『こぶたのピグリン・ブランドのおはなし』 by ビアトリクス・ポター

こぶたのピグリン・ブランドのおはなし
ビアトリクス・ポター さく・え
まさきるりこ やく
福音館書店
1988年6月25日 発行
2002年10月1日 新装版発行
2019年11月5日 新装版改版発行
ピーターラビットの絵本ー21

 

石井桃子さん翻訳の絵本をもとめて、ピーターラビット、シリーズ21。シリーズ20からは、訳者が石井さんではなくなっている。(と、コメントで教えていただいたので気がついた) シリーズ21は、わたしの農場にいたぺティトーおばさんと8匹のこぶたたちのお話。

 

ぺティトーの8匹の子どもたちは、女の子が、ブツクサ、チュウチュウ、キュウキュウ、ブチ。男の子が、アレクサンダー、ピグリン・ブランド、トントン、シリキレシッポ。

シリキレシッポは、事故でしっぽを切ってしまったのでしっぽが無い。

ある日のこと。。

アレクサンダーは、餌箱の箱にはまって、抜け出せなくなる。わたしは、ペティトーおばさんといっしょに、アレクサンダーの足を持って 引っ張って出してやった。

トントンは、石鹸を食べてしまった。

キュウキュウは、だれだかわからないほどきたなくなっていたところを洗ってもらって、ようやくキュウキュウだとわかるようになった。

ブツクサとチュクチュクは、にんじんをほりおこして食べているから、耳をつかんで畑からひっぱりだしてやった。

 

と、どのこぶたも、世話が焼ける、、、ってこと。

 

わたしは、ペティトーおばさんに、子どもたちのしつけがなっていないと苦情をいう。
「ブチとピグリン・ブランドのほかは、いたずらばかり。ミルクをたくさん飲むからミルクがたりない。」

そして、こぶたたちは他の農家に売られていくことになった。

シリキレシッポとキュウキュウとブツクサ、トントンとチュクチュクは、馬車や手押し車でつれていかれた。

残った、アレクサンダーとピグリン・ブランドは、市(いち)へ行くこととなる。ぺティトーおばさんは、二人によそゆきの服をきせてやり、涙ながらに二人を送り出す。

しっかりもののピグリンだけど、おかあさんとの別れには涙がでてしまう。

あぁ、セツナイ、親子の別れ・・・。

 

ペティトーおばさんは、アレクサンダーに、
「アレクサンダー、兄さんの手をつないでいくんだよ」と言い聞かせ、二人にランカシャーの市に入場できる許可証を2枚渡す。

 許可証は、苦労して 警察から手に入れたものだった。

二匹は、小さい包みとおみくじのついたハッカアメを8個ずつもたされて、市へ出発する。

 

さて、これからが二匹の旅の物語。

アレクサンダーは、ハッカアメをすぐにぜんぶたべちゃって、ピグリンに「 お兄ちゃん 飴を1つ おくれ」とねだったり、ピンでとめた許可証をとって遊んだり、、。
兄弟げんかしつつも歩いていた二匹は、おまわりさんに呼び止められる。

「許可証をもっているのかね?」と聞かれたピグリンは、自分の許可証を引っ張り出して見せる。ところが、アレクサンダーは、しばらくもぞもぞ探した挙句、ハッカアメのおみくじの切れ端をおまわりさんに渡す。

アレクサンダーは、ふざけて遊んでばかりいるので、許可証を失くしてしまったのです!

本当にもっていたんだといいはるアレクサンダーに、おまわりさんは親切にも農場までつれてってくれると言います。ピグリンもいっしょに連れて行ってもらえるものと思ったら、
「きみの許可証はちゃんとしているから」といって、つれてってもらえない。

ピグリンは、おまわりさんとおとうとの後姿を見送る。
せつない、、、ピグリンの後姿のイラストは、郷愁をそそる・・・・。

 

ひとりでとぼとぼと歩いていたピグリンは、まだまだ市は遠いし、雨は降ってくるし、、、1人悲しくなってくる。そして、手が冷たくなったのでポケットに手をつっこむと、そこに許可証が2枚ありました! アレクサンダーの許可証は、ピグリンのポケットに入っていたのです!!

あわてて、おまわりさんとアレクサンダーを追いかけるピグリン。ところが、道を間違えて迷子になってしまう。空には月が出て、すっかり夜。ピグリンは目に入った小屋で一晩を明かそうとするけれど、ケッコケッコケッコ!とニワトリがうるさくて、眠れません。そこに、おひゃくしょうさんのピーター・トーマス・パイパーソンさんが卵をとりにやってきた。ピグリンは見つかってしまう。

パイパーソンさんは、ピグリンを自分の部屋につれていくと、どうしたものかと考えた。おっかない顔をして考えた。なんだって、豚がかってにやってくるんだ??ベーコンにするには、時期外れ?鶏たちにも豚の姿は見られている。。。さて、どうしたものか。

そして、パイパーソンさんは、おかゆをつくると、ピグリンにも一皿くれた。

「しきもののうえで寝ていい」というパイパーソンさんの言葉に甘えて、ピグリンはその夜はぐっすり眠った。

次の日、パイパーソンさんは、知り合いの馬車で市に出かけていく。ピグリンは連れて行ってもらおうかと思ったけれど、なんだかこのひとは信用ならないと思って、家で留守番していることをえらんだ。

家の中は、あちこち鍵がかかっていて、冒険することはできなかった。でも納戸の奥が気になる。。。ためしに、ハッカアメをドアのしたへ押し込んでみると、アメはすっと消えた!
だれかいるの??

パイパーソンが帰ってきたとき、ピグリンは火の前にすわっていた。かまどの掃除をして、お湯もわかしておいた。パイパーソンさんは、ピグリンの沸かしておいたお湯でおかゆをつくり、
「明日は、12時前におこしてはいかん」といって寝てしまった。

ピグリンは、暖炉のまえでひとりで晩御飯を食べる。するとかげから、
「わたし、ピグウィグっていうの。おかゆをもっとくださいな」という声は聞こえた来てびっくり!
それは、綺麗な服をきた黒豚の女の子だった。

 

ピグウィグは、ハムとベーコンにするためにこのいえに盗まれてきたという。

ピグリンとピグウィグは、翌朝、パイパーソンが寝ている間にこっそり家を抜け出し、市にむかうことにする。許可証は2匹分ある。

ところが、途中で八百屋の馬車に見つかって、つかまりそうになるのだけれど、ピグリンはびっこをひいて、上手く歩けないふりをする。
そして、本当は市になんかいきたくない二匹は、まんまと逃げ出し、

”おかのむこうの はるかなくに”にたどり着き、ピグウィグとピグリンはいっしょにダンスを踊りました!

おわり

 

おぉ、ピグリンのハッピーエンド物語だったか!!!

アレキサンダーや、ほかのこぶたたちの運命はいかに?!?!だけれど、めずらしく、ちょっとほのぼの、ハッピーエンド。

 

でも、これから二人で暮らしていくのには試練がまっているのだろう・・・・。

自分たちの力で手に入れた自由を守っていくのだ!!

頑張れ2匹!

 

と、そんな感じ。

のどかだ。。。