『ずるいねこのおはなし』 by ピグリン ブランドの ビアトリクス・ポター

ずるいねこのおはなし
ビアトリクス・ポター さく・え
いしいももこ  まさきるりこ やく
福音館書店
1988年6月25日 発行
2002年10月1日 新装版発行
2019年11月5日 新装版改版発行
ピーターラビットの絵本ー20

 

石井桃子さん翻訳の絵本をもとめて、ピーターラビット、シリーズ20。

これは!!おどろきのお話である。。。。

これもでも、なんじゃこりゃ!はたくさんあったけれど、スーパーシンプルに、しゃんしゃん、な物語・・・。
最後に、解説のような説明がついていた。

 

ビアトリクス・ポターはこの「ずるいねこのおはなし」を 1906年に書きました。 そしてもし万事順調に行っていたら、この本は、 その翌年 「ピーターラビット 絵本」シリーズの1冊として世に出ていたはずです。 ビアトリクス・ ポターは、 最初 これを 「ピーターラビット」シリーズの出版社のウォン氏の小さい娘ネリー・ウォーンのために書き、 麻布 に絵と文字を貼り付けて、 アコーディオンのように折りたたむ 絵巻物のような(小さな財布ぐらいの大きさの)本としてプレゼントしました。 1906年に出版された「こわいわるいうさぎのおはなし」と「モペットちゃんのおはなし」の初版の版もこれと同じ形式の本でした。ところが「ずるいねこのおはなし」が出版の製作段階に入る前に、書店からクレームがつきました。 この形式の本は、お店がお客が見た後、 元通りには折りたたむのが難しいので取り扱いに困るというのです。 そこでずるい猫のお話の出版 は 宙に浮いたまま 持ち越されることになりました。”と、、、

そんな秘話があったそうだ。

そして、今度はじめて、この愉快なはなしが出版されました(1971年 レズリー・リンだー)、って。

 

おはなしは、ほんとうずるいねこ。名前もでてこない。

 

ねこが、ねずみをお茶に呼ぶ。いそいそとでかけたねずみだけれど、ねこは、自分の食べた残り物しかねずみにあげようとしない。ねずみには、パンのかけら、ミルクの壺にのこったものだけ召し上がれ、、、と。

このねこ、さいごに自分をデザートに食べるつもりだわ、、、と悟ったねずみ。

 

ミルクの壺をさかさにして、一番底までなめているねこ。ねずみは、テーブルにのると、つぼをドン!っとつきました!
つぼは、ねこのあたまにかぶさって、きっちりはまってしまいました。

 

そして、ねずみは、つぼをあたまにばたんばたんと走り回るねこを横目に、ゆっくりテーブルでお茶をのむと、マフィンを失敬してお家に戻り、満腹満腹!

 

ねこは、テーブルに頭をぶつけて、やっとつぼがわれました。。。

おしまい。

 

最後のページには、テーブルに頭をぶつけて壺を割っているねこの姿を目撃する家主らしき人間の姿のイラストも、、、。

 

いやぁ、シンプルなお話だ。このずるいねこが、このことの後は改心しました、とかなっていないところがピーターラビット。きっと、このずるいねこは、懲りずに、またずるいことをし続けるに違いない・・・・。

 

ピーターラビットシリーズ、妄想が膨らんで、楽しすぎる。