は、プロテスタントキリスト教徒だった。

 

・「オレンジ計画」:アメリカの対日戦略。セオドア・ルーズベルトが策定し、甥のフランクリン・ルーズベルトが発動。

 

教科書的な本ではないけれど、時にはこういう対談で歴史を見返してみるのも、頭の整理にいい。